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第4話 監視員が付きました

 試験日から丁度一週間が経ち、アウルは入学式へと向かっていた。監視員と共に。


 試験会場でもあった第一闘技場の中心をアウルが初級魔法[ライトニングスティック]を発動し、巨大な穴を開けたことによりその後、アウルは王宮へ呼び出された。そしてアウルの監視をするべく監視員が一人アウルに付いた。


 国中の騒ぎになるほどの事をしてしまったアウルだが、幸いながらアウルはまだ15歳なため国がアウルの身柄を隠す事を条件に監視員を一人付けることによって問題は解決された。あれ程の破壊力のある初級魔法を行使するアウルだが、その監視員であるメリッサはアウルの力をも止めることの出来る魔法使いであるというのは当然の事だろう。


 メリッサは超級魔法使いであり国に7人しかいないエリート魔法使いの一人なのだ。彼女の背は高く、キリッとした目と程よく鍛えられた体をした茶髪のショートヘアの褐色美女だ。彼女からはこの一週間、監視任務とは別にこの世界の常識というものをみっちりと学んだ。


 彼女によると今までアウルが住み、暮らしていた森はこの国では禁止区域とまで記されているほど危険な区域であり、森には神話級の怪物、悪魔、精霊などが数多く住み着いておりとてもではないが、そこらの人間では到底太刀打ちの出来ない為、軍や一流の冒険者でさえその区域は立ち寄らないという。


 ちなみにアウルが今まで狩ってきたのはドラゴンや巨大猪など。神話級の怪物、悪魔、精霊などは一切会っていないはずだが、そのドラゴンや巨大猪などがメリッサの言う神話級の怪物や悪魔なのだろう。そこで疑問に思ったアウルはメリッサに両親の事を聞いたが、予想通り話の流れでは当然だが、両親はこの国に7人しかいないエリート魔法使いの中でもトップ君臨していたらしい。


 二人の使う魔法があまり強力では無いと森の中で住んでいた頃には思っていたアウルだが、この学院の生徒達や町の人達と比べてみるとやはり両親の魔力量の差は圧倒的だ。今なら自分の両親がそのような地位の人物だというのも理解できる。


 学院へ着き、これから自分がお世話になるクラスはどのような物だろうと思っていたが、案外小さい。校内の最上階に設置されたクラスSは他のクラスより教室が小さく、そして生徒数も少ないらしい。


 日本のような1クラス、40人規模の教室を思い浮かべていたアウルにはとても小さく、そして少なく見えたが、異世界であり、それも学院の中でトップクラスであるのなら上部に属する生徒の数が少なくても納得がいく。


「おはようアウル!」


 教室の扉を開けると一番にアウルへ挨拶を交わすハク。教室の外からはそれなりに聞こえてきた生徒達の声はアウルの入室により一気に静まり返った。


 あれ? 俺、あまり歓迎されてない?


 と、思ったがそういうわけでは無いらしい。


 皆、揃ってアウルの魔力量を調べようと魔力測定を行っている。だが、この様子だと誰もアウルの魔力の底を見る事は出来なかったようだ。魔力測定は自分の1.5倍以内の魔力量を有する相手出なければ通用しない。


「私はアリシアよ。よろしく。ところ先週あなたが使った[ライトニングスティック]だけど、どういう仕組みであんなに巨大な魔法へと変化したの?」


「仕組み?」


「どんな魔法で初級魔法である[ライトニングスティック]を強化したのかと聞いているのよ」


「別に何も[ライトニングスティック]以外は使っていない。強化魔法を使った際のエフェクトも出ていなかっただろ?」


 強化魔法を使った時は必ずその魔法に一回り大きなバリアのような二重のオーラが現れる。ファイヤーやウォータースラッシュのように固体でない魔法であったとしてもその魔法に少し違ったオーラが現れたり魔法の色が少し変化したりなど多少の見た目の変化が起こる。だが、アウルがあの時、放った[ライトニングスティック]は本当に何もその他の魔法は使っていない為、アウルの魔法の威力がどれほど桁違いなのかは言うまでもないだろう。


 次にアリシアが新たな質問をアウルに問いかけていようとしていると、教室の扉が開いた。そこから入ってきたのはどこかで見たような背の高い女教師。


「ケイト?」


 アウルの隣で監視役として座っていたメリッサがその女教師にそう言った。

やはりメリッサの姉妹だったか。二人には然程、外見の違いは無かったが、内面は全然違うようだ。メリッサは少し強めな活発な女性といった雰囲気を身に纏っているが、ケイト先生はその逆。とてもゆっくりとした雰囲気を纏っているように思う。


「お姉ちゃん? どうしてここに? アキレア帝国の魔物討伐遠征には参加しなかったの?」


「いや~、私も本来はそうしようと思っていたのだが先週、王宮から急遽この子の監視命令が出て遠征には参加出来なかったんだ。まあ、こっちの方が給料良いから別に気にしてないけど」


「なるほど。一人の生徒に監視員が付いているって言われていたけどそれってお姉ちゃんの事だったんだね! と、この話は置いといて、まずは私の自己紹介から! 私はケイト。以前までは各地域での魔物退治などをする討伐隊のリーダーをしていたけど飽きたから学校の先生になろうと思って学校の先生に転職しました。で、今回が初めてなので色々と不満な事も出てくるとは思うけど、わからない事があったら遠慮なく言ってね!」


 何とも軽々しい転職のきっかけ。そんなんで普通、国の討伐隊のリーダーから転職できるものなのだろうか?


「私はエルリ、エルフ族と人とのハーフです。使える魔法は中級までです。よろしくお願いします」


「俺の名はラクサス。伯爵家の長男で使える魔法は上級までだ。よろしく頼む」


 ケイト先生に続いて次々と自己紹介をし始める生徒達。皆、有名な貴族、特殊な種族や商人の息子などであり、アウルは自分の場違いさに少し押しつぶされそうになっているのだった。


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 そのときアキレア帝国では。。。


「騎士団長殿、前衛の後衛リーダーから通達を受け取り、参りました」


 兵士は大変、急いでおりとても深刻な表情でそう言い放った。


「今回の他国との合同討伐により境界付近で発生していたファイヤードラゴンの群れの討伐には成功したものの、その残党がここアキレア帝国に向かって来ているとのことです」


 兵士がそう言うと、騎士団長は少し黙り込んでしまった。なぜならファイヤードラゴンを一体、倒すのにも上級魔法使い4人でやっとのことなのだ。だがファイヤードラゴンが単体で行動するということはあり得ないのだ。要はファイヤードラゴンを従わせるボスが必ず一体はいるということなのだ。そしてファイヤードラゴンのボスといえば勿論のことファイヤードラゴンの中でもより強い者ということになるわけであり、その場合は上級魔法使い8人でも勝てるか勝てないかといった所なのだ。ちなみに現在アキレア帝国、国内にいる上級魔法使いは全員で10人。要するに超級魔法使いが1人で80%以上の実力者達が現在、アキレア帝国不在の状態になっている。


まだまだたくさん直さないところや間違ってるところもあると思いますのでたくさん編集してしまうかもしれませんが、頑張って書くのでよろしくお願いします!

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