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大切なもの  作者: えりか
9/9

9話

「はゆ…ないてるの…?」


「ち、違っ…」


「だいじょうぶでしゅ…ちゃみがいましゅ…はゆにはちゃみがいましゅ…」


顔を見なくても泣いてるのが伝わってしまったようで、茶美が更に強く抱きついてくる。


こんなに小さいのに…何でこの子は私の欲しい言葉をくれるんだろう。


私の事…唯一理解してくれる存在が、こんな幼いチビなんて……





「ねぇ、茶美」


「はぃ…」


「私達は姉弟なの…。だから私の事…好きだなんて言わないで…。幸せにするなんて、言わないでよ…」


子供の言葉を真に受けて、真剣にこんな事を言ってる自分って一体何なんだろう。


笑って適当にあしらっておけばいいじゃん。ほら、私って感情誤魔化すの得意じゃんか。


さっきだって、母さんに本音を悟られないように必死で笑顔作ってたし。


それなのに…この子の前では全てが通じなくなる。


まさか私…茶美に特別な感情を抱いてる…?


だからさっきから全然涙止まらないのかな…


っ、こんな感情持っちゃ駄目なのに…!

茶美の父親と母さんを裏切る事になる。

それに…これから輝く茶美の人生を私が奪う訳にはいかない。




「ごめんなしゃい…でも、いやでしゅ…。ちゃみ、はゆにいっぱいしゅきっていいたいでしゅ。ちゃみははゆとけっこんちましゅ…」


「は……、結婚…?」


その言葉を聞いて、驚きと共に嬉しさを感じてしまい、更に涙が溢れてくる。


こんな…気持ちを自覚した時に、そんな事言われたら…何もかも捨てて、この子と二人で何処か誰も私達の事を知らない国へ行きたくなってしまう。


「ばか…ばか茶美っ…姉弟で結婚なんて出来る訳ないでしょ…!」


「いやでしゅっ…!ちゃみ、はゆとけっこんちたいでしゅ…ちゃみははゆとけっこんしゅるんでしゅっ…」


力いっぱい、私に抱きついて頬をスリスリしてくる茶美。


この時、確かに私の中に愛しいという感情が芽生えていた。


だから…私は茶美の将来の為に、茶美が私の存在を忘れる為に、遠く離れた高校へ行く決意を固めたんだ…

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