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車酔いの少女  作者: げんたろう
中学生編
8/28

車酔いの少女7 ~アカデミックカップル~

「どうやら森川はかなめと図書館デートをしているらしいんだよ」

プリプリ怒って野々宮が言った。部室には2人を除くレギュラーメンバーが居た。


ちなみに、かなめは掃除当番、森川は生徒会の用事で遅れている。



「というわけで、尾行するよ!」



決定事項。

彼には誰も逆らえない。





朝9時。水野家前。



大友・角野・大崎という『(騒がしくて)森川の尾行にはむかないメンバー』がかなめの担当である。

ミッションとしては、かなめが自宅から出てきたら写真を撮り、野々宮にメールすること。



「なぜ写真・・・」

「私服が気になるんすかね?」

「自分と逢ったときとの服の違いをチェックするんじゃねぇのか? ・・・恐ろしいよな」



そんなことを言っていたら出てきた。



グレーのロングスカートにサーモンピンクのシャツ。白いストールを巻いている。


でかいグレーのバックは本だろう。


「フツーに可愛いっすね」

「デートっつうか、おでかけってカンジだな」

「制服と雰囲気が違うもんだな」


パシャっと写真を取り、野々宮に送る。

しばらくすると野々宮からもメールが届いた。


「・・・森川の私服写メとかいらねーし」


黒いパンツに白シャツ。グレーのジャケットの森川の写真が添付されていた。




市立図書館に到着。

入り口には、野々宮・佐野の姿が見える。


すでに森川とかなめは図書館に入ったらしい。




「よし。顔がバレているから大崎と角野がカップルに変装して図書館に潜入。

大友はサラリーマンにまぎれて新聞を読めば大丈夫。

佐野はメガネを外せばバレない」

いきなり無茶を言う野々宮。ちなみに佐野の裸眼の視力は0.01だ。


「・・・野々宮君はどうするんです?」

「死角からこっそり観て見るよ」

「・・・我々も一緒しますよ」




そして図書館。


かなめの持ったメモを覗きこみながら、森川が本棚から書籍を取り出している。



「アカデミックなカップルだな」

「お似合いじゃないですか」

「ああいうのなら、既にオレもかなめとやったから!」



本の貸し出し手続きをする二人。

その後、閲覧コーナーで博物館や美術館のチラシを眺めている。


「美術館に行くんでしょうか・・・」

「森川のやつ、県外の博物館のパンフレットを取り出したぞ。・・・なんてあつかましい」

「・・・・・・」



その後自習室に入ったので、流石に終えず、死角で待機するメンバー。



「大友、何貸し出ししているんだよ!」

「せ、せっかくなのでオレも何か読もうかと・・・」

「せっかく!? こういうのはせっかくって言わないんだよ、まったく・・・。佐野、園芸雑誌ってどこかな」

「あちらですよ、野々宮君」

「しっかり見張っててよね」



1時間ほどすると二人が自習室から出てきた。


「本返してるっすね・・・。読み終わったってことっすか?」

「自習室で二人で読んでたのか?」

「宿題とかじゃないのか?」


再び何かを借り、森川が荷物を持ち図書館を後にする。


「森川君、紳士ですね」

「あのくらいオレだってしたよ!」

「・・・」




その後も尾行を続ける一行だが、角野がはぐれ、大崎が探しに行くと大学生にナンパされているところに遭遇。

軽くいなされた大崎が、他メンバーにヘルプに行き、大魔神大友が大学生を一喝。


とどめに野々宮が毒呪文を唱えて角野を救出・・・などしているうちに、2人の姿を見失った。

佐野が残っていたのだが、「これはいいフレームですね」とメガネ屋に気を取られたのが敗因である。




「結局、不毛なメンバーだけ残っちゃったじゃないか!」


野々宮がブツクサ言いつつも、彼は仲間を放置せずきちんを守るリーダーシップも持ち合わせているのである。

偉そうというか、「俺は偉い」と思っている節があるが、バスケ部の連帯感が強いのは、野々宮のカリスマによるところが大きい。



「マジゴメン。俺、女の子ナンパしてこよっか?」

「角野のナンパとか、男が引っかかりそうでイヤ」

「・・・・・・」


角野がダメージを受けたところで、全員でスポーツショップに寄ることにした。



そこで「偶然にも」2人に出会ってしまうのだが、野々宮が「やあ!偶然だね?」のキラキラスマイルで森川はともかくかなめは誤魔化した。


結局野々宮がかなめから離れず、団体行動に移行し、締めは野々宮行きつけのフラワーショップでお開きとなったとさ。



森川は尾行に気づいていました。

そして、野々宮以外のメンバーをフォローするため、あえてスポーツショップに行きました。



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