Beginning
「どんな魔法を習いに来たのかしら…?
教えて頂戴…!」
彼女は腕を組んで言った。
「…あなたが…星の魔女…?」
カイルは息を飲んだ。
「うっそだぁ…。」
そしてこう続けた。三年前、第三次大戦を
自分と変わらない少女があの戦争を
終わらせたとは到底思えないからだ。
「まぁ、信じないのも無理はないかも
しれないわね…。でもま、私に魔法を
習ってから決めるのも良いんじゃない?カイル君。今習ってる魔法が退屈なんでしょ?」
見透かしたように彼女は言う。
「な、なんで俺の名前を…」
カイルは戸惑う。
「魔法に決まってるでしょ。名前なんて簡単に
わかるのよ?私。」
「は、はぁ…。」
カイルはあまり言葉が見つからなかった。
彼女は一体何者なのだろうか、本当に星の魔女で
あれば自分の名前を見抜いたりするのは
容易いのかもしれない…でも、頼れるのは
今のところ彼女だけなのは、明白だ。日常からの
逸脱、カイルの目的を遂げられるのは。
「じ、じゃあ…そのレッスンよろしく
お願いします…。」
カイルは少し緊張気味に言う。
「うん…よろしく。私はカペラ。星の魔女で、
あなたの師匠、先生にこれからなります。
OK?一番弟子、カイル君。」
長い旅路の始まりに立つ。