わるいことは見逃せない!
私の名前は刹那、パパのいちばん上の子供だよ。じつは天使なんだ!
なんで私がパパの子になったのか、お話しようと思うんだけど…聞いてくれる?
パパが生まれたぐらいのとき、私は空の上で神さまのお手伝いをしてたの。
その日も神さまにおねがいされて見回りをしてたんだけど、そのうちにいろんな子がしてるうわさを聞いたんだ。
神さまに何も言わないで地上に行って、人の子たちにいっぱいうそをついて大変なことになっちゃったんだって。
それをやっちゃったのが、いつもお家にいて”サボり魔”って呼ばれてるあの子みたいって、みんなが言ってたの。
(それがほんとなら神さまに伝えないと…!)
ちょうどきゅうけいしてごはんを食べようと思ってたんだけど、そのお話が気になっちゃって、近くの子に聞いてみたんだ。
でも、だれに聞いてもみんなが言ってるからって、それしか言ってくれなかったの。
(だれも詳しいことはわかんない…本当にその子がやったのかな…?)
私もあの子のことは知ってたし、わるいことをする子だとは思ってなかったんだよね。
(たしか、部隊のはじめのテストで力が強すぎて、矢を1回とばしただけで弓をこわしちゃったんだっけ)
あの子はあせってたけど、本気なのが伝わってきて、すごくいい子だなって思ってたの。
そうやって知ってる人を探してたら、私の近くを2柱の天使が通ったんだ。
「まさかこんなに上手くいくとはねぇ」
「ククク…これであの”サボり魔”も終わりだな」
「あぁ…いつもサボってんだから俺たちの役にくらい立てってな」
(”サボり魔”…あの子のことだ!)
2柱が話してることから、私はこの子たちがやったんだって思った。
だから、すぐに前に出てその子たちを止めたの。
「あなたたち、なんてひどいことしたの!」
「チッ、”いい子ちゃん”かよ」
「捕まったら面倒だし、逃げるぞ!」
(あ、にげられちゃう…!)
2柱が走っていっちゃいそうだったから、つかまえようと思ったんだけど、いきおい余っちゃって。
「「がっ…!?」」
2柱とも前にたおれちゃたんだよね~…
「ちょっと強く押しすぎちゃったかな…?ごめんね~…でも、わるいことしちゃだめだからね!」
寝ちゃった2柱を1番隊の神さまにおねがいしてから、私はあの子を探しはじめたの。
(早く誤解をといてあげないと…!)