「ほら！んぁ！絶対見えてるって！」『剣聖イク『はじめて物語』』
イク「ううう……恥ずかしい……」
剣聖イクは上半身に着ていた鎧の留め金を外す。
パチンッ
マーサ「……縞々」
鎧の下から出てきたブラは青と白の縞々模様。
イクは『下着は縞々！』と決めていた！
イク「えーん、なんで私が……」
そういいながらも下に履いていたスカートも脱ぐ。下も青と白の縞々だ！だが、剣を振るう度にスカートの中の縞々が見えるので、マーサは知っていた！
マーサ「……縞々」
知ってても釘付けだ！
<さて、なぜこんなことになっているかというと、30分前……>
剣聖イク「……マーサ殿、その……大丈夫か？」
マーサ「……な、なんとか」
マーサの顔面は腫れていた！不幸なことに蜂に顔を刺されたり偶然飛んできたファイアーボールに当たったりダンジョンのトラップを踏んで電気が流れたり散々な目に合っていた。
<KPが200貯まりました。『賢者タイム』が発動できます。発動条件を満たしてください。>
マーサ「……賢者タイム？」
勇者ユキノ「……ん？何か言ったか？」
マーサ「あ！いや！別に！」
マーサは頭の中のナビゲーションに反応してしまい慌てて誤魔化した。
ピッカーー！！！
『ピッカーー』という効果音とともに突如飛んできた光はマーサとイクをガラスの壁の中に閉じ込めた！
マーサ「油断した！！！」
マーサの頬に一粒の冷や汗が駆け下りる！
イク「でや！！ガキンッ！！え！？聖剣ゼックスカリパでも切れないなんて……」
マーサの隣で剣聖イクが困惑する。
驚くのも無理はない。順調に最下層までたどり着いたマーサと勇者一行は重厚な扉の前でボス戦の準備をしていたら、突然マーサとイクだけを光が包み、四方をガラス張りの箱に閉じ込められたのだ！
マーサ「くっ！！！ボスへ続く扉の前は『セーブポイント』って決まってるのに！！」
イク「確かに一番気を緩める場所だが……まさか扉越しに『エスオーディーン』の魔法をくらうとは……」
最下層フロアボス『エスオーディーン』レア魔法『マジックミラーゴ』は指定された人物をガラスの部屋へ閉じ込めてしまうレア魔法なのだ！
勇者ユキノ「イク！マーサ！大丈夫！？」
トモミン「ご主人様～～」
トモミンがガラスの壁を叩くがビクともしない。
マーサ「おーい！トモミン！ユキノ！……向こうから、見えてない！！！？」
レア魔法『マジックミラーゴ』は中から外は見えるし声も聞こえるが、外からは中は見えないし声も聞こえないのだ！
？？？『この『マジックミラーゴ』をやぶるにはSR魔法『賢者タイム』を使うしかないわ……』
突然、イクが持つ剣が喋った！
マーサ「ビックリした！！さすが伝説の剣！まさか喋るとは！」
イク「……！！！！！！？」
イクが一番驚いてる。
マーサ「……知らなかったの？」
聖剣ゼックスカリパ『……なかなか喋るタイミングがなくて……ごめんね』
聖剣ゼックスカリパ(通称ゼクス)から優しい声がする。
イク「……ちょっとびっくりしたけど、今はそんな場合じゃないわ！！先ほど言った魔法とは？」
ゼクス『マーサとやら、あなたの中には計り知れない魔力が眠っている。それを引き出すにはSR魔法『賢者タイム』を使い、レア魔法『マジックミラーゴ』を打ち破るのよ！』
イク「なんだそれは！早くやってくれ！」
ゼクス『この魔法を使うには条件が必要なの……』
イク「条件！？とにかく早く！！なんでも手伝うぞ！」
ゼクス『発動条件が『◯ックスしたあと10分間』なの……』
イク「そうか！ならばすぐにセッ……◯ックス！！！？」
マーサ「……そんな気がした……ポッ」
マーサは顔を赤める。
さきほどのナビゲーションはこのことを言っていたのか……。
イク「えっ！？ええーー！！！！？」
<冒頭に戻る……>
イク「……これ、ん、ほんとにぃ！向こうからはっ！見えてないのぉ！？んぁ！」
イクがガラスの向こうでこちらを心配そうに見つめる勇者ユキノとトモミンを指差す。
マーサ「たぶん！大丈夫(そういう設定)かと……ハムハム……」
マーサはイクの『おっぷに』をハムハムしながら答える。
イク「んん！……恥ずかしい……」
ゼクス『マーサ！イクは初めてよ！優しくするのよ！』
イク「ゼクス！うるさい！……んぁ！」
マーサ「はい！じゃ、ゆっくり入れるね……」
イクは壁に両手をついた！バックスタイルだ！
イク「え！この格好！？目の前でユキノ様とトモミンが見てるのにぃーーんんん！！あぁ……入っちゃっう～～……！！」
スキル『年齢制限』発動！ここからはガラスの外の勇者ユキノとトモミンの表情をお楽しみください。
勇者ユキノとトモミンは壁に向かって並んで立ち、何も見えていないはずのガラスの壁を見つめている！
ユキノ「……はぁはぁ」
トモミン「うわっ……あ！あぁ……」
イク「ねぇ！やっぱり見えてない！？ねぇ！」
ユキノ「あんなに大きいのが……うわぁ～～」
トモミン「あんなに揺れて……羨ましいでっす」
イク「ほら！んぁ！絶対見えてるって！」
マーサ「だ、大丈夫！ふぅ！大丈夫ーー！！」
絶対大丈夫じゃない時の言い方だ！
ユキノ「え！？あんな体制！？犬みたい！」
トモミン「あんなに開いて……」
イク「やーー！！マーサ殿！こんな……ああーー！！」
ユキノ「わ！今度は両足持って！……わ！わ！」
トモミン「……蛙」
イク「ほら！蛙って言った！あん！足を離して！やぁ～～ん！」
マーサ「だ、大丈夫！見えてない！見えてない！」
見えてないから大丈夫とは限らない！
ユキノ「イク足がVの字に！」
トモミン「ビクンビクンしてるでっす！」
イク「や！待って！『ピー！』ダメ！止まって！ああ！やめっ！なんか『ピー！』！ああ、『ピー！』！！！」
※スキル『年齢制限』は自動でR15におさめる便利なスキルです。
マーサ「victory(勝利)ーー！！」
victoryの『V』だった！なにが！！？
ユキノ「お、終わった……！？」
トモミン「ご主人様の……勝利(？)でっす！！」
マーサ「はぁ……はぁ……」
イク「ああ……新しい……世界……」
二人はその場で力尽きた……。
マーサ「……はふぅ～～」
ゼクス『ほらっ！呆けている場合か！『賢者タイム』発動しているぞ！』
マーサ「え！！ほ、ほんとだ……」
マーサの体をほんのり光が包んでいる。
マーサ「今ならこの壁だって！レア魔法『ピロートークン』！！」
マーサの手の甲の『紋』が光輝き『ドーン』という音と共にガラスの壁は消え去った！
マーサ「や、やった！」
ユキノ「や、やったわね！わ、私は何も見てないわよ！」
トモミン「ふたりとも凄っ……無事でなによりでっす！！」
二人とも設定を守る！偉い！
イク「……もう、いやぁ～～！！」
イクはそそくさと服を着た！
無事に『マジックミラーゴ』を突破した勇者パーティーはいよいよ最下層フロアボス『エスオーディーン』に挑んだ！
その戦いは5時間にも及ぶ死闘であった。
ちょっと長いのでダイジェストをどうぞ……。
【ダイジェスト】
イク「でやぁー－！！乙女の恨みー－！！！」
聖剣ゼックスカリパが闇を切り裂く！
エスオーディーン『ぐぅ！恨みが凄い！！だが甘い！食らえ！！』
マーサ「危ない！！うわぁぁーー！！！」
イクを庇ってエスオーディーンの攻撃がマーサにヒット！
※マーサは200KP獲得した。
イク「マーサ殿！！……あ、ありがとう」
マーサ「うふふふ……貯まった貯まった……」
マーサは不気味に笑った。
エスオーディーン『なんだお前！？気持ち悪い奴め……『マジックミラーゴ』！！』
トモミン「あ！今度はユキノ様がご主人様とガラスの箱の中に！！！」
ユキノ「……勇者！来迎！」
勇者ユキノはそう叫ぶと額の『勇者の紋』が光輝いた！
マーサ「ああ……これが、勇者の力……！？」
マーサの前で全身を光に包まれたユキノは伝説の勇者装備『メイドビキニアーマー』を纏った。
ユキノ「……お、お願いします」
伝説の勇者装備に変身したユキノはマーサの前で正座をして両手を揃え、深々頭を下げる。
はじめての時の服装は勇者装備と決めていた！
マーサ「こ、こちらこそ……」
マーサも慌てて正座をして頭を下げる。
トモミン「メイド……ビキニ……アーマー……」
トモミンの目が輝く！
ユキノ「だ、ダメぇーー！！勇者なのにぃ～～！！！！」
勇者ユキノがガラスの箱の中で乱れ狂う！
マーサ「レア魔法『ピロートークン』！！」
マーサはKPを使い果たした！
ユキノ「……あぁ……勇者、失格……」
イク「……」
エスオーディーン『我に歯向かうのは100年早いわ！くらえ！』
エスオーディーンはマーサに攻撃した。
マーサ「ぐはっ！！えへへ……貯まった貯まった……」
マーサがまたも不気味に微笑む。
※マーサは200KP獲得した。
エスオーディーン『なぜ攻撃されて喜ぶ！？ええーい！『マジックミラーゴ』！！！』
ユキノ「ああ！今度はトモミンとマーサが閉じ込め……！？」
イク「……とぅ！！」
ユキノ「あー－！！イクも一緒に閉じ込められた！……ズルい！！」
マーサ、トモミン、イクはガラスの箱に閉じ込められた！
マーサ「3人は初めて……」
トモミン「トモミン、がんばるでっす！！」
イク「……もう、しょうがないなぁ～～」
ユキノ「……………」
エスオーディーン『我を無視するなぁーー！！』
エスオーディーンは究極魔法を唱えはじめた！
イク「あ！あん！あ！また『ピー！』……る！」
ビシャ！！
エスオーディーン『ビクッ！！！』
ガラスの壁の近くで戦っていたエスオーディーンは急に濡れた壁にビックリして究極魔法が途中で止まった！
マーサ「もう……限界！！！」
トモミン「ご、主人……様……出す時は……こっち……」
トモミンが「あ～～ん」と口を開けて指を差す。
スキル『年齢制限』の厳しい目が光る！！
マーサ&イク&トモミン『もう、『ピピー－！！(アウトーー！！)』めぇ～～！！』
マーサ「ピロ～～ト～～クン……」
トモミン「やっと出れたでっす！」
イク「ああ……剣聖、失格……」
ユキノ「……」
マーサ「ああ！エスオーディーンが魔法を唱えているぞ！」
ユキノ&イク「…………」
ユキノとイクは閉じ込められたくてエスオーディーンの魔法を待っていた！
トモミン「あわわ！すごいのが来そうでっす！」
トモミンはオロオロしている！
エスオーディーン『これで最後だ！究極魔法マジックミラーゴ時間停止バージョン！』
マーサ「うわっ！全員がガラスに閉じ込められて、ユキノ、イク、トモミンが時間が止まったように動かない！！」
聖剣ゼクス『マーサ！やることは一緒よ！！』
マーサ「わかった！」
ユキノ「……(はぁ～～ん！深いぃーー！！)」
イク「……(またそんな格好！？いゃぁ～～ん！！)」
トモミン「……(勇者様の前で足をそんなに開いて……)」
ユキノ「……(イクと一緒なんてあぁ～～ん！！)」
イク「……(ユキノ様と合わさって！？あぁ～～ん！！)」
トモミン「……(出す時は私の口に……んぐぅ！！)」
マーサ「ピロートークン！復活ーー！！覚悟しろ！エスオーディーン！！」
ユキノ「もう限界だ……！最後の勇者来迎ーー！！」
裸のユキノが切りかかる！
イク「……私も限界です。聖剣ゼックスカリパーー！！」
半裸のイクも切りかかる！
トモミン「もう、飲めません……支援魔法『すぐにシャワーに行かないで』終わったあとは～～抱きしめて～～♪」
全員の士気が上がった！
マーサ「……先に寝てます」
出しきって睡魔が襲う！最悪だ！
エスオーディーン『……お前ら……理解……できん……グフッ！！！』
エスオーディーンは霧状になり消え去った！
ついにフロアボス『エスオーディーン』を倒した！！
ユキノ「や、やった……」
イク「足腰が……限界」
トモミン「……もう立てないでっす」
マーサの横に寄り添うように次々に倒れる。
勇者ユキノ、剣聖イク、トモミン……三人は幸せそうな顔をしながら深い眠りについた。
マーサ「……ぐぅ」
先程からあきれるほど清々しい寝顔を見せるマーサ。
不幸になればなるほどポイントが貯まる意地悪なシステムは、何があっても落ち込まないで前向きに明日を生きる『AB型』の特長を持つマーサにとっては夢のスキルなのかも知れない……。
【天界】
女神フレイヤ「……あんたら、やりすぎじゃない？年齢制限は大丈夫かしら……？」
呆れ顔で編集をしながら『配信』ボタンを押す女神フレイヤであった。
※女神チャンネル更新
『マジックミラーゴ』～勇者パーティーハーレム編～再生回数250万回、登録者200万人突破！
<マーサの借金、残り▲298810000ノーエッチ>
