表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/95

第三十七話 親子と精霊、激突す


『……刮目せよ。これが『雷』の属性を司る、我が稲妻の一撃――――』


 ファラドの身体から、電撃(プラズマ)が漏れ出る。

 その帯電が、すぐに攻撃へ転用されることは一目でわかった。


「攻撃が来るぞ! コロナは防御魔術を! セレーナは反撃(カウンター)の準備を頼む!」


 僕は急いで二人に指示を出す。

 彼女達も間髪入れず反応し、まずコロナが前に出た。


「了解だよ、パパ!

 ――"万斛(ばんこく)の災厄を退けし力よ、あらゆる攻撃を防ぐ堅牢なる盾、(コロナ・ハルバロッジ)が名の下に、惨害からこの身を護り給え"――――《プロテクション・イージス》!」


 彼女が唱えるや、僕ら三人を包むように"守護の(バリア)"が出現する。


 《プロテクション・イージス》――

 S(クラス)の光属性白魔術にして、単純に術者とその周囲を防御するだけなら最上級(トップクラス)に位置する防御魔術。


 その防御力たるや、あらゆるモンスターの攻撃を跳ね除け、天変地異からも術者を護ると言われる。


 そんな防御魔術の展開が終えた、直後――――



『――《積雷雨(スーパーセル)》』



 ファラドから漏れ出ていた電撃(プラズマ)が全周囲に放電され、逃げ場のない雷撃が礼拝堂を埋め尽くした。

 そう、それはまるで、"雷の雨"が降るかの如く。


「うわあッ!」

「くうっ――!」


 目を開けていられないほどの閃光と、無数の雷が降り注ぐ音と衝撃。

 

 そんな圧倒的な攻撃に僕はひるみ、コロナは全力で防御する。


「くそっ、詠唱もなしでこれほどの――!」

「は、ハンパじゃないよコレ……! 《リフレクト・シールド》の方が良かったかな……!?」

「いや、コレで良い! 少し耐えてくれ!」


 【賢者】であるコロナのS(クラス)防御魔術を以てしても、気圧されるほどの威力。

 流石は【精霊】だ。

 きっと、これでもまだ序の口(ジャブ)なのだろう。


 コロナの言うように《リフレクト・シールド》を使えば反射は出来るだろうが、【雷の精霊】相手に雷の魔術を等倍で返しても、おそらく効果はない。

 この魔術で正解なはずだ。


 あとは――僕の領分。


 僕も杖を構える。


「――"万物に流れし普遍の理気よ、暗く濁りし陰の下降、エルカン・ハルバロッジの名の下に、彼の攻勢を弱らせ給え"――――《オフェンシヴ・ダウン》!」


 僕は、下降支援魔術を発動する。

 《オフェンシヴ・ダウン》は、敵の"攻撃力"を低下させる闇属性のB(クラス)魔術だ。


 頼む――――通じてくれ――――


 そう願いながら、僕は術に魔力を込める。

 すると――ファラドの攻撃が明らかに弱まった。


『む……?』


 異変を察知したのか、ファラドはすぐに魔術による攻撃を中止する。

 その一瞬の隙に、僕は僕にだけ見える彼の"攻撃力(ステータス)"を確認した。


 ――間違いない、攻撃力が四割(・・)は下がってる。


 やった――!

 僕の下降支援魔術は、【精霊】相手にでも通用したんだ――!


 そんな風に、僕が内心で喜んでいたのも束の間――セレーナの準備が整った。


「流石ですわ、お父様!

 ――"灼熱の業火よ、混沌すら燃やす紅蓮の力、セレーナ・ハルバロッジが名の下に、眼前の敵を煉獄の炎で焼き尽くし給え"――――《ノヴァ・エクスプロージョン》」


 彼女が魔術を唱えると、小さな炎球が出現する。


 その炎球は瞬時に消え、ファラドの前に瞬間移動すると――――"爆発"した。


 まるで、小さな"超新星"のように。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ