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第24話 魔法大会3

「ハク、あんなに余裕ぶってたのに負けてるじゃない! 口ほどにも無いわね。たかが女の子三人に全く相手にならないなんて!!!」


 アリシアはかなりお怒りのご様子である。俺も女の子に負けるのはダサいとは思うが、あんな強力な魔法を使われたら仕方がない。そして今度は結界を張っていた子が[聖鎖の門・ゲイト]を詠唱し、他の二人は新たな結界を作っていた。三人の結界は前回よりかなり強く、分厚く、そして密度が桁違いになっていた。どうやらお相手は俺に対してまた同じ戦法で勝とうとしているらしい。なんとも舐められたものだ。俺が速攻で三人の方へ走ろうとした瞬間、結界が粉々になり、三人は空間の端の壁に吹き飛ばされた。


「危ない危ない。一瞬、やられたかと思ったよ」


 ハクは平然と立ち、そう言った。会場の観客は歓声を挙げることもなく、ハクを中心に次々と気絶し、倒れていった。


「あ、やばっ…威力間違えた」


 ハクは手に集めた何十もの空気の層を相手に向かって撃った。その影響で周りの空気が歪み、観客の魔力が乱れて気絶してしまったのである。いくら小規模の空気爆発でもたった10層で人にとっては十分に気絶してしまう威力なのだ。勿論魔力量が人並より遥かに多い俺達には影響は無いのだが、魔力量の少ない人にとっては凄い衝撃になってしまうのだ。


 だが、2分ほど経ってから人々が起きだした。観客は何が起こったのか分からないといった感じで、俺達を観戦していた大会出場者や冒険者たちは魔力量が多い為、気絶をすることは無く、大きな歓声を挙げていた。どうやら空気の歪みはこの空間の壁でかなり抑えられたようだ。


「お前やり過ぎだ。それにあの威力は禁止していただろ?」


「つい、気が高ぶってしまって…。制御ができなかった…」


「確かにその魔法の制御はかなり難しいのよね~」


 俺はどうやったら大きさと密度を設定するだけの魔法制御が難しいのかはわからないが、あの威力だと会場の外まで影響が起こっているのではないだろうか…。少しするとようやく司会者が目覚め、試合の結果を確かめてから「勝者、魔法学院パーティー!!!」と、叫んだ。


 試合が終わると空間が消え、俺達は元の会場の真ん中に移された。すると気絶していた相手の女の子達が起き上がり、傷も回復しているようだった。ちなみにハクは三人を気絶させた後、ちゃんと彼女達から魔力を取り戻した。


「何が起こったの?」「まさか私達が負けた???」「一体どうやって?」


 すると司会者が手元に置いてある魔道具を持ち上げた。その魔道具から会場の真上に画面が現れ、ハクが何十もの空気の層を手に集めて三人に放った映像が移し出された。


「今のは何?」「なんなのあれ? あんな魔法見たことないわ!」「それほどの魔力を集めているようには見えないね。あれは魔法?」


「そうだよ。えっとね…あの魔法は…」


「何、教えようとしてんのよ! あの魔法は教えてはいけない約束でしょ!」


「…」


「…えっと、ごめんね。あの魔法を教えることは出来ない」


 当然だろ…。空気爆発を教えようとするとは何を考えているのだろうか!?


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