14 家に帰ってから…
ヴィル様に告白された後、そのまま街で買い物を続けそれから家に帰りました。
「セイン様とアレクにお付き合いすることを伝えなければなりませんね」
「はい!!ヴィル様とお付き合いするとお父様たちに言えるのがとてもうれしいです!お父様たちもきっと喜んでくださいますよね!!」
「……そうですね」
家に入る前にお父様たちにヴィル様とお付き合いすると伝えることを喜んでいるとなぜかヴィル様は苦笑いでうなずいていました。そんな話をしながら歩いて玄関に向かっていたら、あと少しの距離で玄関が中から開きました。
玄関に入ってすぐの所ではお父様、お兄様、使用人の皆様がいましたがお父様とお兄様は私とヴィル様が手を繋いでいることを見るとヴィル様詰め寄ってヴィル様を私から離れたところに連れて行ってしまいました。使用人の皆様はお父様たちを見て苦笑いになっていましたが、私がヴィル様と付き合えることになったと笑顔で伝えたら、微笑んでとても喜んでくださいました。
なんだかんだ言っても、ヴァル様を認めているお父様はそれからすぐに私が王国学院に入学して半年後に婚約パーティの予定を立てて下さいました。それが私の社交界デビューでもあります。
「リーナ、ヴィルテイト君との婚約パーティーを学院に入学してから半年後に行なうことにした。それがリーナの社交界デビューでもあるが……私がしっかり準備を行うから安心してくれ」
「はい。お父様!ありがとうございます!」
「ありがとうございます、セイン様」
「リーナのことなんだからちゃんとしてあげたいしね。リーナはいつまでも私の妹なんだから、ヴィルになにかあったらすぐに言うんだよ?いつでも助けてあげるからね」
「ありがとうございます、お兄様。でも、ヴィル様は不誠実な方ではないですし、大丈夫だと思いますよ?」
「アレク、余計なことを言わないでくれ。私がリーナを裏切る訳ないだろう」
「はは…そうだよアレク。ヴィルテイト君がなんかしたら私たちが黙っていないんだから変なことなんか起こる訳ないよ。ね、ヴィルテイト君?」
「はい。安心してください、お父上」
お父様もお兄様も私にはにこやかに話してくださっているのですが、ヴィル様に対してはその笑顔がなんとなく怖いです。ただ、ヴィル様の笑顔付きの「お父上」との言葉にお父様は「まだ父上ではない、結婚するまでは私のことはセインと呼べ」と騒いでいました。
ヴィル様と恋人になってからは、ヴィル様は私のことをリーナと呼んでくれるようになりました。私は恥ずかしくまだまだヴィルと呼べるようにはなれません。
王国学院に入学するまでの間、私は普段以上にヴィル様にくっついて行動するようになり、それを見たお父様はヴィル様を学院に連れていく侍従にしてくれました。
本当なら、女性には女性、男性には男性の侍従がいいのですが、ヴィル様とは婚約すること、部屋は別なこと、大がかりな着替え以外は一人でできること、ヴィル様が髪を編むことができること、ヴィル様本人が私の侍従になりたいと進言してくださったこと、これらのことからお父様がお認めになって下さいました。




