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第2話 困惑と嵐

鈴美は目を覚ますとそこは白い部屋だった。

鈴美は辺りを見渡すが窓はなく扉が1つだけあるだけだった。

鈴美はとりあえず起き上がりベッドから出てみる。

しばらく部屋の中を散策するとドアがノックされた。

「失礼しますよ〜」

白衣を着た女性が入ってきた。

その男性は鈴美を見るなり笑顔になった。

「おお!目が覚めたんだ?よかった〜!」

「あ、あのここはどこですか?」

鈴美が聞くとその女性は答えてくれた。

「ああ、ここ?ここは医務室だよ」

「でも、よかった〜

 もう、あんな無茶しちゃダメだよ〜」

「いや、本当に心配したんだよ?」

鈴美はその言葉を聞いて申し訳なさそうな表情をする。

「ごめんなさい……」

「うん、分かればいいんだ」

「ところで君の名前は?」

「鉄山、鈴美です」

「私はこの医務室にいる蒼山(あおやま) 彩緋(あやひ)だよ!

 よろしくね!鈴美ちゃん?」

鈴美はこの施設に着いてからずっと聞きたかったことを質問した。

「あの、お祖父ちゃんたちはどうなったんですか!?」

そう問い詰める。

「えっと、鈴美ちゃんのお爺さんとお婆さんの件は残念だけどまだ見つところかっていないんだ…だからごめんね…私は知らないんだ…」

その言葉に鈴美は膝から崩れ落ちた。

「そんな……」

「うわっ、大丈夫!? そうだ!飲み物買ってくるけど何が良いかな?」

「…お茶でお願いします」

落ち着いて、まずは状況を整理しようじゃないか。

「おっけい!ちょっと待っててね」

そう言うと彩緋は部屋を出て行った。


(あんな状態で生きているとは思えない…

そっかわたしのせいで…死んだんだ)

鈴美は自分のせいだと自分を責めた。

─── しばらくして彩緋が戻ってきた。

「はい、麦茶だよ。喉乾いたでしょう?」

「ありがとうございます」

鈴美はコップを受け取り一口飲むと少し落ち着いた。

そして彩緋は鈴美の隣に座った。

「ねぇ、鈴美ちゃん。とりあえずお菓子を食べてゆっくり休もう?ね?」


鈴美は小さくコクリとうなずき、出されたクッキーを食べた。

(美味しい……)

鈴美は心が落ち着くのを感じた。

───

鈴美は少しずつ落ち着きを取り戻しつつあった。

そして、部屋へと来客があった。

「失礼する」

そうして入ってきたのは軍服を着こなした若い女性だった。

「君が 鉄山 鈴美だな?

 君には私についてきてもらいたい」

「ちょっと待ってください!?

 まだ子どもですよ!

 落ち着く時間ぐらいないんですか!?」

そう言って彩緋は怒った。

「だが、上層部からの命令だ…」

そう言って苦虫を噛み潰したような顔をしてその人は言った。

その状況で鈴美は

「はい……着いていきます…」

そう言った。

「では行くぞ」

そして鈴美は手を引かれて部屋を出た。

鈴美は不安になりながらも大人しくついていった。

そしてしばらく歩くと別の農業機械化装甲歩兵部隊と書かれた部屋へと到着した。

「入れ」

そう言われて鈴美は中に入った。

そこには様々な人が居た。

そしてその中の一人が話しかけてきた。

「君が鉄山 鈴美だね? 僕はここの副隊長をしている山田(やまだ) 亮二(りょうじ)という。これからよろしく頼むよ」

「は、はい……」

鈴美はいきなりの状況に困惑していた。

「それで早速本題なんだが君の実力を見込んで頼みがあるんだ」

「はい……なんでしょうか?」

「君には今からFARMER部隊に入ってもらい実戦に出てもらいたい。

 君も知っているだろうが、FARMERは元々遠隔操作で操るモノだ、だからどうか頼む君ほどの実力者であるのならどうか部隊に所属してほしい」

そう頭を下げて頼み込んできた。

鈴美は考えた。ここで断ればまた戦闘に巻き込まれることはないのではないかと。しかし、鈴美にとって敵はは祖父達の死の原因でもある。

鈴美は悩んだ末に答えを出した。

こんな状況で事態の何も飲み込めていないけどそれでも足は止めたくない。そう思って、

「わかりました……その話受けます……」

鈴美は覚悟を決めた。

────────────────────────────────

「…なあ、コレで良かったんだろうか?」

 部隊長である輝野 真紀美はそう言った。

「いいも何も上層部が決めたことですよ

 従わないわけにはいかないでしょ」

そう、副隊長は答える。

「しかし、まだ子どもで、親類を失ったばかりだぞ!?

 そんな子どもを戦いに…」

「そんな子どもだからでしょう!?

 しかも、FARMERの産みの親の孫で

 全てのセキュリティを無効化して操作できる可能性のある!?

 そんな子どもが普通のガキとして生きていけると!?」

「それは……」

「それに、あの子だって戦わなきゃいけない理由ができたんですよ

この先、平穏に暮らせると思ってるんですか!?」

「ぐっ……」

その言葉に真紀美は何も言えなくなった。

「もうそんなことはどうでもいいじゃないですか

 さっさと行きましょう 今日中に終わらせないと明日に響くでしょ?」

「…そうだな……」

そう言って二人は部屋を出て行った。

───────────────────────────────

鈴美は部隊に所属することになった。

次の日、

「紹介する。彼女は鉄山 鈴美」

「先週あったあの事件でスカウトすることになったパイロットだ」

「……よろしくお願いします」

鈴美は軽く会釈をした。

「…よろしく」

そうしてまずは鈴美の実力を見るためにシミュレーターへと向かうことになった。

「よし!それじゃあ、訓練場に行こうか!」

「…はい」

(わたしは何をすれば良いんだろう?)

そして、鈴美はずっと現実を受け止めれずにいた。

鈴美は彩緋と共にシミュレーター室へと向かった。

「よし、着いたぞ」

「えっと、何をするんですか?」

鈴美はまだ状況が飲み込めていなかった。

「ああ、シミュレーターに乗ってもらうん、だが機体は前に乗ったので大丈夫か?

 あれと同じタイプだが」

鈴美はその質問に対してコクリとうなずいて肯定した。

「そうか、わかった。気をつけるといい、かなり揺れるからな」

そして、鈴美はシミュレーターに乗り込んだ。

「え?何これ……」

鈴美は驚いた。

なぜならば、視界が360度モニターになっていたからだ。

そして、機体の操縦桿のようなものを握らされた。

「あの……これはどういう……」

鈴美は彩緋に向かって聞いた。すると、彩緋は鈴美の隣に座って説明を始めた。

「すまない……実は、君がどのような技術が有るのか示さないと納得できないヤツラがいてな

 このシュミレーターの結果次第で今後の扱いが変わってくる

 だが安心しろ、どのような結果であろうとも君の扱いは悪いようにはならないからな」

鈴美はそんな彩緋の言葉を聞いて少しだけホッとした。

「では始めるぞ……」

そして、鈴美を乗せたシミュレーターは動き始めた。

───────────────

あの日と同じ敵が迫ってくる。

「くっ……」

鈴美は機体を操りながら必死に動いていた。

鈴美はなんとか敵の木偶からの攻撃をよけていた。

しかし、鈴美は機体の操作に集中できずにいた。

鈴美はふと自分の手を見た。

鈴美は自分の手の平にまるでお祖父ちゃんの血が着いているように思えて来て手が震えた。

(どうして……こんなことに……)

鈴美は涙が出そうになったが、それを堪えて、ただひたすらに敵の攻撃を避け続けた。

───────────────

「あいつ、あの記録にある様な動きはしないっすね」

そう、そのシュミレーターの様子を見ていたこの部隊のエースの玻璃山 蓮司はそう言った。

「なんだ、安堵したのか?」

そう言うのは隊長の真紀美だった。

「いや、そういう訳じゃないっすけど……」

「なんで、あのガキが戦うんですか?

 あの程度ならこの部隊に所属させなくてもいいでしょう?」

そう、不機嫌そうに言う。

「私もそう思うが上の判断だ」

「ナンっすかそれ…

 オレは納得できないです」

そう言い残してその場を去った。

─────────────

鈴美は敵機の攻撃をギリギリのところで避け続けていた。

(このままだとダメだ…… 私は……コイツらに負ける?)

鈴美は思考を巡らせた。

(それはダメだ…認めない…私は、これから何をしたいかはわからないけど

コイツらには負けたくない!)

鈴美は感覚を研ぎ澄ましていく。

─── 鈴美は、敵の動きを見極めようとじっくり観察し始めた。

すると、鈴美は敵の挙動に違和感を感じた。


「そこだ!」


(そう、あの敵はあの日も同じ動きだった…

なら今の私が負ける理由なんてどこにもない)


今まで避けてばかりいたが、一転して攻勢へと移る。


ビルなどを障害物として利用し敵を分断、そして攻撃を当てていく。

あの日と同じ装備であるため近接装備しかないが、敵の人形を破壊しついに鈴美は敵を撃破した。

そして、障害物を利用し分断した敵へと上から強襲した。

以前は使わなかった、肩部シールドを利用して体当たり。

マウントポジションを取り人形の頭部を破壊した。


(これで終わり…… 私の勝ち……)


鈴美は勝利を確信していた。

だが、突如目の前の画面が真っ暗になり、機体に衝撃が走った。

鈴美は驚きながらもすぐに体勢を立て直す。


(何が起きた!? まさか……もう一体いた!?)


「よう、悪いな?

 まあ模擬戦って事だ納得してくれよ?」


そう言って、初めての対人戦闘が始まった。

「くっ!」

鈴美は敵からの攻撃を避け続ける。だが、相手の方が上手であった。

鈴美は徐々に追い詰められていった。

(このままじゃ……また、お祖父ちゃんの時みたいに……)

そして、鈴美は相手の攻撃をもろに受けてしまった。

「くっ……」

鈴美の機体は肩部シールドを活用して防御をしていたがボロボロになっていた。

「そろそろいいだろ? 降参したらどうだ?」

そう、鈴美に向かって言った。

「……まだ……」

だが鈴美はまだ諦めていなかった。

「そうかい、ならこっちも本気でいくぞ?」

鈴美は機体を立ち上がらせようとした。

「なんだよ…… まだやるつもりなのか? まあ、いいさ、とっとと終わらせるか」

そう言い、敵機は鈴美のいる場所へ突っ込んでいった。

鈴美は回避しようとしたが、先ほど受けたダメージが大きく動けなかった。

鈴美は、自分の敗北を悟った。

だが、鈴美は諦めずに機体を動かそうとした。


「おい!何をしている!

 このシュミレーターに乱入は許可されてないぞ!」


彩緋の手によってシュミレーターは中断させられた。

「お前達、一体どういうことだこれは…!」

彩緋は2人に向かって言った。

「いやー……ちょっと遊びすぎちゃいましたかね……」

蓮司は頭を掻きながら答えた。

「まったく……鈴美くんも大丈夫か?」

彩緋は鈴美の方を見て聞いた。

「えっと…、はい大丈夫です…」

鈴美は少しだけ暗い雰囲気で答えた。

「……わかった、今日はもう休め」

「はい……失礼します」

鈴美はそう言うと部屋から出て行った。

「おい、蓮司、貴様は後で反省文を書いて提出しろ」

「うぇっ?! なんでですか?」

「なんで? 当然だろう? 上官への反抗、命令違反、そしてシュミレーターの私的使用……」

「いや、あれは……」

「言い訳無用だ、とにかく明日までに書いてこい」

「はぁ〜…… わかりましたよ」

蓮司は、不服そうな顔をしながらも渋々了承した。

そんな様子を背に鈴美は自室に戻ろうとするとアラートが鳴り響く。


「敵襲です!数は1体!」

オペレーターの女性がそう告げた。

「了解した、各員出撃準備だ」

「了解!」

その場にいた隊員たちは敬礼をし戦闘準備に入った。

「あの……私は……?」

鈴美はおずおずと言った。

「君はここに待機だ!

 この状況で行動した方が危ない!」

そう言い残して彩緋はオペレーターの所へ向かった。

「……」

鈴美は、ただ黙ってその様子を見ていた。


主人公

鉄山 鈴美

なぜかプロテクトを無視して騎乗できてしまうらしい

上層部によって無理矢理部隊に所属されるようになったらしい


輝野 真紀美

部隊長

25才

若くして成り上がったエリート

もしくは、こんな状況を押し付けられた新人


山田亮二

36才

割と場慣れしていり

上層部には逆らえない


玻璃山 蓮司

部隊のエース

割と感情的な人間

今回の一件に納得がいっていない


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