第九十四話 ジーネの実力②
※更新に関してですが、しばらく不定期になると思います。
次回の更新は未定となりますが、ぼちぼちと新しい作品も書き始めておりますので、諸々楽しみにお待ち頂ければ幸いです!
――あっ、と僕は思った。
コレ、もしかしたら不味いんじゃないか……?
見た目だけなら、ジーネはどう考えてもエリーゼさんの好みに合致する。
僕は男だと知ってたし、昨日あれだけショッキングな出来事があったから、そこまで思考が回らなかったけど……
どうしよう……コレはどう考えても、ジーネがエリーゼさんに狙われるパターンだろ……
最悪お持ち帰りされるよな……この人節操ないから……
いや――待てよ?
それはつまり、ジーネをコロナから引き離すチャンスなのでは?
ジーネがエリーゼさんに捕まれば、必然的にコロナとジーネの間には距離が空く。
そうすればコロナはジーネに付きまとわれず、僕はジーネにコロナをあげなくて済む。
これは……完璧では?
全ての問題をまるっと解決するグッドアイデアでは?
ク、ククク……こうしてはいられない。
一刻も早くエリーゼさんにジーネを口説かせて、コロナから引き剥がさねば……
コロナは僕の可愛い娘なのだ、まだまだ嫁になど――
――――って、ちがああああああああああう!!!
ハア、ハア……あ、危なかった……もう少しで心が闇に染まりきる所だった……
僕の中にこんなダークサイドな一面があったなんて……自分でも初めて知ったよ……
だいいち、今の僕は立場上この子達の保護者でもあるんだから。
そんな無責任な真似は出来ないだろうに……
そもそも、ジーネってインファランテの校長のご子息なんだろ?
そんな真似をしたら、いったいどんな目にあうか……考えるだけでも恐ろしい……
僕がそんなことを考えている内に、エリーゼさんには興味深げにジーネのことを見始める。
「ふんふん……ジーネさん、あなた魔術に対して相当な心得がありますね?」
「え、それは……その……」
「隠しても駄目ですよ。その溢れんばかりの魔力といい、並じゃありません。その薄い桃色の魔導着は……『インファランテ魔術学校』の物ですよね。学校では、さぞ優秀な成績を収めているのでは?」
「……」
いつものようにニコニコとした笑顔で尋ねるエリーゼさんだったが、その問いを受けてジーネの表情が曇る。
それはそうだ、インファランテや魔術のことに関して、ジーネは負い目というか地雷を抱えている。
普通の魔導士ならば自慢気に喜ぶ場面だろうが、彼にとっては嬉しくもなんともないはずだ。
そんな彼の様子を見て、エリーゼさんもなにかを察したのか、
「おっと、言いたくなければ触れませんよ? ところで……ジーネさんは、エルカンさんの練習相手になってみる気はありませんか?」
「「え?」」
彼女の発言を聞いて、僕とジーネの声が被る。
「確かに私は魔術に関する教養こそありますが、今は【斥候】という職業に身を置く者。エルカンさんが〝決闘〟で相手にするのは正真正銘の魔導士なワケですし、それなら本業の方が練習相手になった方が効率的……とは思いません?」
「い、いや、それはそうかもしれないけど――!」
「あ、ご安心ください♪ ジーネさんの後は、私がみっちりと特訓して差し上げます♪ お給料分は働きますから♪」
違う、そういう問題じゃない。
しかもジーネの後できっちりやる気でいるし。
「そ、そんなのダメに決まってるだろ!? そもそもジーネは――!」
当然だ、と言わんばかりに提案を拒否する僕。
しかし――
「……やります」
ジーネの口から、そんな言葉が漏れた。
「え?」
「いえ、やらせてください。どうか……コロナお姉さまのお父上に、偉大なる黒魔導士であるエルカンさんに、ボクの魔術を見てほしいんです!」
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