車酔いの少女19 ~酔いました~
あけましておめでとうございます。
大変ご無沙汰していました。1月はコンスタンスに更新したいと思います。
「かなめ先輩、治ったんすね!よかった~」
水野が申し訳なさそうな顔で体育館に顔を出すと、佐川が気付いて走り寄った。
「ごめんね。一番大事なときに休んじゃって」
「俺達体力バカだから大丈夫っすけど、かなめ先輩は仕方ないっすよ~」
「水野。体育館は冷える。カーディガンを羽織っておけ」
森川がかいがいしく世話を焼いているところをみると、治ったとはいえ予断は許さないのかもしれない。
「野々宮部長、大友副部長、ご迷惑お掛けしました」
律儀に挨拶にくる水野に野々宮はふんわりと笑った。
「全然迷惑じゃないよ。かなめがダウンしたのは俺らのために頑張った証拠だからね。・・・でも、これからはムリはしないでほしいな。
大友とも言ってたんだけど、ちょっとかなめに頼りすぎてたよね、俺ら。
かなめの仕事のいくつかは選手も当番制で手伝うことにしたよ」
「それじゃ、マネージャーの意味が・・・」
「マネージャーをこき使うほど、俺たちバスケ部は甲斐性無しじゃないよ」
ポンポンと水野の頭をなで、この話はおしまいとばかりに野々宮が離れていく。
俺も野々宮の言葉にフォローを入れる。
「水野が入部してくれて雑用がぐっと減って、負担が軽くなったのはありがたいと思っている。
が、引継ぎもあるからな。マネージャーが居ないとなると1.2年に水野の仕事を引き継がねばならん。早めの引継ぎだと思ってくれればいい」
「あ、そうなのかな・・・」
「そうだ。それじゃあ、バスに乗るぞ」
「・・・・・・バス?」
「そうだ」
「電車じゃなくて?」
「俺らは部員が多いからな。学校がバスを出してくれる」
「・・・・・・・・」
「おい!?顔色が悪いぞ」
「だ、大丈夫」
そして1時間後。
真っ青な水野がバスから出てきた。
「ひどい車酔いだな。体調が万全ではないからか?」
バスに乗りこみ、「わ、私立って行くから!」と言う水野を無理やり後部座席に座らせたのだが・・・10分で顔が青くなり、最後には冷や汗すらかき始め、部員一同心配しきりだった。
「(後部座席は辛すぎる・・・)・・・・・・・いつものことなので」
「そんなことはないだろう。秀司、どうする?」
「今の時間なら医務室も空いているだろう。試合開始まで休ませて、俺達は後から行く」
「そうしてくれ。場所はいつものところだ」
「わかった。・・・水野」
「う、ううぅ~」
ヨロヨロと森川に連れられていく水野は、身長差もありちょっと動きがぎこちない。
「吐くか?」
「吐こうカナ・・・」
「一人で吐けるか?」
「コツあるから、大丈夫」
「なんつー会話!」
野々宮が横で呟いた。
「かなめ先輩、乗り物弱いって言ってたっすけど、こんなに弱いんすか? バス通学でどうやってるんです?」
「なんでも秀司がいくつか前のバス停で降ろさせて、歩いて紛わせているとか」
「大変っすねー」
「彼女のゲロの世話まで出来るとか、森川ってすごいヤツだよね。よっぽどかなめを熱愛しているんだなぁ。・・・そういやこの大会のあとが初キッスの予定だったっけ」
「「「「「それを思いださせないでくれ!!!!」」」」」
イベントのたびに森川のとんでも発言を思い出し、メンバーは悶々とするんでしょうなー(笑