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第33話 魔法大会、その後1

今日、以前僕が書いたものを見ていると、老人シリーズの時に出てきたキャラの名前がジークからジートとなっていたりしていたので直しました。あれ?こんなキャラいた...? みたいになってしまったかと思います。すみませんでした。

「エルさん大丈夫ですか?」


「いや、全然大丈夫じゃないです。ヤバイ、死にそう。体中の骨が痛む…」


 昨日、あの後すぐに病院へエルさんを連れて行き、診断してもらったがなんと背骨が数十か所と左足の骨が折れており、魔族の生命線とも言える魔力の制御部分である羽と角に穴が開き、かなりボロボロだったため、回復速度が何十倍も落ちて普通の人間と同じになってしまったらしい。


「まあ、仮に魔王なんだから人間の何倍もの速さで回復するでしょ!」


「ですね~」


「いや、いや、いや。これは絶対にすぐには治らないから」


「大丈夫だって!」


 そう言ってアリシアが、仰向けになり包帯と共に上へ吊るされてある左足をポンポンと叩いた。


「あ゛あ゛あ゛っ…。ぐすっ…痛い」


 エルさんはその瞳から一滴の涙を流し、ひたすら耐た。アリシア、今は触ってやるな。その後、俺達はエルさんと別れ、セリーヌ姫に迎えられて王のいる王城へと向かった。


「父上! 某が参りました」


「おお、セリーヌか。そしてそちらに立っている方々はそなたの言う魔法大会で優勝した魔法学院チームか? どうやら人が多いようだが…」


「お久しぶりだ、アルフレッド王」


「おお、ベルか! よくぞここまで参った! それとアルフレッド王は止めろ、ガインと呼べと言っただろ?」


「いや、ガインよりもアルフレッド王の方がしっくりくる」


「じゃあせめてアルフレッドで….それよりもそなたは相変わらず子供体系のままのようだな。まあ、元気そうで何よりだ」


「私にひっつくな! この変態王」


「良いではないか、良いではないか! むっふっふっふ!」


「えっと、あの…」


 するとアルフレッド王は咳払いをし、こちらを向いた。


「これはすまない。少し取り乱してしまったようだ。我はこの国の王、アルフレッドだ。そして今回の一件、そなたたちに感謝する」


「お褒めにあずかり光栄です」


 ハクが慣れた仕草で左手を腰の後ろに当て、右手を体の前へ運び、頭を下げた。


「そのようにかしこまらなくても良い。今回は我らが礼を述べる場なのだからな」


 そう言い王は隣にあるソファーに座り、俺達にも座るよう言った。


「セリーヌ、まずはこの一件での事情を述べよ」


「はい、父上。今回、孤立の魔王グーゼがここアキレア帝国の近辺にある魔王城に住んでいたエル魔王と交戦していたようですが、彼はグーゼに敗れ、魔法大会の会場を魔法学院チームの優勝表彰式の後に襲撃し、彼はアウル殿の新魔法、[ブラックホール]すらもコピーし、会場の人々をその魔法で吸い込み、会場の施設にも甚大な被害をもたらしました。ですが、彼、アウル殿はグーゼの放ったブラックホールに吸い込まれた人々を彼が去った後、救出し、某の命をもお助けいただきました」


「なんと! 我が娘の命を助けたといことはどういうことだ?」


「はい、グーゼが血を使った魔法で某を殺そうとしたときに結界、バウンド、[ブラックホール]などの魔法を使い、その血が某に当たるのを防いで助けてくれたのです。アウル殿は某の命の恩人でもあるのです」


「それは本当か? いや、生きていて本当に良かった…アウル殿、我が娘を助けたことを感謝する。そなたには感謝してもしきれない」


「いえいえ、そんなことないですよ」


 アルフレッド王は俺がそう言ったあと、少し考えこみ、こう言った。


「そうだ、何か欲しい物は無いか? 我がなんでも用意しよう」


「いえ、別に欲しい物なんてないですよ」


「そう遠慮するな。ほれ、何か必要な物や願いは無いのか?」


「じゃあ私は研究費を!!」


「ベル、お主には聞いておらん。—―――では我が娘はどうじゃ?」


 は? いえ、結構です。っと言いたいところだが、どうやって断れば…


「父上、それはどういうことで…?」


「どうも何もそなたをもらってくれないかと言ったのじゃ。そなたもアウル殿に助けられた命だ、そう嫌がることも無かろう」


「そんな…まだこのような…..淑女がこのような形で…それも..アウル殿に迷惑を掛けて….しまうかも…知れないというのに………….….」


 そんな…まだこのような…の後は声が段々の小さくなった為、セリーヌ姫の声は聞こえなくなってしまったのだが、かなり嫌がっているということはよくわかった。


「あの、アルフレッド王、セリーヌ姫も嫌がっているようですし、僕も今は欲しいものが無いのでまた何か必要な物があった時に―――


「某は…アウル殿になら….」


 セリーヌ姫は顔を真っ赤にしてそう言った。


「というわけじゃ。我が娘はそなたに託すとしよう」


「えっ、ちょっ…」


「すまないな。我はこれからグーゼの事についての会議があるのでな。また会おうとしよう。ベル、お主にも娘を任せた」


 そう言って、アフレッド王はこの部屋を飛び出し、会議へ走っていった。と、こうしてセリーヌ姫は俺と共になることになった。

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