「……ペロペロ」ロイヤルアクトレス(王家の女優達)
サカナトイッタラマグロ共和国北部、リゾート地で有名なカルイザーワ湖のほとり、女神ムーアはひっそりと暮らしていた……。
女神ムーア「シーン6!第一王子と幼なじみレキが勇者パーティーに加入して出会うシーン!!よ~~い、アクション!!」
キャンプ用のイスに腰掛け、メガホン片手に女神ムーアは演者へ合図を送る。
マーサ「や、やぁ~~レキ!き、奇遇だねぇ!」
湖のほとりでたたずむレキにぎこちなく声をかける。
レキ「ま、ままマーサ!あんたこそ、こんなところでどうしたのぉ~~?」
振り向いて風になびく髪を手で抑えながら精一杯の作り笑いをカメラに向ける。
女神ムーア「カァーーット!!大根役者にもほどがあるわ!切り干し大根か!切り干し大根役者なのか!へたくそ!!台本捨てろ!必要ねぇ!」
マーサ&レキ『……シュン』
めちゃめちゃ怒られて落ち込む。
イク「あ、あの女神ムーア様……これはいったい?」
女神ムーア「だから言ったでしょ!封印術するにはしばらく出かけないといけないでしょ!だから仕事の手伝いするのは当たり前!前は同人誌描いてたけど、フレイヤに動画を保存できる魔法の機械『びでおかめら』を貰ったから初めて『えいが』ってのをを撮ってるのよ!せっかく勇者パーティーが来たんだから『ロイヤルフィアンセーズ結成秘話』を撮るわよ!これは売れるわよ!」
ユキノ「うん、おもしろそう!」
ユキノは乗り気だった!
女神ムーア「で、マーサとレキの勇者パーティーでの本当の出会いはどうだったの?あんたら幼なじみでしょ?」
マーサ「…………」
レキ「…………」
黙るふたり。
トモミン「えっと、確か私が支援魔法の練習のため、ご主人様のバナンポを咥えているところにレキさんが乱入して、ご主人様を吹っ飛ばしました!それが最初でっす!」
女神ムーア「す、すごい出会い!!いきなり修羅場!!?」
あまりの衝撃で少しよろける!
サーフォン「マーサ様らしいというか……」
イク「私もびっくりしました……」
女神ムーア「もういいや!それで撮っちゃおう!」
マーサ「……へ!?」
女神ムーア「いくら『えいが』だからって真実を描かないとね!ノンフィクションよ!ノンフィクションえいが!」
マーサ「これは、まいった!」
レキ「赤ちゃんの魔力を封印するためとはいえ……女神フレイヤ様に計られたわね……」
急に役者になって戸惑いながら女神フレイヤを恨んだ。
女神ムーア「はい!シーン6!テイク2!よ~~い、アクション!!」
マーサ「……いいぞ!その調子だ!」
トモミン「ふぁ~~い!ん!んは!がん……ばるにゃ……んん!!!」
トモミンは
マーサのバナンポを奥まで咥える!
マーサとレキの出会いを忠実に再現するため台本の執筆はマーサに託された!
マーサ「……ああ……出そう」
片手に台本を見ながら台詞を言う。
レキ「えっと……『出そう』じゃ、ねー-わー-!!!」
突如飛び出した拳聖レキの必殺技『愚か者よ!』が炸裂した!
マーサ「ぐわぁーー!!!!レキ!!本気で殴った!?」
レキ「あ、ごめん。つい……」
女神ムーア「オーケ~~!!完璧よ!!」
マーサ「……」
レキ「……OKなんだ」
ロイヤルフィアンセーズの面々は、マーサのたぐいまれな記憶力により鮮明に書かれた台本によって恥ずかしい出会いの場面を容赦なく再現させられた!
思い出したくない思い出の引き出しはまるで泥棒に遭ったかのように全て引き出されたのだった。
女神ムーア「シーン21!勇者ユキノ、はじめてのアサイン!なんだ?アサインって?ま、いっか!よ~~い、アクション!!」
ユキノ「んっ!……まだだ!確かトモミンはもっと奥まで咥えてたぞ!……んぐっ!……んーー!んーー!!!」
用意された布団の中でユキノは、自慢のけもみみをパタパタさせながらマーサのバナンポを苦しそうに根元まで咥える。さすがユキノ!熱演だ!
マーサ(あ……ダメだ……出る、出るー-!!!)
マーサはただ出すだけだ!いつまでも!これからも!
ユキノ「きゃぁ!!あっ!出た!やったー-!……これを飲んで……ゴクン!に、苦がぁぁー-!!!!」
苦くても全部飲む。勇者ユキノはそういうところは変わらない!
ユキノ「ゴクゴク……。あ……、でもすごい魔力が溢れる……」
たぶん、気のせいだ!ずっと、気のせいだ!
マーサ「あ、あの~~ユキノさん?」
さすがにユキノに声をかける。
ユキノ「……!!?きゃーー!!こ、これはその、あれだ!勇者の朝の鍛練『朝精飲』だ!勇者たるもの毎朝かかさずにするぞ!」
へんな呪文のような言い訳で誤魔化す勇者ユキノ。
マーサ「……毎朝……するの?」
ユキノ「あ、当たり前だ!勇者だからな!」
カメラに笑顔でピースをするユキノ!
女神ムーア「カァーーット!!完璧!!次!!」
ユキノ「よし!!」
ガッツポーズをして喜ぶ女優ユキノ!
マーサ「……それでいいの?」
女神ムーア「シーン32!剣聖イクのはじめて!よ~~い、アクション!!」
イク「え!この格好!?目の前でユキノ様とトモミンが見てるのにぃーーんんん!!あぁ……入っちゃっう~~……!!え!?本当に入れるの!?んぁ~~!!」
勇者ユキノとトモミンは何も見えていないフリをした演技をする!
ユキノ「……はぁはぁ」
トモミン「うわっ……あ!あぁ……」
壁に向かって並んで立つ勇者ユキノとトモミン。二人の表情はアクション映画を見ている時のように興奮していた!
イク「や!待って!『ピー!』ダメ!止まって!ああ!やめっ!なんか『ピー!』!ああ、『ピー!』!!!」
女神ムーア「マーサ!もっと腰振って!!」
マーサ「ラジャー!!」
イク「ま、マーサ殿!?いやっ!激しっ!!そんなに激しくなかったって!!ダメ!ダメダメ~~~~!!」
女神ムーア「オーケ~~!!マーサ、抜いていいわよ!」
マーサ「はい!……ヌポッ……ふぅ」
イク「あっ!…………むぅ」
抜かれて寂しくなり少し膨れるイク!
女神ムーア「よし!最後のシーン!サーフォンのはじめて!よ~~い、アクション!!」
全員、裸になり、騎馬戦を再現する!
全員『は、はずかしぃ~~~~!!』
『よくこんなことしたな』と全員思った!
マーサ「限界突破!パイパーン!!」
空間転移したマーサの無数のバナンポが彼女達に襲いかかる!!
サーフォン「んあ!私の中に……マーサ様のバナンポが……ああ~~ん!あの時のはじめての感情が甦る!!」
ユキノ「よし!これは!いける!みんな!前のようにマーサに注がれたら全員力を解放しろーー!!」
マーサ「あぁぁーーーー!!」
ドドドドドドドドドドピュ!!!!
※スキル『年齢制限』(友情出演)……また花火みたいな感じで誤魔化そう!
勇者チームのひとりひとりに白い花火が上がる!
ユキノ「んはぁーー!!!!」
イク「んあぁーー!!!!」
レキ「はぁーーー!!!!」
トモミン「んぁーー!!!!」
サーフォン「あああーー!!!」
五人の中に『ど~~ん!』と白い花火が打ち上がる!五人の体が七色に光輝く!!
女神ムーア「すごい!キレイ!フィナーレに相応しい!!」
女神フレイヤ「お邪魔しまぁ~~す!」
急に女神ムーアの後ろに現れる!
女神ムーア「びっくりしたぁ!!あんたいつも現れるの急ね!!」
女神フレイヤ「天界であんたのこと見てたんだけど……」
女神ムーア「見てたの!いいのが撮れてるわよ!あんたから貰った『びでおかめら』すごいわね!」
女神フレイヤ「あのね、言いづらいんだけど……もう、あるの」
女神ムーア「え!?なにが?」
女神フレイヤ「ロイヤルフィアンセーズの総集編」
女神ムーア「……え?なんで?」
女神フレイヤ「ずっとあの子達のこと撮ってきたから……」
女神ムーア「……ずっと?」
女神フレイヤ「そう、ずっと」
女神ムーア「……」
女神フレイヤ「……」
女神ムーア「先に言いなさいよーー!」
女神フレイヤ「いや、まさかそんなの撮るとは思わなかったから!!」
ギャーーギャーー!!
マーサ「なんか、ギャーーギャーー言ってるね……」
ユキノ「とりあえず、終わるのを待つか……」
イク「マーサ殿……その……咥えてていい?」
剣聖イクはマーサ達との冒険の中で『自分に素直』というかけがえのない宝物を手にしていた。
マーサ「え!?大歓迎!」
マーサは成長しない!変わらないということは時にかけがえのない宝物になるらしい……。
レキ「大歓迎じゃないわよ……まったく」
トモミン「トモミン、演技楽しかったでっす!」
サーフォン「私は苦手です……」
鉄仮面で顔を隠す。神出鬼没のサーフォンの鉄仮面は恥ずかしがり屋のサーフォンの身を守るための防具だが、すごく目立つのは言うまでもない。
マーサ「みんなキレイだったよ!」
AB型は、さらっとこういうことが言える。
レキ「え!!もう、そんな格好で褒められても嬉しくないわよ!もう!」
嬉しそうなレキ。マーサの足の間ではイクががんばっていた!
イク「……ペロペロ」
ユキノ「イクは本当に美味しそうに食べるなぁ~~」
女の子が言われて嬉しい言葉だが、使うのは今じゃない。
女神ムーア「わかったわ!昔のように『女神フレイヤチーム』『女神ムーアチーム』『元女神ノートチーム』にあの子達を分けて絶対神ゼウスのジジイに一撃入れたほうが勝ちね!」
女神フレイヤ「望むところよ!」
マーサ「どーしてそーなったぁーー!!」
次回、三人の女神が絶対神ゼウスに挑む!『女神大戦』開幕!
<つづく!>




