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第17話 老人3

 今日、俺はアリスとジークの服を買っていた時に下見しておいたブラックセラーという黒色のアイテム専門店へ来ていた。この店の物、全ては黒がメイン色であり、俺好みのスタイルの服や防具、そして武器なんかもあった。その上、質とデザインは良く、剣士って感じの服がたくさんあった。


 だが生憎そのようながっしりとした防具は魔法使い用では置いて無かったので素直にマントや細長い杖を買った。防御力はあまりというより全く期待はできなさそうだが、黒くてかっこいいし、何より魔力の制御が上手くなる魔法陣がマントの内側に描かれてあるのが気に入った。これによって魔法の実験などをより小規模なものにすることができ、被害をかなり抑えることが出来るようになったはずだ。


 俺は店から出ると、そこには昨日の爺と婆がいた。彼らの手には焼き鳥、魔物の干し肉、焼きそばのようなものや、その他にも色々手に一杯持って歩いていた。


「やあ! アウル。昨日のお礼に晩御飯を奢るよ」


「いや、いいです」


「遠慮しないでいいのよ。今日は昨日よりもっと料理を頼んで食べまくるわよ」


「…勘弁して…(泣)」


 俺は彼らと別れた時には俺が今日目的で買いにきていたもの以外のもので手が一杯になっていた。その後俺は自分の部屋へ戻り、部屋のリビングにロリ長とゼレシアを呼んだ。


「どうしたんですか?」


「何だというのだ? 今、私は大事な用を…って食べ物ではないか!!!」


「どうしたんですか? 随分とたくさん買って帰ってきましたね」


「君、そんなに食べる方だったか?」


「いや、今日友達と偶然会って、丁度彼らが持っていた食べ物を俺にくれたんだ」


「そうなんですね! では有難く頂きます」


「おう! じゃあ俺は寝室に戻るな」


「君は食べないのか? おいしいぞ?」


「いや、俺はもうたくさん友達と食べたからね。ありがとう」


 俺は寝室に戻ると今日買った防具とマントを装着し、杖を持ってここのまだ下にある地下訓練場に向かった。今日は何だかんだ言って、喋っている間に食べ過ぎてしまったので体を動かさないとヤバイ気がする。


 ロリ長によるとこの訓練室は指定した魔物を魔力で構築して戦うことができ、その上戦闘を分析し、術者の魔力を測定することができる機能が備わっているらしい。なので今日はこの機能を使って装備している時としていない時の差を実験し、魔力制御の練習をしようと思う。


 俺は[ミニ・ファイヤー]や[ライトニングスティク]などの魔法を使用してみたが、やはりこの装備のおかげでより、魔力の威力がかなり抑えられるようになったようだ。だが、もしものことを考え、俺はその後、大会の前々日まで制御の練習をした。



 この日、学院は授業が無くなり、生徒達は明後日に開催されるアキレアの魔法大会を見に行く準備をしていた。アリシアとハクは今日まで複合魔法を特訓し、超音波などを使えるようにまでは成長した。彼らは無数の科学反応も今では理解できており、今では小型の水素爆発を起こすこともできるようになった。もちろんそんな魔法を大会で使うと死人が出る可能性があるというより、会場自体が無くなりそうなのでいざという時にしか使わないように言ってある。


 だが、これで俺達が負ける可能性はかなり低くなったはずだ。俺は荷物を持ち、各クラスに分けられている馬車に乗った。明後日の魔法大会ではどうなるか非常に楽しみだ。


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