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失墜  作者: ゆかこ
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4

「ん…、もう終わり」


 波のように、毛布やシーツがしわになっているベッドの上。すっかりくしゃくしゃになったシーツに包まりながら、麻がぼそりと呟いた。その動作に、耀は再び抱き寄せ、軽いキスを落とした。


「……だから、ダメだってば。それよりさ、私の話、聞いてよ」

「何? もうダークな身の上話は飽きましたよ」


 耀が肩をすくめると、麻はずきずきと重い痛みを訴える腰を、寝転んだまま擦った。


「いいでしょ、別に」

「ま、いいか」


 耀の言葉に、麻はさっと起き上がり、白いシーツを体に巻きつけた。


「……んー、なんか萎える。やっぱりいいや」

「何ですか、それ」


 急にぐったりと脚を投げ出した麻を見やり、耀はくるりと麻の方を向いた。


「ねえ、耀。名前を呼んで」

「はい?」

「だから。名前を呼んで?」


 麻の言葉に、耀は微笑んだ。細い手首を取り、茶色がかかった髪をそっと撫でる。


「あさ」


 すると彼女は安心したように鼻を鳴らした。耀はにやりと笑う。


「バカじゃないんですか。憎んでるくせに」


 恐怖を感じていた。憎まれごとでも言わなければ、この綺麗な女に本気で惚れてしまいそうで。そんな気持ちを押し殺しながら、耀は眠ったふりをする麻の髪を撫で続けるのだった。

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