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原木9本目 ゴブリン共のせんぱいキノコ狩り

ポケ〇ンと一緒に育ってきました。

痺れる。麻痺する。胞子をかけた存在が動けなくなる。

それはつまり、胞子に状態異常を起こす可能性があるということで。


黄色い胞子で麻痺になるのなら、

色によって効果が違う可能性があるということでは?


そう考えた瞬間、即座に周りのキノコを見渡す。


一番近い色違いは…!?


紫!大本命!


今まで、胞子をスライムにしか撃ったことがなかったのは失敗だった。

水分を奪う形で倒していたので、胞子の効果とか知るわけもない。

抜かれても大丈夫、という保証がない状態で、

ゴブリンに胞子をかけるということもできなかったのだが。


もしも、特殊な効果のある胞子なら、

その効果はどんな種類が?確率で?それとも蓄積されていく?

確かめたい、撃ちながらになるが、しっかり観察しよう。殺す。

意識が移動したら、俯瞰(ふかん)でキノコの状態をチェックして、

撃った後どうなるかも確認だ!死ね!


さっきまでは、怒りだけで動いていた。

泣きながら大人に手をたたきつける小さな子供のようなものだった。


その状況を覆せる。可能性だけでも十分。

いくら大人でも、自分より小さい存在の蜂に刺されて死ぬこともある。

力や体格、運動性能の差なんて関係ない。刺されば殺せる。


考えながらも、キノコは抜かれて、そのたびに胞子を撃ちつける。死ね。

痛い。痛い?いやきっと気のせ痛い。

来ると思ってれ痛いば耐えられるくらいには慣れ痛い…慣れた。殺す。


そして、赤い胞子まみれのゴブリン(もう赤ゴブリンでいいや)と、

周りにいた半数のゴブリンがほとんど麻痺するころには、

近場の黄色キノコがなくなっていた。


ゴブリンが単純な思考で本当に助かる。いやそのせいで痛い思いしてたわ。死ね。

紫キノコとして目覚めた俺は、

即座にさっきまで抜いてくれていたゴブリンに胞子をかける。


さあ、次はこっちのキノコを抜いてくれ。

あ、言っとくけど、赤ゴブリンとその他が終わったら、次お前だからな?

抜いてくれてありがとう!死ね!


ひたすらに紫色の胞子をかけ続けた。

紫でキノコ、といえば毒では?と思っていたが、

腐食とか、筋力などの身体能力低下とか、

あとファンタジーならではの特殊効果とかの可能性もあったので、

しっかりと観察をする。死ね。


そして、10本分ほど痛みを味わった後、

一匹のゴブリンに変化が起きた。


肌に紫色のまだら模様ができ、

ふらつきながら吐血しているようだ。死ね。


結果から言うと、紫はやっぱり毒の胞子で、

柄まで染まってキノコのほうがかかりやすい気がする、

といった形になった。殺す。

遅効性の毒とか、どれくらい体内に取り込んだら、とかの要因がありそうだから、

ほとんどわかってないに等しいんだけどね!


とりあえず、当てれば毒になる可能性がある。ってのがわかっただけ最高さ!

赤ゴブリンが毒状態になった時は思わず小躍りしちゃったね。死ね!

まあ、引っこ抜かれてただけなんだけど。殺す。


麻痺と毒がどっちも状態として現れるのはよかった。

どちらか片方だと毒で逃げられるかもしれないし。


にしても、怒ってキノコを抜きはするのに、

倒れてる身内ゴブリンは助けに行かないんだな。

ひどいやつらだ。いいぞもっとやれ。いやむしろなにもやるな。やられろ。


ちなみに、黄色や紫の胞子は当たった場所に霧散する感じで広がる。

地面の時は取り込まれてるんだけど、

生物の場合は、当たった後どこかに消える(取り込まれてる?)みたいだ。

のだが、なぜか赤ゴブリンにまとわりついた赤い胞子は消えそうにない。


もしかしたら、何かしらの効果があるかもしれないが、あれ一匹だけだし、

今は麻痺と毒でふらふらしているけど(ひゃっほい死ね!)、

それまではずっとなんともなさそうにしていたので、

特にどんな効果かわからない。とりあえず殺す。


ひたすら毒胞子を撃つ。

毒状態になってるやつも重ねがけ出来るかもしれない。

撃つ。撃つ。とにかく撃つ。

途中で引っこ抜くのやめようとしたので抜く担当にも一発入れる。

あれ、こいつも毒になりそう?うーん、こいつが動けなくなるのは困る。


足元とかにしておこう。死ね。


…顔面にモロ行ってしまった。ゆる死て。


いかんいかん。あまりにも痛いからってストレスでおかしくなってる。

決して本性とかではないよ。


こういう茶番で、精神の安定を保つことで、より冷静にゴブリンを…


目の前で一匹のゴブリンが倒れた。

そのまますぐに、こと切れたようだ。


キノコの毒によって、死んでしまったようだ。












おっしゃあああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!

みたか!くそカスぼけゴブリン!!これが食べ物側の恨み!!!!

口が悪い!?うるせえ!死人に口なしじゃあ!!!!

キノコなんぞに殺されよって!ああ情けない情けない!!!!

さいこおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!



…理解するまでに時間がかかってしまった。

やばい、うれしい。ルンルン気分があふれてとまらない。

狂喜乱舞。いや、狂きのこ乱舞。

ついに、ゴブリンを倒せた。ただのキノコがだよ?

ファンタジーの雑魚代表とはいえ、魔物を倒したぞ?

森をなめるなってやつだね!


お、赤ゴブリンが倒れた。

ふふふ、普通に死ぬより、状態異常で力尽きるほうが苦しいだろう。

お前だけは絶対に許さんからな。

死んでも許さん。人格歪んだらどうするんだ。

人間なら、髪の毛真っ白になって目からハイライト消えてたわ。


さあさあさあさあさっさと死んで、俺に経験値的なものをよこしな!

ていうか、この鬱憤を晴らさせな!!!!!


そして赤ゴブリンは、偶然なのかこちらを見ながら力尽きた。


…き、きもちぃいいい…!

なんだろう、この清々しい気分。まるで正月の朝に、

新しいスマホでソシャゲの新年ログインボーナスをもらったような、

晴れ晴れとした爽快な気分だ。憑き物が落ちた感じ。


ふふふ、これでいつもの優しいキノコに元どおりさ。

死ねとか殺すとか、物騒なことなんてもう言わない!


え、なにあれ。

赤ゴブリンに赤キノコ生えてる…。

きっも。死ね。

ああ、死んでるのか。くそが、もう一回死ね。


なるほど、赤胞子がまとわりついてたのって、直ぐに生えるようにか。

赤胞子は死んだやつをキノコの苗床?にするわけだ。


死にかけの生き物にかけるのが良さそうだな。

何かいいキノコなのかもしれないし。


でも、ゴブリンから生えたキノコで目覚めるのはいやだなぁ…。

なんかくさそうだし。汚いし。死んでも有害だな。殺すぞ。


余韻に浸っていると、赤ゴブリンの周りも次々と力尽きていった。


おお、全体の半分ほどのゴブリンを倒したぞ!

残りの半分も、これでどっか行ってくれないかな?


引っこ抜かれた。


ですよね!殺す!


引っこ抜き担当が、毒でそろそろ動けなくなりそうなので、

満面の笑みで退職してもらう。おつかれ!死ね!


新しいゴブリンに胞子をかけて引っこ抜き担当に誘導したいが、

ここで一つ、いや、二つ問題が。


一つ目、最初の集団は黄色キノコで先制できたので、

麻痺のおかげで逃げられなかった。

これからは近場に黄色キノコがないため麻痺状態にできず、

逃げられたり、動かれたりすることが多いこと。


二つ目は、多分これキノコの数が足りない。

赤、紫、黄色の大部分はさっきので抜かれたし、

白、茶色、緑色はそもそも抜かれてる。殺す。


残りのキノコはまだ触ってない青色の群生と

各色まばらに生えてるのばっかり。


胞子の状態異常が、確率なのか蓄積なのかわかんなけど、

このままじゃゴブリン全滅させる前にこっちが、

この場所は環境保護のため~みたいなレベルの希少種キノコになる。


くっそ!!!お前ら、おなか一杯になるほどキノコとっただろ!

帰れ!ジョージ2世とかを持って帰れ!二度と来るな!

美味しかったなら、キノコの奪い合いで仲間割れでもしてろ!

あさましく奪い合え!


と、内心焦りながら、バカなことしてくれないかなと期待していると、

なにやら赤い影が、異常なスピードで飛び出してきた。


騒ぎすぎたせいで、新しい敵が現れたのかと身構え…たのだが、

なぜかそれは、ゴブリンたちに攻撃を仕掛けている。


体から赤いキノコを生やした、あのゴブリンが。


仲間割れでもするかの如く、キノコを奪い合っている。



…え?え?え?え?



…パラセ〇ト?(電子音)




初代のデザインとか図鑑設定とか、今のかわいいのに慣れてる子供が見たら泣きそうですよね。

でも好き。ゴ〇バットとか。

最近のも、もちろん大好きです。いぬぬわん!


続きが気になる!や、気に入った!という方は、

お気に入りやコメなどしていただけますと

キノコの増殖量が増えます!


よろしくお願いしますー!

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