第9話 魔法学習♪5
俺とゼレシアが透明魔法を使えるようになった後、俺達は色々な魔法を試した。今思うとゼレシアはかなり魔法の習得が早く、魔力も決して低くは無い。そしてSクラスの生徒でさえ、超級上位魔法を2分と使える者はいないし、何よりもゼレシアの魔力はSクラスの生徒より断然多かった。そのため俺は何故ゼレシアがEクラスにいるのかがわからなかった。
「なぁ、ゼレシア」
「はい、なんですか?」
「お前、なんでEクラスにいるんだ? お前ほどの魔力があれば簡単にSクラスになれたはずだろ?」
「実は、入学試験で小型魔力水晶を触れたら時に割れたしまい、その後中型魔力水晶に手を当てるように言われ、手をかざしてみると全然水晶が私の魔力に反応しなかったんです。結果、小型魔力水晶は最初から壊れており、中型魔力水晶では魔力が少なすぎて反応しなかったと見做され、そのテストの点数は0点になりました。ですが幸い水晶が壊れたことで学院にも不手際があったということで第二試験に行けるとようになったんです」
「それ絶対ゼレシアの魔力が高すぎて中級魔力水晶が反応しなかったんだよ」
「どうしてそう思うんですか?」
「だって俺も手をかざしただけで小型魔力水晶と濃い緑の水晶が割れたから。ちなみに俺の友達のハクによると魔力が大きすぎて水晶が耐え切れず、割れたらしい」
「え!! 濃い緑の水晶って大型魔力水晶ですよ!?」
「え、そうなの? それに第二試験で闘技場も破壊してしまったから今俺は王宮から監視員を一人付けられているよ」
「監視員? そのような方が付いているんですね。 それで、その方は今、どこに?」
「知らないけど俺達がEクラス用の寮の廊下で喋っていた時までは隠れて尾行していたよ。その後は視線を感じなくなったから多分どこかへ行ったんだろう。でも時々監視から離れてどこかへ行っているからその日の報告にでも行っているのだろう」
俺たちはその後ひたすら超級魔法の本や上級魔法の本をひたすら読み、試した。
気が付くと俺は椅子の上で寝ていたようで、ゼレシアは本を抱えて俺の隣にあるソファーの上で寝ていた。俺は膝の上に置いてある本を前にある机置き、壁に掛かっている魔法時計を見た。するとそこには7:30と書いてあり、俺はぎょっとして急いでゼレシアを起こし、制服を着てゼレシアと共に学院へ続く階段を上った。
「アウル君、起こしてくれてありがとうございました」
「いや、どうってことないよ」
部屋から学院までぐるぐるとした階段を一直線に上るだけだったので俺達は意外と早く学院へ着き、授業が始まる20分前には到着することができた。その後、俺達は別れ、別々のクラスへと向かった。
俺は教室へ着き、ガラガラっという音を立ててドアを開けた。すると目の前にはハクが立っていた。
「おはよう、アウル! 話は聞いたよ。君、魔法大会に出場することに決まったそうじゃないか」
「ああ。アリシアも出場するがな」
「そ・こ・で、僕を三人目にどうだい?」
「いいよ。別に他に言う宛ても無いしね」
「ありがとう! 君が友達で本当によかったよ」
「どうしてそんなにその大会に出たいんだ?」
「他の人は怖くて行きたがらないみたいだけど僕にとっては今から名を売るチャンスだからね!」
ということらしい。確かに今から名を売っとくと、この学院を卒業した時に有名な冒険者バーティーや騎士団、そして有名な師匠などに勧誘される確率は高くなる。だが魔法大会の相手はその有名で実力のある実力者達。全く勝てる気がしないが一応頑張ってはみよう。
ということで三人目の出場者はハクに決まったがはっきり言ってこの二人の魔力が心配だ。二人とも俺が思うにかなり少ない。多分ゼレシアの三分の二くらいの魔力量しかない。
さてどうしたものか。
「ところでアウル、そのかっこいい黒い色の制服はなんだい?」
「なんか昨日学院から服が届いて今日、朝着てみたら黒色だった」
「なるほど。ところで君の左に書いてある0ってどういうこと?」
「ああ、昨日これと共にこの学生証が届いて順位見てみたら0になってた」
「ということは0001がフランク先輩で0がアウルだから君がこの学院で実力が一番上になったわけだ。でもなんでフランク先輩を0002に落としてアウルを0001にしなかったんだろうね?」




