車酔いの少女23
大友視点です
夏休みが過ぎた。
俺たちは二年連続の全国制覇を達成し、有終の美でもってバスケ部を引退した。
レギュラーメンバーの進路も決定した。
俺は県内のバスケの強豪校からスカウトを受け、入学を決めた。
二年連続のMVPを獲得した野々宮は…都内の強豪校から特待生のオファーがあったが、都内の県立高校に入学するらしい。「全寮制とかとんでもない!」と言っていたが…もったいないことだ。
秀司にも特待生枠があったが、県内の進学校に入学するそうだ。
頭も優秀な奴だから、それでいいと思う。
他のメンバーも県内の高校から推薦を受け、バラバラになった俺達は高校になるとライバルになる。
マネージャーの水野は…秀司と同じ高校に入学するものだと思っていたのだが、私立の情報学科を受けるべく猛勉強中だ。
てっきり文系だと思っていた、と聞くと「そりゃもう思いっきり文系だよ…」と言った。
親に進められての理系進学だという。就職難が続くと文系は潰しが効かないから…と言われたらしい。
「わたしって、親とか秀司君のいいなりな人生だよね~。でも正しいから、いいかな?って思っちゃうんだ」
秀司は理詰めで相手を追い詰めるタイプだからな…。
「でも、就職先は絶対自分で決めるの! せっかく理系の勉強するなら楽しく頑張らないと! めざすはゲームプログラマー!!!」
そういえば水野は佐川とゲームの話題で盛り上がっていたな。
そして、5年後。
水野が大学在学中に、ゲーム会社にバイトに入りそのまま就職。
昼も夜もないハードな社会人となり、秀司の例の野望が途中で潰えることになる。
これにて完結にさせていただきます。
ぼちぼち番外を書くかもです。
シリーズとして、かなめ叔母の話を書き始めます。姪の話よりギャグよりです。
そちらもよろしくお願いします。