「きゃぁーー!!あ、熱い……そして、いっぱい……」『魅惑のコーヒーカップ』
女神フレイヤ「見つけたぞ!ゼウス先生!」
屋上へのエスカレーターを走らずに昇った女神フレイヤ・ノート・ムーアの三大女神は屋上遊園地のコーヒーカップに乗り、くるくる回っているゼウスを発見する。
絶対神ゼウス「ひひささししぶぶぶりだのぉぉ~~!!?」
コーヒーカップから降りたゼウスは地面に降りてからも足元がふらつき、その場でくるくる回ってしまった。
女神ノート「ご迷惑をおかけしました。ゼウス先生……お久しぶりです」
女神ノートは一度『堕天』になり、あろうことか『魔王』にまでなった自分を悔いた。その気になればゼウスの力で天界に戻すことは容易かったが、それをしないで戻ってくるのを信じて待っていたゼウスは人一倍生徒思いの先生だった。
絶対神ゼウス「過去のことは良い。天使学校の三バカが今や世界を治める三大女神に成長したのじゃ。何も言うことはない。それより、ここへ来た理由は女神ノートの子の強すぎる魔力をどうにかしたいのじゃろ?」
女神ムーア「!!?……そうだっけ?」
女神フレイヤ「あ、そうだ!何しに来たか忘れてた!」
女神ノート「そうだそうだ!ゼウス先生探すのが目的で忘れてた!」
絶対神ゼウス「相変わらずの三バカよ……。まぁ、よい。魔力はこの『ゼウスの腕輪』をつければ抑えられる。ただし、試練はつきものじゃぞ」
絶対神ゼウスは意地悪そうに自慢の長く伸びた髭をさすりながら「ふぉふぉふぉ」とベタに笑った。
女神フレイヤ「さすがにタダじゃくれないか!」
女神ノート「仕方ない!試練を受けよう!」
女神ムーア「女神が三人もいるんだ!楽勝だ!」
絶対神ゼウス「試練は至極簡単じゃ。ここにある屋上遊園地の五つの乗り物『コーヒーカップ』『観覧車』『メリーゴーランド』『ゼウス鉄道』『ゴーカート』これに地上からきたマーサと、そのフィアンセ五人に一つずつ乗ってもらう。マーサが一度も奴らの言う『バナンポジュース』を出さなければお前らの勝ちだ」
女神フレイヤ「な!な!マーサが……!!?」
女神ノート「バナンポジュースを……!!?」
女神ムーア「一度も出さない……!!?」
女神三人『無理だーーーー!!!!』
三人の女神の叫びが空に響いているとき、マーサとそのフィアンセ達は遅れて屋上へ上がってきた!
マーサ「……ん?……どうしたの?」
【一回戦『コーヒーカッブ』】
マーサ「いや……簡単だろ……。出さなければいいんでしょ?さすがにこんな大勢の前で出さないよ……」
レキ「そうよね!一緒に遊園地で遊ぶだけだし!さっさと遊んでノートの赤ちゃんの力を封印してもらいましょ!」
絶対神ゼウス「マーサとやら……お前には『小説の主人公』と『ピュッピュッ』の使命が宿っておるわい。そう簡単にはいかんじゃろ……」
絶対神ゼウスは持っていた杖をマーサに向けて言い放った!
トモミン「さすがご主人様!『小説の主人公』だったんですね!尊敬します!」
女神ノート「いや……『ピュッピュッ』の使命ってなによ……」
女神フレイヤ「道理でところ構わず『ピュッピュッ』してると思ったら……」
マーサ「あんまりピュッピュッ、ピュッピュッ言わないで……恥ずかしい」
女神ムーア「で?最初は誰が行くの?私達女神の援助があるから楽勝でしょ」
イク「では!先陣は私が切ろう!」
剣聖イクが真っ直ぐ手を上げて名乗り出た!
さすがロイヤルフィアンセーズの特攻隊長!
絶対神ゼウス「では、マーサと剣聖イク、コーヒーカッブに乗るのじゃ」
マーサ「はいはい」
マーサはコーヒーカッブに乗り込んだ!
レキ「よし!いいぞ!」
レキもコーヒーカッブに乗り込み、念のためマーサの真正面に座った。隣に座ると万が一ハプニングでマーサに触れてしまうかもしれないからだ!
絶対神ゼウス「それでは、時間は5分じゃ!よ~~い、スタート!!」
ゼウスの合図でコーヒーカッブがゆっくりと回りはじめる。
イク「ははは!楽勝だな!」
マーサ「ほんと!ほんと!これじゃ、ただのデートだよね!」
イク「ででで……デート!!?」
急にイクの顔が赤くなる!よく考えたらコーヒーカッブに向かい合って座って、見つめ合いながら回ってる……かなりラブラブデートだ!
マーサ「お?おおお?お!?い、イク!!?」
コーヒーカッブの回転がどんどん早くなる!
イクが照れて真ん中にある回転スピードを上げる円盤上のハンドルをどんどんどん回しているからだ!
イク「そ、そんな!?で、デートなんて!!ふふふ……」
イクは自分がスピードを速めていることに気づいていない!
ユキノ「ねぇ、あれ……回転速すぎない?」
ゴゴゴーー!!
すごいスピードで回るコーヒーカッブ!!
イク「きゃーー!!」
ようやく回転の速さに気づいたイクが叫び声を上げる!!
あまりの回転で吹き飛ばされそうだ!
マーサ「イク!!大丈夫か!?俺に掴まれ!!」
マーサがイクに手を伸ばす!
イク「マーサ殿!?すまない!」
イクもマーサに手を伸ばす!!
ガシッ!!
イクが掴んだのは……マーサのバナンポだ!
マーサ「はぅ!!な、なんで!?」
イク「ああ!?きゃーー!!飛ばされる」
イクは両手でマーサのバナンポを掴んだ!
トモミン「ヤバいです!ご主人様のバナンポ、30%……40%……50%……発射率どんどん上昇してます!!」
サーフォン「コーヒーカッブの回転による遠心力がイク様の手からマーサ様のバナンポに強い刺激となって押し寄せてます!」
ユキノ「マーサーー!!がんばれーー!!我慢しろーー!!」
レキ「あんた!出したら承知しないわよーー!!」
女神フレイヤ「……私達は何を見ているのだろう」
女神ノート「すごいなあいつ……振り回されながらバナンポがどんどん大きくなっていくぞ……」
女神ムーア「あいつはいつもああなの?」
三大女神は冷静だった!!
マーサ「ヤバい!!出そう!!」
トモミン「発射率!80%を超えています!」
レキ「……さっきから『発射率』ってなに?」
ユキノ「『暴走』しないかな?」
手を頭の後ろで組んで呑気なことを言う勇者ユキノ!
イク「マーサ殿!手を離します!!」
イクがバナンポを持つ手を緩める!
マーサ「ダメだ!このスピードで手を離したらイクが怪我をしてしまう!絶対に離すんじゃねーーぞ!!」
イク「マーサ殿……」
イクの掴む両手が汗ばむ。イクはもう一度強くバナンポを握り直した!
女神ノート「すごいな!バナンポ握られて感動的なシーンにしようとしている!なるか~~い!」
女神ノートの冷静なツッコミ!
絶対神ゼウス「あの男はフレイヤが転生させた奴じゃろ?すごいの持ってきたな……」
女神フレイヤ「私もあんな風になるとは思いませんでした……」
女神ムーア「フレイヤ……ドンマイ」
なにやら神様達で反省会が始まっていた!
レキ「あ!甘い!ちょ、ちょっと!マーサ出してない!?」
回転するマーサのバナンポから液体が飛び散る!
トモミン「まだ大丈夫です!甘い方は我慢した時に出るフライングバナンポジュースです!セーフです!」
サーフォン「ペロッ……本当だ!甘い!」
ユキノ「ペロペロ……うん!まだ苦くない!」
飛んできたフライングバナンポジュースを舐めて確かめる。
絶対神ゼウス「あと十秒じゃ」
ゼウスが時計を確認する。
マーサ「あう~~もうダメかも~~」
イクの両手に握られたバナンポは爆発寸前だ!
イク「マーサ殿~~頑張ってください~~」
イクは振り落とされないようバナンポをしっかり握る!
レキ「よし!あと五秒!」
サーフォン「あと四秒ーー!」
カウントダウンが始まる!!
トモミン「さ~~ん!!」
マーサ「あーー!!出るーー!!」
フライングバナンポジュースがいっそう吹き出る!
女神ムーア「二ーー!!」
イク「マーサ殿のバナンポ熱い!!爆発しそう!!」
マーサのバナンポを握る手が汗ばむ!
女神ノート「いちーー!!」
マーサ「うわぁーー!!我慢んんんーー!!」
耐える!必死で耐える!!
女神フレイヤ「ゼロ!!!!よくやったわ!マーサ!!」
絶対神ゼウス「うむ!ひとつクリアじゃ!」
ゼウスが杖を掲げるとコーヒーカッブはピタッと止まった!!
イク「きゃーー!!」
急に止まって服が乱れ、イクのおっぷにが露になる!
マーサ「わわわわ、わーー!!」
イクの上に落っこちたマーサは、奇跡的におっぷにの間にバナンポが挟まり、我慢していたバナンポジュースが勢いよくイクの顔に目掛けて吹き出した!!
マーサ「あうっ!!出るーー!!」
イク「きゃぁーー!!あ、熱い……そして、いっぱい……」
レキ「終わってから出たから、セーフよね!」
ユキノ「セーフだ!!」
トモミン「セーフでっす!!」
サーフォン「一回戦は我々の勝利ですね!!」
ロイヤルフィアンセーズが顔中ベタベタのイクの元へかけより、みんなで喜ぶ!
女神フレイヤ「よし!勝ち!!」
女神ノート「なんとか勝てたな!」
女神ムーア「どうだ!ゼウス先生!思い知ったか!!」
三大女神もゼウスに勝利宣言をする。
絶対神ゼウス「勝ちでいいけど、結局最後出してるよ……次は『観覧車』だけど大丈夫?」
呆れ顔を見せながら観覧車の方を杖で指す。
ユキノ「『観覧車』か!!確かに難しい……!密室&高所……絶対にマーサは入れる!」
レキ「うん……100%入れられるわね」
トモミン「ご主人様は入れるでっす!」
サーフォン「わ、私は……い、い、入れられても大丈夫です!!」
女神フレイヤ「あんたら、自分で言ってて恥ずかしくないの?」
マーサ「まさかの信用ゼロ!!」
マーサは人知れず傷ついた!
トモミン「私に秘策がありまっす!」
トモミンが手を大きく上げた!
ユキノ「よし!次の挑戦者はトモミンだ!」
レキ「そうね!入れられても出さなければ大丈夫だし!なんとかなるんじゃない?」
イク「がんばれトモミン!出さないように入れられるのですよ!」
サーフォン「ファイト!ゆっくり入れられれば出ないかもですよ!!」
ロイヤルフィアンセーズの応援が飛び交う!
マーサ「……俺の評価って、いったい……」
日頃の行い!自業自得だった!!
入れるのかい!?入れられるのかい!?
どっちなんだい!!
<つづく!>




