15 いざ学院へ
そんなこんなで、直ぐに入学式がやって来ました。王国学院にはお父様とお兄様、それにヴィル様と一緒に馬車に乗りやって来ました。
「お父様、お兄様、今日は私のために仕事をお休みになられてまで入学式に来ていただいてありがとうございます。」
「何言ってるの、当たり前でしょう。こんな可愛い妹の入学式に来ないことなんてないよ。それこそどんなことをしても来るに決まってるよ。」
「そうだよ。私の娘の入学式に行かないわけ、ないじゃないか!!」
「ありがとうございます!」
来ていただいたお礼を言ったら、お兄様もお父様も真剣に当たり前だと言ってくれたことが嬉しくて微笑んでいたら、二人とも微笑み返して下さいました。
「ヴィルテイト君、半年後に婚約パーティーで娘が学院を卒業と同時に結婚だからって手出したら、許さないからね」
「そうだよ。二人になれるからって、浮かれてちゃダメだよ。学院には他にも女性がいるから妹を悲しませるようなことをしても許さないからね」
「そんなことしませんよ!!せっかく恋人になれたのに、お二人の反感を買うようなことをするわけないじゃないですか。カリーナ様を幸せにすることを約束しますよ」
お父様とお兄様の言ったことにヴィル様は最初は二人に向かって、最後は私に向かって微笑みながら言って下さいました。
それが恥ずかしくて、顔が熱くなるのを感じながら下を向いてしまいました。
「・・・っち」
そうしたら、お兄様の方から舌打ちのような音がしていましたが、まさかお兄様がそんなことをするとは思えなくて顔を上げましたが、お兄様は微笑んでいたので、気のせいだと思い微笑み返しました。




