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車酔いの少女  作者: げんたろう
中学生編
9/28

車酔いの少女8 ~トモダチのカノジョ 大友視点~

ちっとも描写の出てこない森川君フォローのための友人視点・・・のつもりでしたが(アレ?)


俺、大友正隆と森川秀司は幼稚園からの友人だ。





小学校に入ると、共に書道とそろばんを習い始め、少年サッカーチームにも入った。

3年になると共にそろばんとサッカーを止め、俺は野々宮に引っ張られてバスケ、秀司は水泳を始めた。


5年のときに、秀司はスイミングスクールを辞めて少年バスケチームに入り、2年ぶりに「チーム」となった。


秀司は器用なやつで、書道は5年生段階で2段、ソロバンも初段、水泳もクロールで県内5位の実力者だ。

バスケも持ち前の器用さと天性のカン、それと努力でめきめきと頭角を現し、最終学年では俺達と共にレギュラーとして、全国にも行った。



そして現在15歳(秀司の誕生日はまだだが)。

俺と秀司は10年来の親友で、知らないことは何もないと思っていた。


男の俺からみても整った顔で、女子には小さいころから人気があった。が、本人は恋愛には興味がないらしく、自分に気のある女子を避けているところもあった。


他のメンバーも女子の話題をしないので、女っ気のない中学時代になるのだろうと思っていたら、秀司が女子マネージャーをスカウトしてきた。



水野かなめを見たとき、愛犬ヘムヘムが初めて家に来たときのことを思い出した。

(名前はオレではなく、兄が付けたということだけは言っておく)

必要以上にオドオドした女子だった。

ちなみに現在のヘムヘムは、怖いもの知らずの暴れん坊で、水野とは天と地ほど違う。



水野は、俺が声をかけると小さく飛び上がるし、スコアブックを差し出す手などプルプル震えている。

なんでまた男子バスケ部のマネージャーになったんだろうかと思うほど、男子馴れしていない。

そして、俺も女子馴れしているとは言いがたい男なため、最初はなんともぎこちない対応をしていたものだ。

が、慣れてくると部員に媚びもせず、真面目な水野に仲間意識が芽生えてきた。

外面はいいが、実は人付き合いを選ぶ野々宮に至ってはいつのまにか名前を呼び捨てにし、明らかに他の女子と区別していた。




そんなマネージャーに『カレシがいる』というネタを佐川が掴んで来た。

そして野々宮のテンションが上がり、このままでは『マネージャーをストーカー』もしくは『マネージャーを尋問』という喜ばしくない結果になるだろうと予想したとき。



「水野と付き合っているのは俺だ」



隣で着替えていた秀司が静かに挙手しながら名乗り出た。



以外すぎて誰も最初は信じられなかった。


が、『女子バスケ部マネージャー』希望の水野を、言いくるめて『男子バスケ部マネージャー』にしたり。

(それは犯罪ではないのか、秀司)


すでにご両親には挨拶している上、秀司の親にも紹介済みだとか。

(キッチリしているのは秀司らしいが・・・。中学生のツキアイとはそういうものではない気がする)


毎日5通はバスケ関連以外のメールのやり取りもしているとか。

(登下校とクラスと部活が一緒で、更にメールまでするのか!?)


たまの部活の休みには一緒に出かけているとか。

(そういえば、このごろ秀司の付き合いが悪かったな)




証明するかのように、秀司に淡々と説明され、その後やってきたマネージャーが赤面しているところを見、「本当なんだな」と納得した。




そういう目で、2人を見てみれば、中々似合いのカップルだとおもう。

世間に溢れているカップルとは違い、よくよく観察しなければ、『ただのクラスメイト』にしか見えないのだが、たまに視線を交わしていたり、水野の態度も森川には少し柔らかい。



朝も一緒に登校しているし、夕方も自宅まで送って行っているという。

女子に優しい秀司など、この10年一度としてみたことが無い俺には衝撃事実だ。

だが、それだけ水野を大事にしているということなのだろう。

それならば、俺は2人を暖かく見守っていきたい。



大友君は、長い付き合いの間に友情や愛情が芽生えるタイプ。熱しにくく冷めにくい。


かなめが森川が付き合っている時点で『親友の大事なカノジョ』へシフトチェンジしましたが、知らないままだったら、気になる存在になってたかも。

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