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デスティニーブレイカー  作者: 影野龍太郎
第1章

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第12話 戦い終わって一安心。だけどあなたは何者なのよ?

 ボフッボフッと泡がはじけるような音と共に怪獣の肉体が弾けて消えていく……。


 闇から生まれた魔物はその命を絶たれるとこうして再び闇の世界へと還ってゆく……それがこの世界の摂理なのだ。


 わたしはその光景を見つめながら、ただ茫然と立ち尽くしていた。


 カズキくんのあまりにも圧倒的な強さ、そして何より、その美しい姿に見惚れてしまっていたのだ……。


 内向術(ないこうじゅつ)によって肉体内部で練り上げたネルギーを外向術(がいこうじゅつ)の要領で一気に放出する……確かに両方に適性がなければ実現できない芸当だ……。


 天才……そんな言葉がわたしの脳裏に浮かんできた。


「流石カズキ、いつもながら惚れ惚れするような手際の良さね」


 剣を収め息をつくカズキくんの元にゆっくりと歩み寄りながらアリッサさんが声を掛ける。

 クールを装っているが、口元が僅かに緩んでいるところを見ると彼女も内心かなり喜んでいるのだろう。


「俺は? 俺は?」


「まあ、あなたもそれなりには頑張ったと思うわ。しっかりとカズキの攻撃のための時間稼ぎをこなしたところは褒めてあげる」


 カズキくんが答えるより早く、彼を押しのけるようにしながら尋ねるリューヤくんにアリッサさんが言う。


「なんつーか……まるでペットを褒めてるみたいだな……」


 リューヤくんが呆れたような声でそう呟く。


「それはそうでしょう? 自分から褒めて褒めてって舌を出すペット染みた男には相応しい褒め言葉じゃないかしら」


 彼の呟きに対して、さらりと酷いことを言うアリッサさん……。


「要するにアリッサとしてはお前の活躍自体は認めるが、人を押しのけてまで自分をアピールするようなその態度が気に入らないってところだな。ところで、手をどけてくんない?」


 手で顔を押しのけられたままのカズキくんがその手の主をジト目で睨みながら抗議の声を上げる。

 慌てて手を離すリューヤくんから少し離れ、カズキくんはやれやれと肩をすくめてみせた。


 離れた場所で繰り広げられるそんなやり取りをどこか羨ましい気分で眺めつつぼんやりとしているわたしだったけど、ふいに隣から声がかかる。


「ところで、興味深げに戦いを眺めていたらつい声を掛けてしまったけど、君は誰かな? この町の人とも思えないし、もしかして怪物を退治しようと駆けつけた冒険者とか?」


 わたしの顔を覗き込みながら尋ねてくる少年にわたしはハッと我に返ったように姿勢を正して向き直った。


 改めて見るとその人は本当に綺麗な顔立ちをしていた。肌の色は透き通るように白く、瞳は深い青をたたえている……思わず見とれてしまいそうになるが、今はそういう場合ではない。


「まあ、そんなところです……。って言っても、彼らの戦いに圧倒されてこうして眺めてるしかできなかったんですけどね……」


 我ながら情けない話である。勇者として、魔物を倒すべき立場の者として、これでは失格だろう。


 わたしが苦笑しながら答えると彼は一瞬きょとんとした表情を浮かべた後、くすくすと小さく笑い始めた。


「仕方ないさ、相手が相手だったからね。()()()()()()()()当然の反応さ」


 普通の冒険者じゃないから問題なのだ、わたしの場合は……。


 それはともかくとして、わたしはこの謎の少年の事が気に掛かった。


 突如出現し(単にわたしが戦いに気を取られて接近に気づかなかっただけだろうけど)わたしにリューヤくんの強さの理由についてレクチャーしてくれた……。


 一体、何者なのだろうか……?


「ところで、あなたはあの三人の仲間なんですか?」


 気になり思い切って尋ねてみるわたしに、しかし少年は首を振って否定した。


「いや、違うよ。僕は彼らとは無関係だ」


 ……え? まさか……どう見ても知り合いであるかのように彼らについて話してたのに?


 わたしがそんな事を思った瞬間。


 ボカ! と少年の頭が背後から誰かに殴られる。


「誰が無関係なんだよ、ラルク……」


 聞こえた声にわたしがそちらに視線を向けると、いつの間にかこちらに来ていたのか、呆れ顔のカズキくんが立っていた。

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