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ゆらり異世界銭湯  作者: 作者不明
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店終りの一杯

ボイラーを落とし、店の片づけをし翌日が休みであるある日、アガサはいつもの下駄をはいてじんべいを羽織りながら秋が深まる夜道を歩く。

煙草に火をつけながら携帯灰皿を持ち、自分の家で吸うと孫であるマリアが嫌がるので外で吸う事にしている。

こちらに地球のマナーを反映させてもどうなのかという風な捉え方もあるが、国王であるクリスも煙草嫌いで有名な王であり、その家臣団も皆健康を害する物として扱っている。



「体にわりいからいいのもあんだけどねえ」


アガサは精神衛生上の嗜好品は心を健康にするものとして必要なものだとは思っているが、少なくともこちらの世界でも肉体関係で悪影響という事を医学が証明してしまってるので、王国法で喫煙所が設置されやはりこの世界でも喫煙者は肩身の狭い思いをしているのである。



「まあ、夜道は気を付けて携帯灰皿さえあれば吸えるのが幸いかね、さすがに女子供の前では吸えないからねえ」



アガサはそう呟きながら路肩にとめてあるこちらの世界の言葉でかいてあるとんこつラーメンの屋台へ足を運ぶ。

こちらはアガサではなく正真正銘異世界から召喚された英雄、即ちアガサ達の後輩である勇者の一人が再び世界を平和にした後に経営している店である。

ちなみにその戦の時にラスボスである女魔王と恋仲になり目の前の元勇者の屋台店主は子供を一人設けている。


アガサとは魔王と戦う前に戦闘訓練と称してギリギリの修行を受けた弟子の一人でもある。

魔王関連の問題はアガサとクリスの力技により解決したので深く突っ込んではいけない。



「先生いらっしゃい、日本酒にとんこつの濃い目?」


「あー、チャーシューもな、哲坊」



そういうと同時に座り、とりとめのない話をする。

哲坊と呼ばれた元勇者の店主のラーメンはこってり強めのいわゆる家系ラーメン。

こちらの具材がほとんどではあるのだが、それでも地球のラーメンと味は遜色はない。

それというのも彼の召喚前の実家がラーメン屋と酒屋で尚且つ島国で召喚されたという事もあり、日本と似通った食材があったこと。

それが彼の職人魂に火をつけ、現在は大陸をまたにかける商会の大旦那として屋台をひきつつ世界を行脚している。


ちなみに仲間であった者達もその優秀な技能をいかんなく哲坊の商会でふるってる。



「あれだ、嫁さんがお前をたててくれてるならその事に感謝はわすれちゃいけめえよ」


「心得てます、年上の女房は大事にしろですね」


「そういうこった」



師匠と弟子の会話はとどまることを知らない



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