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第20話 襲撃と脅威3

「どうやら何者かに狙われているようだな。私以外は誰も傷つけることなく去って行ったようだ」


「そうだな。もし、本能的に強い者を先に片付けようとしたならば俺を真っ先に潰しに来るはずだ。それにあれほどの強さだ。奴らが俺の魔力の量を見破れないわけがない」


「何が目的なのでしょうか?」


「相手が欲しいものが全くわからないな」


 ハンマーヘッドと戦闘をした後、極端に魔物は出て来なくなり、時々道に小型の魔物の死体が転がってあり、魂を抜き取られたような感じで干からびていた。どうやら何者かがこの小型の魔物から魔力、体力、あるいは本当に魂を抜き取られたのかもしれない。だが、どれも死んでから何日も経っており、既に魔力も水分も何もかもが無くなっていたので本当のことはわからなかった。


「でも、アウル君がいれば問題ないですね。さっきもいきなりハンマーヘッドが瞬間移動をしたかと思えば、その後いきなり左胸に穴が空いたあれ、アウル君がやったんですよね」


「ああ、そうだ。でも時間を止めるのを忘れたから物凄い暴風が起きてしまったけどな」


「時間停止を使わなかったんですか?だってアウル君は馬車でずっと座っててそんなに体力を消耗した感じも無かったので時間を止めたのかと」


「いや、普通に走って、殴ってからここに戻った」


「嘘、それだと物理的に光速を超えた速さで移動したことになりますよ。ハンマーヘッドでさえ、光速より少し早かったのに」


「お前ハンマーヘッドの走る姿を認識出来たんだな」


「はい。ギリギリ見ることは出来ましたが、早すぎて動くことができませんでした」


「見えた? 感じ取ったじゃなくて? マッハ88万は優に超えていたぞ」


 光の速度は一秒で30万キロメートルも移動することができるというのだからどれだけ早いかよくわかるだろう。俺も正直目で追うことができないのでいつも魔力か時空の流れなどで確認をしている。魔力や時空の流れは光と違い俺の目にその物体の情報が入ってから認識をしなくても気配を感じるだけで事足りるのでいくらその物体の移動速度が速くても認識することができる。それを目で見ることが出来たとは何かの魔眼の持ち主か? 普通無理だろ!!


「お前、魔眼持ってるか?」


「はい、勿論。私は三つほど持ってます。でもアウル君の方がもっと持ってますよね」


 …は!? 三つ??? ちなみに俺0。いくら魔眼習得最大値(極)を神様から貰っても、学習するタイミングが無かった。俺の周りに魔眼持っている人がいなかったから人族は皆魔眼を持たないのかと思った。


「ちなみに私は五つだ!!! この国では2番目に多いぞ!」


「皆そんなにほいほい魔眼持ってんの? 俺、一つも持ってないよ」


「えっと…本当に持ってないんですか? ではどうやってあれほどの力を?」


 どうやらゼレシアとロリ長も魔眼のお陰で魔力、腕力と感覚を増加できているらしく、この世界の実力者達も必ずは魔眼を持っているらしい。ちなみに仙人の弟子や騎士などになるには最低でも二つは魔眼を持っていることが最低条件らしい。


「小さい頃から魔法と武術の練習を今まで普通にしていたらこうなった」


「それはどのくらいの頃から始めたのだ?」


「多分、俺が生後一か月の頃からだと思う。で、その頃からずっと疲れるまで魔法を使い続け、その二年後くらいから武術を覚え始めた」


「君、生後一か月の頃から自我があったのだな…確かに若い頃から魔力の器が出来上がるまでに魔法を使い続けると魔力が大幅に上昇するとは魔法学的に可能とは聞いたことがあるが、本当に多くなるのだな」


 その後俺は彼女達から魔眼を習得させてもらい、七つの魔眼を習得することが出来た。どうやら魔力強化の魔眼は最も一般的らしく、そこまでレア度が無いらしく、二人とも持っていた。習得の方法は実に簡単で目を近くで合わせることだった。だが、それはかなり恥ずかしいものだった。近いというのが鼻と鼻が付くほどの近さだったため、慣れていない俺にとっては物凄く刺激的であった。


今回は戦闘や新しい出来事が起こることなく、喋って魔眼を最後に習得したみたいな感じでストーリーがあまり進みませんでしたが、次回はやっとアキレア帝国に到着。魔法大会での試合やそこで出会う新しいキャラクターや戦闘シーンなど、どうしようかと焦ってはいますが頑張って文章の書き方や物事の動きをもっと上手く書けるように頑張るのでこれからもよろしくお願いします。

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