この子とならどこへでも!
でも、さすがにちょっとつかれちゃって、立てなくなっちゃったの。
「う~…大丈夫…?」
「俺は大丈夫だ。つーか、俺より自分の心配しろよ…」
(そっか、よかった~!でもなんか顔が暗いような…?)
「私は大丈夫だよ~?でも…ちょっとおねがいなんだけど、私を運んでくれな」
「おらぁ!!」
「わっ…!」
私がおねがいしようとしたとき、あの子があばれだしちゃったの。
(やっぱり、大丈夫じゃなかったんだ…)
落ちつかせようとその子の手をとって、言葉をかける。
「…そうだよね。力がなくなっちゃってかなしいよね…」
そう言ったら、あの子があきれたような目になったの。なんでかな…?
「…そんな余力があるなら自分で歩けるだろ」
「えへへ~…」
(じつは、この力はわるい子にしか使えないんだよね~…)
この子はちがうけど、あばれちゃってたから力が使えたんじゃないかな。
その後、あの子がおんぶしてくれたの!すごくうれしかったよ~。
「けっこう高いね!」
あの子のが背も高かったし、おんぶされてるからもっと目線が高くなって、テンション上がっちゃった。
「…さっきはありがとな」
「いえいえ~。私のほうこそ、おんぶしてくれてありがと!」
そういえば、なんかおなかすいたな~って思ったら、ごはんを食べてないことを思い出したの。
「はぁ~、これからどうしよっかな…」
(なにか食べようかな~…でも次のごはんの時間も近いし…)
次のごはんといっしょにしちゃってもいいかな~とか考えてたら、あの子が面白いおさそいをしてくれたの!
「一緒に地上に来るか?どうせ俺はもう此処には居れないし、お前だって」
「え、行きたい!!」
(この子とならどこに行っても楽しそ~!地上のごはんも食べれるし…!)
それに、あの子1柱だとちょっと心配だったしね。
「よし、じゃあ決まりな。…となると2つ依代を探さないとか」
(よりしろ…からだのかわりになるやつだよね)
「あ、それなら私に任せて!」
「わかった、任せる」
あの子が任せてくれたから、私は自分の力を使ったんだ。
天使はみんな2つの力を持ってるの。
私はわるい子におしおきする力ともう1つ、物に命をふきこむ力を持ってたから、それを使ってみたんだ。
そしたら、あの子はすぐに寝ちゃった。
(寝顔かわい~…けど、この力って眠くなるんだっけ…?)
たぶん、お腹がすいたまま使っちゃったせいで、エネルギーが足りなかったんだと思う。
(よりしろもかわいいのがいいな~…)
すぐ地上に行けるはずだったんだけど、私もその後すぐに寝ちゃった。