表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大切なもの  作者: えりか
7/9

7話

「はゆ…おねがいちましゅ…。ちゃみ、いいこでねんねちましゅからいっちょにねんねちてくだしゃい…」


駄目だ…そんな潤んだ瞳に見つめられたら、断れない。ズルいよ…


「いいよ…おいで」


この感情が何なのかよく分からないけど、兎に角この子と一緒に居ると胸が痛くて苦しい。


「はゆ、だいしゅきでしゅ…。おやしゅみなしゃい…」


今まで誰かにこんなに甘えられた事なんか無い。誰かを甘やかしたいと思った事も無い。


私…自分に弟が出来た事が嬉しいの…?

それでこんなに胸が痛いの…?


あ…この子、私の胸に耳を当てながら寝てる…

それじゃ枕持ってきた意味無いでしょ…

馬鹿茶美…


チビのあったかい温もりが段々気持ち良くなってきて…私も瞼を閉じる。


いい子で寝るって言ったくせに、体半分以上私の上に乗っかってスヤスヤ眠る茶美。

この子、軽いから重くはないけどさ…私の鼓動を子守唄にして寝るなんて恥ずかしい。


ガキのくせに、年下のくせに、弟のくせに、いつも主導権を握ってんのはこの子。


ねぇ…あんた一体何なの…?どうせ物心ついた頃には私から離れていくんでしょ?

だったらさ…惑わさないでよ…

あんたは知らないだろうけど、私…結構君に振り回されてんのよ…







「はゆ、はゆ…」


「ん…」


「はゆ〜あさでしゅよ。おきてくだしゃい」


いつの間にか眠っていた私は、茶美に起こされるまで夢の中に居た。

茶美はまだ私を寝かせたかったみたいだけど、両親から大事な話があるらしく、私を起こして欲しいと頼まれたみたい。


ったく、ガキがそんな申し訳なさそうな顔しないでよ…。いつもだったらとっくに起きてる時間なんだけどな…茶美の温もりが気持ち良かったのかな…


取り敢えず、母さん達の話を聞きに行こうかな。パジャマだから着替えないと…


「はっ、はゆっ…ちゃみ、ちゃみ…はじゅかしいでしゅ…ちゃみのおへやにいってましゅっ…」


「え?」


何なのあの子。パジャマを脱ごうとしたら急に顔を真っ赤にさせて出て行っちゃった。

ほんと、変な子…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ