11 王宮へ......行きたくないです!
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「カリーナ嬢!!ぜひとも王宮の魔法師団に入って......」
「何を言ってるのかな?リーナがそんなとこいくわけないだろう!」
「そうだよ。リーナを王宮に連れていかせるわけないだろう」
ヴィル様が魔法を教えてくれると約束してくれて、喜んでほんわか気分でなごんでいたところに、お父様たちと言い争っていたおじ様が話しかけてきました。
「しかし、せっかくこんなに凄い治療魔法が使えるのですから、王宮で修行させるべきだと.....」
「そうやって、勝手に決めないでくれ!!」
おじ様の言葉にまたも、お父様たちは私を放置して言い争ってしまいました。そんな中私はおじ様が言っていた王宮の言葉に、夢の中で見た前世の記憶を思い出しました。
この世界がもし本当に乙女ゲームの世界なら、私が王宮に行くことで、王太子様に会ってい、せっかく違う未来になってるのが、強制的に戻されてしまうのではないかと思い、顔の筋肉がだんだん固くなっていっているのが分かります。
「カリーナ様?どうしたのですか!?やはりまだ調子が悪いのですか!?」
「...何でもない..です....」
「リーナ?何でもないって顔じゃないよ?言ってごらん?」
私が静かなのを気にしたのか、ヴィル様が振り返って私を見て焦りだしてしまわれました。それに、何でもないと返しても納得しては下さらず、ヴィル様の焦りに反応したお兄様が問いかけてきました。
「あ、...あの.....」
「うん?」
私がいきなり王宮に行きたくないと言って、公爵家の娘として、迷惑になってしまうのではないかと思いなかなか言い出せないでいる私に、お兄様は笑顔で促してきます。
「あの..ですね...。お兄様たちに迷惑はかけたくないんですが...」
「大丈夫だよ!リーナが迷惑になるわけないじゃないか!!」
迷惑になりたくないと告げると、おじ様と口論になっていたお父様が反応し、迷惑になるわけないと言って下さいました。それにお兄様も頷いています。
それを見て、私はやっと言う決心がつきました。
「あの...私は.....王宮に行きたく...ない..です....」
それでも、緊張で最後の方はぼそぼそ話してしまい、お兄様たちの顔が見れず下を向いてしまいました。
「何故ですか!?カリーナ嬢なら王宮であつく歓迎されますよ!魔法だってしっかりお教えしますから!!」
「うるさいよ。治療魔法師団長、デーリィッド様。妹は王宮に行きたくないと言っている。私も王宮に行かせたくないと思っている。これ以上何か言いたいことがあるのかな?」
おじ様が治療魔法師団長だと知って驚いてしまい、顔を上げましたが、おじ様はお兄様を見て顔を真っ青にしていました。それを不思議に思い首を傾けていたら、おじ様は「失礼しました~」と走って部屋から出ていってしまいました。
「リーナ、私たちは初めからリーナを王宮に行かせるつもりは無かったんだよ?だからリーナの王宮に行きたくないと言うなら、私たちはなおさら行かせる気はないから安心して?」
「本当ですか?私が行きたくないと言っても迷惑にはならないですか?」
「ああ、可愛い妹の言うことが、迷惑なわけないじゃないか!!もっと甘えて欲しい位だよ!」
「そうだよ!ヴィルテイト君だけでなく、私たちにももっと甘えて欲しいよ!」
おじ様が部屋から走り出ていってから、お父様は私の前に膝まずき手を握りながら「安心して?」と笑いながら伝えてくれました。それでも不安でまた確認したらお兄様も一緒に、もっと甘えて欲しいと言って下さいました。
それに嬉しくなって、私は顔を上げて笑いながらお兄様とお父様に「ありがとうございます!」と告げました。




