お姉ちゃんになれちゃった!
それから、みんなでリビングに行って、これまでのことを話そうとしたの。
「とうはまだ信用出来ない、無闇に話さない方が良いぞ」
ヨクトちゃんはそう言ってくれたんだけど、いざってときは私の力もあるから大丈夫だし、
「パパはわるい子じゃないと思うよ?」
本当にそう思ってたから。
「…なら好きにしろよ」
ヨクトちゃんもわかってくれたみたいだから、私は話せることを全部話したの。
「そんなことが…2人とも大変でしたね…」
パパは私たちのことをなでてくれたんだ。
(えへへ…なでてもらうのなんて何年ぶりだろ~?)
なんて目を閉じてると、リビングに男の子が入ってきたの。
「おはよ…あいかわらずおきるの早いね…」
(パパの知り合いかな?)
「あ、清浄!おはようございます、1人で起きれて偉いですね!」
「こどもあつかいしないでよ。え、そのてんしとあくまっぽい人たちは…?」
私たちに気づいたみたいで、ゼプトくんがおどろいた顔でこっちを見てきたんだ。
「この子パパの子!?かわい~!」
「ふん…生意気そうなガキだな」
(あれ…ヨクトちゃんはちっちゃい子は好きじゃないのかな…?)
なかよくできるのかな~って思ってたら、パパが私たちを紹介しはじめたの。
「この子達はですねー、なんと僕が作った人形なんですよ!」
「え?じゃあなんでうごいてるの…?」
「実は、姿を変えられる人形を作ってたんですけど、ようやく完成したんです!今日からこの子達はうちの子ですよ!仲良くしてくださいね!」
「へー…?」
(もしかして、パパってお話するのニガテなのかな~…?)
「ちなみに、この子達は清浄より年上ですよ」
「あ、そうなんだ?」
このあとにゼプトくんがいくつなのか聞いたら、私もびっくりしちゃった。
「私はアトだよ~、よろしくね!」
「俺はヨクト、宜しくなクソガキ」
「ちょっとヨクトちゃん!クソガキって呼んじゃダメでしょ~?」
「…わーったよ…宜しくなゼプト」
「あれ?パパが1回しか呼んでないのにもう名前おぼえたの?…あ!もしかして、弟ができてうれしいんじゃ」
「うるせぇ偶然だよ」
(う~ん、ちゃんとなかよくなれそうでよかった!)
「よろしくね、アトねぇ、ヨクトにぃ!」
「あー、清浄…そのですね…2人に性別は無いんですよ…」
「え?そうなの!?」
(ゼプトくん、今日だけで何回びっくりするのかな…)
私も地上のことはよく知らないし、おあいこだね。
「アトねぇでいいよ~!えへへ、ゼプトくんのお姉ちゃんになれちゃった!」
「俺もまあ、アトが良いなら」
パパにつづいて弟もできちゃうなんて、この日はうれしいことがいっぱいだったよ~。
はい、これでお~わりっ。
おつかれさま!さいごまで聞いてくれてありがと~。
次に私がお話しするときも、来てくれたらうれしいな。