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最後の会話 アトリア
少女が走って止まる。
「見つけたわよ、銀髪おっぱい。」
夜の中明るく彩られた噴水で、アトリアは座っていたカペラに言った。
「あら、洗濯板ちゃん。どうしたの?一番弟子君と何かあった?」
「くっ…!アンタ言っていい事と悪いことがねぇ…!」
カペラが言い返すと、案の定アトリアは嫌な顔をした。
「アナタが最初じゃない。私だって気にしてるのよ。悩みが無いと思わないで。」
カペラは立ち上がる。
「アンタ、どこ行く気?カイル放っておいて、何する気なの?」
引き留めるように、アトリアは言う。
「アナタに言ったら、一番弟子君に伝わっちゃうでしょ?ダメ、教えない。」
カペラは冷たく言った。アトリアには真意がわかった。
「いいの!?あのバカを取っちゃうわよ!好きなんじゃないの!?」
「幼馴染みは永久不滅、イモータルよ。私が勝てるわけない。応援するわ。」
アトリアの言葉をあしらって、カペラは歩き出す。一人、夜に混ざり合うように。




