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星の魔女 序  作者: 羅偽
火の国 →水の国
9/33

生真面目な元素

火の国 宮殿


サルガスとカイルの戦いが始まった所だ。

サルガスがシンプルな火球を数発撃ちカイルを攻撃

させまいとしていた。

しかし決して牽制と言うわけではなく、

カイルが避けた後ろの壁は既に火球で綺麗さっぱり

無くなっている。

「さて、そろそろ君に魔法薬学の素晴らしさを

教えておこうかな。」

そう言うとサルガスは何かをカイルの頭上へ放り投げる。

カイルの少し上で粉末がカイルを覆うように

散る。

「魔法薬の良いところはね、少量の魔法で、」

サルガスが指を鳴らす。粉末の一部に火が付く。

カイルは全てを悟って受け身を取った。

「こういうことが出来るんだよ。」

火はすぐに全粉末に燃え移り、そのまま

火種の数十倍の爆炎がカイルに向かう。

衝撃でカイルのいた場所だけでなく、

周辺さえもが抉れる。

しかしカイルは、そこに立っていた。

「ほぉ…魔法障壁か。確かに魔法薬学では

習わないし、実用的だ。これだけ自身に近づけて

張れるのも素晴らしい、カペラさんの指導が

活きているようだね。」

薄水色の空気の揺らぎのような魔法障壁が、

カイルを包んでいた。中のカイルは傷1つない。

「今度はこっちの番だ!」

カイルが手を前に出すと、火球が飛び出す。

サルガス程の威力ではないが、人間は

軽く吹き飛ぶ程度だ。

「ふぅむ…まぁ粗削りですね、この辺りは。

僕を倒すための魔法があと1つはあるんでしょうかね、個人的にはすぐそれを出して欲しいんですが、カイル君に僕がどんなふうに戦うかも、知っておいてもらいましょう。」

そう言うとサルガスが瓶を床に落とす。

瓶が割れ、水の柱が現れる。

「発火、氷結、集電、その他諸々。僕は

とりあえず全ての現象を再現できますが、

得意なものにはアレンジを加えます。」

サルガスが水柱にペンを投げる。

丁度そこに火球が飲み込まれ、ペンと火球が

水柱に入った瞬間、それは凍りついた。

どんなトリックが仕掛けてあるのか、そこに集まりつつ渦を巻き、細長くなっていた時間が止まる。

魔法に種など無い。

そして、火球の威力で爆散する。

弾けた氷は尖り、全てカイルに向かう。

カイルは障壁を張ろうとするが、発動したその場で崩れ、失敗に終わる。

「障壁くらい覚えるだろうと思って、これには

魔法は突き抜けるよう調整を施してあります。」

顔を手で庇ったが、他の部位に次々と氷が刺さる、押し寄せる激痛に、カイルは思わず声を上げる。

「ぐ…あぁぁぁぁあぁぁ!!」

思わず膝をつく。少しづつ床に赤い雫が垂れ、

それを見ていたカペラも、悔しみの表情を浮かべ、拳に力を込めていた。

(一番弟子君の体力は半分をきってる、魔力はそろそろターニングポイント…〔あれ〕と〔あれ〕を合わせるしか、今のところ勝算は…。)

カイルは体勢を立て直すと。目をつむる。

周りから風が集まり、カイルの髪、服、全てを靡かせる。

【嵐 龍】ー 第1禁忌無詠唱魔法の1つであり、

嵐の龍と言われるドラゴンの力を最大限に

使用する魔法。

「反撃開始だぜ…先生。」



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