鍛冶師の歌
「アガサ、今日も良い天気だな」
昼間に汗だくになりながらもずんぐりむっくりな筋肉の塊のような髭もじゃの男が老店主であるアガサに声をかける。
「おう、バルデス、今日は日がはええな、仕事はどうした」
「今日は弟子共に任せて、早々に上がりだよ、娘の結婚式は明日だからな」
「そうか、メイサの結婚式か、するてえと似会わねえ礼服着るんだな」
アガサはにやにやと笑うとバルデスは肩を竦める。
「全くなんで混血とはいえドワーフの血を持つ貴族様がうちの娘を嫁にもらうかねえ」
「そんな事言っても名誉貴族だろ?冒険者成り上がりだ、別におかしかないんじゃないか、電光のブリッツっていやあ他種族パーティーのリーダーだし」
「----俺の渾身の一撃を受け止めた後にも先にもあの野郎だけだからな」
バルデスはふてくされたような顔をしながらもため息をつく。
「なんだかんだ、息子共よりもかわいがってたかんなあ、うちのもそろそろかねえ」
「マリアはクリスの倅と物心ついた頃から一緒だからなあ」
「精霊と人間との混血に龍と化け物人間の混血が結ばれりゃこの王国も安泰だね」
「それよりもお前さんは婿にいれんだろ、まずはそっちの家庭関係だねえ」
「うるせえ、じじいだ!ひとっぷろあびてくらあ!!」
「ごゆっくり」
バルデスの怒り肩を見ながらも幸せそうな雰囲気にアガサはあんぱんを取り出し牛乳を飲む。
「友の新たな門出を祝して、今は飲めない時間だからねえ」
そうつぶやきにやにや笑う
「王国随一の鍛冶屋の一撃に耐えるたあ見上げた男だな」




