アカ
アカ、赤、あか、紅、
たくさんの血が、渦を巻く
中心に居るのは一人の少年
年は12、3ほど
このような場所に居るよりも、街で駆け回っている方が似合うだろう
しかし、少年が持っているモノは
街には不似合いなモノだった
ソレは、一振りの大鎌
簡素な装飾で使い込まれたソレは
既に血に染まっていた
少年は嗤う
闇に踊り死神の手を取る
少年は舞う
演目は無く、齎されるのは終への誘い
少年は舞う
一振り、紅が散る
少年は踊る
一振り、死が生まれる
少年は舞い続け、幾度となく赤が散る
死が生まれる
幾度も、幾度も、幾度も
…舞が、終わる
辺りに音は無く静けさが周り支配する
死神が微笑み、少年に口付けを落とす
意味するのは生あるモノへの餞
少年は嗤う
死の静寂の中で
とても、愉しそうに
応えるものは無く
只、風が温く過ぎ去るのみ
唐突に嗤い声が消えた
少年が、消えた
少年は何処へ?
読んでいただきありがとうございます。