第26話 魔法大会5
リーダーが召喚した精霊ジェネラルは魔力を増やしていき、膨張している。その球体が召喚時の1.5倍ほとの大きさになると球体がぱっかり半分に開き、大量の魔物がその中から出てきた。というよりは召喚されたという方があっているだろうか? どの魔物も水属性で約50体ほどが召喚された。
「ジェネラルよ! 奴らを攻撃しろ」
するとジェネラルが「グウォーン」と嫌な音を放ち、地面の地響きと共に大量の魔物達が俺達を狙い猛ダッシュで攻めてきた。
「ではお返しします」
俺はそう言うと手の平の上に乗せてあった水の玉「水核爆発」をジェネラルに放った。ジェネラルは消滅したが、召喚された約50体の魔物までは届かなかった。
「ガード」+「ヴェインズ・ショット」
アリシアは[ヴェインズ・ショット]をハクが発動した魔法 [ガード]に合成し、サイコロほどの大きさのボックスが連結した盾を作りだした。そして一体の魔物がその盾に触れた瞬間、触れられた5個のボックスがその魔物に向かって放たれた。ボックスはかなりの速度で直線上に放たれ、その魔物と後方で走って来ている魔物達を突き抜け、空間の壁に当たるまで止まることは無かった。
「なっ…その魔法はなんだ?」
男がそう言った瞬間、こちらに走って来ていた魔物達がボックスの盾、全体に触れてしまい、全てのボックスが直線上で目標に向かって放たれ、ボックスは目の前にあるもの全てを突き抜けた。結果、相手チームにもボックスが直撃し、結界を張ったものの、それも破壊され気絶した。これで全ての魔物は撃たれ死に、空間内はトマトが地面一帯に落ちたかのような地獄絵図になっていた。相変わらず容赦無いな。相手チーム、本当に死んだかと思ったぞ。観客と出場者達の反応は昨日と同じ。今回は時間停止を使い、人が群がって来ていた場所から観客席に移動した。
観客席に着いてから少し経つとロリ長チームの試合が始まった。相手は普通の3人のおっさんだった。だが、3人とも手には何やら大型の機械を持っており、魔力は通っていないものの、かなり強そうな見た目だった。
…というよりもあれ、”マシンガン”、”レールガン”と”レーザー砲”だよね!?
試合が始まると3人は容赦無くロリ長のチームに連射。どうやら多少魔法を使い、改造しているようで威力が高く、弾丸も減らない。防御面は流石に魔道具を使っていたが、その結界もかなりの物だった。
「なんだこれは!! また今回もよくわからない兵器を持ち込みよって!!」
「ぐはっ…ベル、早く治癒魔法を!!」
「その前にまずは防御魔法だ!! なんだこの魔法は!!」
やっぱりこうなるよね…。ロリ長達はパニック状態になり、相手チームは何やらのんびりと話しをしだした。
「やはりあのような幼い子供たちを相手にするのはちょっと気が引けますね」
「そうっすね~。早く降参してくれないかな? 俺、この後レイちゃんとデートの予定が」
「リア充かよ! 死ね!!!」
相手チームは結界の中でのんびりと喋っており、ロリ長チームは完全になめられているようだった。ロリ長達は弾を走ってよけながら防御魔法を掛けたり、結界を作り、攻撃系魔法を使おうとしていたが、詠唱が終わる前に結界は破壊されてしまっていた。
「何かあの弾を止める手段は無いのか? このままだと全滅してしまうぞ」
「わかっておる! 何かないか何かないか……」
「あっ…超級魔法[Xバウンド]!!」
ロリ長は透明の板のようなもので弾丸を跳ね返そうと[Xバウント]を使ったが、一瞬で破壊されてしまった。
「どういうことだ! [Xバウンド]が一瞬で破壊されただと!?」
「もう打つ手は無いぞ!!! どうする!?」
「とにかく耐えろ! いつかは弾が切れるはずだ!!」
その後ロリ長チームは、相手チームの弾丸によって陣地にある魔道具を破壊された。結果、現代武器チームの圧勝。




