表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の魔女 序  作者: 羅偽
火の国 →水の国
3/33

気にしない美女

「一緒に浴びる?」

白髪の彼女は目の前に転げ落ちてきた少年、

カイルにそう言った。

カイルは答えなかった。ホース

を持った少女の格好が、講義漬けのカイルには

新鮮かつ刺激に溢れていたからである。

どんなにシンプルな黒のビキニスタイルの

水着でも、精神的に腐りかけていた彼には

少女の美しい顔立ちと白髪が相まって、

彼の思考をしばらく止めるには充分過ぎたのだ。

「もしもーし。」

彼女の声で我にかえる。カイルの目の前には

水に少し濡れた魅力的な顔が彼を覗き込むように迫る。

「うわぁ!…」

思わず距離をとってしまう。今までに無い動機が

カイルを襲う。

「大丈夫?頭打った?立てるかな?」

叫んで距離をとったカイルを気にもせず、少女が

手を伸ばし、カイルは俯きつつ手をとる。

「君は一体ここに何しに?なんにも無い所に

お客さんは珍しいなぁ…。」

カイルを引っ張りながら彼女は尋ねる

「俺は…森の奥にいると噂されている星の魔女に

魔法を習いに来たんです。無茶かもしれない

けど、つまらない講義だらけの毎日はもう

嫌で…彼女について何か知りませんかね?」

カイルは少女に信念を伝えた。真っ直ぐに。

「へぇ…星の魔女に…ねぇ…。」

彼女は少し笑みを浮かべると、腕を振り上げ、

指を鳴らした。

「丁度退屈し続けて退屈に退屈していたところだったのよ…。私に声を掛けてくれるなんて、アナタ変わってるわ。」

雲のあった青い空が切り裂かれ、夜空に変わる。

どこからともなく突風が吹き、ごうごうと

木々を鳴らす。驚くカイルをよそに、少女は腕を組み言った。

「それじゃあ、始めましょうか?…魔法のレッスンを、一体どんな魔法を習いに来たのか…教えて頂戴…!」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ