原木11本目 ストレスはきのこをも突然変異させます
やっと…やっと一区切りです。
執筆って大変だぁ…。
そのあとは、正直もう作業ゲーだった。
紫色や、黄色、青色(案の定、眠り胞子だった)で、
ひたすらゴブリンに胞子を撃つ。
白色と茶色も試したけど、特になさそう?目に見える効果はなかった。
今度時間をかけて試そう。
そして、近場に状態異常の三色がない時は、赤ゴブに投げさせて移動。
ゴブリンが近くにこない時は、赤ゴブを特攻させて呼び出す。
時々赤キノコになれた時は、死にそうな奴に胞子を撃っていたが、
なぜかキノコが生えなかった。
死体に生やすのは、一体限り?他に何かルールが?
…あまりよくわからないが、
とりあえず死にそうな奴と死んでる奴のどちらにもまとわりつかせる。
あ、緑キノコは食べても回復効果があったよ。
緑胞子を赤ゴブにかけたあと食べさせてみたら、同じぐらいの回復量があった。
しかも確定で。そりゃ、喜んでキノコ狩りするわけだ。
ゴブリンはまだわかるけど、苗床死体なのに回復するのは??って感じだが。
でも、赤ゴブが自分の姿のキノコを食べようとしてる姿を見るのは、
精神的にくるものがあった。殺意的な意味で。殺すぞ。
まあ、結果として走る速度も元に戻って、効率が上がったのでよしとする。
そして、あたりのキノコがほとんどなくなる頃、
ついにゴブリンどもを全滅させることができた。
あぁぁあ…ほんとつかれた…。
めちゃくちゃ痛い思いしたり、キノコ抜かれまくったりと、
散々な目にあったけど、収穫も多い戦いだった。
そこ、収穫されてるのはキノコだろとか言わない。
とりあえず、ゴブリンどもの死体を赤ゴブを使ってひとまとめにしておく。
で、残り少ない赤キノコを使って、全体に赤胞子をかける。
お、最初にかけた奴に、ちょっとキノコが生えてる。
どうやら、生えるのはすぐだが、
その状態になるまで時間がかかるようだ。
生物に馴染ませてるのか?…皮膚突き破って入っていってるとか…?
グロそうなので考えるのはやめる。
が、今後詳しく調べる際はガン見する。死活問題だもの。
にしても、赤ゴブめっちゃ役に立ったな。
悔しいけど、こいついなかったら負けてたかも。
いや、こいつがいなければ、そもそも痛い思いしなかったし?
…別の奴にやられてただけだろうな。くそめ。
赤ゴブのこの状態、従業員って表現してるけど、
正式名称としてはなんて呼ぼうか。
ゾンビ化
うーん。いずれ腐るだろうけど違うな。
あと、そんな汚いのを従業員扱いしたくない。
き(のこ)生獣
怒られるわ。そもそも死んでるし。
別の意志で操られるって意味ではあってるかもだけど。
苗床化
その通りなんだけどまんますぎる。
しかも、苗床化ゴブリンとか字面が汚い。
あー英語とか、うん英語にしよう。
苗床は確か英語で、えーっと、ナーサリーだっけ?
育てる場所、とかのニュアンス。
託児所とかでも使われる単語だけど、苗床扱いで馬鹿にするなよ!
ん?何で知ってるか?
それはあれだよ、ソシャゲで出てた単語として、気になったから調べてたんだよ。
無駄に単語とか逸話とか知ってるのはオタクの特権だね!
ネーミングには困らんぞ!
あと、前世で近くのショッピングモールに、
ナーサリーなんちゃらみたいな保育所があったから印象深かったってのもある。
というわけで、この状態のことを、
ナーサリー○○と呼ぶことにします!
こいつはナーサリー赤ゴブリンだな!
もう胞子ないから赤くもないんだけど!
ムカつく対象ではあったからな!クソ赤ゴブが!死ね!
とか思っていると…。
ギュワアアアアアアアア!!!
え?え?え?ええええ!?!?
赤ゴブがしぼんでる!なにこれ!
きも!きもい!ミイラみたいになってる!
ああ…風化してキノコだけになった…
おおぉう!?キノコが!残ったキノコが赤い光になった!
こっち来る!?うひぃ!…お酒飲んだ時みたいな心地よさ!
お酒は二十歳になってから!
そして、赤ゴブがいた場所は元から何もいなかったように…。
これは、もしかしなくても…死ねとか言ったからか…?
吸い殺しちゃった的な…?
赤ゴブに対して、殺すとかは言ってたかもだけど、
死ねとは言ってなかった気がするし…。自害の命令扱い…?
失敗したあああああああああああああああああああ!!!!!
貴重な!貴重な手足が!
作業用奴隷がああああああ!!!
ううううううやり直したい!
引っこ抜かれて死んだらちょっと時間戻ったりしない!?
死に戻りってやつ!誰か引っこ抜いてくれええええええええええ!
ブチブチッ!!!
ぅえ?
…ゴブリンどもの死体から、
ナーサリーゴブリンが誕生していたようです。
しかも三体も。3回引っこ抜かれました。
理解できてなくて、堪えれなかった…。めっちゃ痛い…。
ま、まあ!赤ゴブも始末できて!
新しい手足も確保!完璧ですね!
3体いることでより効率もアップ!
指示に関しては、意識しながら言えば、単体に。
特に考えずに指示を出すと、全体が反応するようだった。
気をつけないと、ナーサリー共の数だけ引っこ抜かれる…。
まだ、3体しかいないが、
残りのゴブリンにも小さなキノコが生えだしているので、
最終的には30体ほどのゴブリンを確保できるはず。
と思ってたんだけど、10体目以降は光になって回収された。
さすがに数に限界があるらしい。
この10体をまとめて、
ナーサリー部隊と呼ぶことにする。かっこいい。うれしい。
部隊への初の指示として、
大きな枝や葉っぱを集めさせ、周りをカモフラージュさせることにした。
カラフルなキノコが大量に生えてるのは、やっぱり目立つしね。
うぅ…。やっと終わった…。
ようやく一息つけるぞ…。
人間だったらあれだよ、額の汗を拭きながらふぅ…ってやってるよ。
キノコの体は本当に不便だ…やれやれだよ、ふぅ…。
…あれ?あれれ?
何かが額部分を拭ってくれてる…?
ナーサリーへの指示になっちゃってたのか?
視界の上部分に、なにか動くものがある。
まったく、おちおち考えることもできな…
ぬるん
拝啓、お母様。お元気でしょうか?
うねうねぬるん
あまり時も立っておりませんが、再び筆を取らせていただきます。
ぬるぬるうねうねんぬる
此度、不肖の息キノ子である私に、
ぬるんにゅるうねうねんぬるうねにゅるるうねん
――触手が生えてきました。
ぎいやあああああああああああああああああ!!!!!!
まじで前世からやりなおさせてください。
続きが気になる!や、気に入った!という方は、
お気に入りやコメなどしていただけますと
キノコの増殖量が増えます!
よろしくお願いしますー!




