13 告白します!!
この国では十四歳になると王国学院に通わないといけなくなります。お兄様も通っていましたが、すでに卒業しており、お父様について行き仕事をしています。乙女ゲームの舞台は私が入学して3ヶ月後に始まります。
そんな私の入学まで後一ヶ月の最後のヴィル様とのお出かけで私はヴィル様にちゃんとした告白をすることにしました。今まで毎日好きだと言っていましたがヴィル様にとっては妹が兄に対して言っていることだと思っていると思うのでとても勇気がいります。
「カリーナ様、さっきから下を向いていてどうしたのですか?ちゃんと前を見ないと危ないですよ」
「…あっ、はい!!気をつけます!……それよりヴィル様私行きたい所があるのですが…」
「良いですよ。どこに行きたいのですか?」
「ずっと前に連れて行って下さった、街が一望できる高台に行きたいのです!!」
「かしこまりました。では、そこでお昼を食べましょう」
「はい!!ありがとうございます!!」
私は高台に行けることを許してもらえ嬉しくてはしゃいでしまい、そんな私を見て微笑んでいるヴィル様を見て恥ずかしくなりました。
「カリーナ様、パンくずが口元についていらっしゃいますよ」
「えっ!」
「取りますから、動かないで下さいね」
「……っ!」
「はい、取れましたよ」
ヴィル様はそう言いながら、取ったパンくずを食べてしまわれました。
唇を触れられたことによるドキドキとヴィル様が私の口元から取ったパンくずを食べてしまったことによるドキドキで顔が熱くなり、顔を見なくても真っ赤になってしまったのが分かります。
その後は話を振ることもヴィル様の顔を見ることもできず、黙々とお昼を頂きました。
「……。」
「カリーナ様」
「は、はい!!」
ご飯が食べ終わり、どのタイミングで言い出そうか考えているときにヴィル様が話しかけてきました。
「カリーナ様。私と付き合ってもらえませんか?」
「は、はい。どこにですか?」
ヴィル様もどこか行きたい所があるのかと思い、首を傾げましたがヴィル様は困った顔をしながら「その付き合って欲しいではなくて、恋人になって欲しいの方です」と言われましたが、言われていることが一瞬理解できませんでした。
「カリーナ様のことが好きです」
「えっ!!」
私は言われたことを認識した途端、顔が真っ赤になってしまいました。さらに驚きで固まってしまいました。
「カリーナ様…」
「…っつ!!」
どれくらい固まってしまっていたのか、ヴィル様に名を呼ばれ、肩がはねるくらい驚いてしまいました。
「すみません!!ヴィル様!嬉しすぎて驚いてしまって…
私はヴィル様に告白するために、ここに来たいって言ったんです。……私もヴィル様のことが本当に好きです。今まで毎日好きと言って来ましたがヴィル様は家族愛だと思っているのではないかと思ってたので怖かったのです…でも、ヴィル様から告白してもらって嬉しくて…」
「そうですね、初めは妹のような存在だと思ってました。ただ、カリーナ様が14歳になりこれから学院に通うようになったら当分会えなくなると思い、その間にもしかしたら学園の方と付き合ってしまうのではないかと考えたとき、私はカリーナ様のことを妹としてでは無く、一人の女性として好きなのだと気づいたのです」
「…っ、…う〜」
私はそんなヴィル様の言葉が嬉しくて泣き出してしまいました。そんな私の涙をヴィル様は拭って下さいました。
「泣かないで下さい。私はカリーナ様の笑顔が好きなんですよ」
「う〜、はい〜」
泣きながら、頑張って笑おうとしましたがうまく笑えたかわかりません。そんな私の顔を見ながらヴィル様は微笑んでいました。




