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じねんじょ  作者: なかよし
あなぐら
2/13

感想ください

意識を取り戻すと三宅陰謀は目を開いた。何故なら開きたかったからだ。そして右足の筋肉のみを使用して全身を立ち上がらせる。三宅陰謀は立ち上がる時、必ず右足の筋肉のみを使用するクセがあるのだ


右目にゴリゴリとした違和感がある事に気がつき、右まぶたは閉じたままにしておきたい気持ちになる。三宅陰謀は右まぶたを閉じ、その上に右手のひらを雑に添えつつ左目のみで周囲を確認する


花が多い。それが第一印象である。とにかく周囲に花が多い。部屋の中のような気もするが、外のような気もする。何故なら壁があるわけではないが、やけに空気が悪いからだ。まるで数人のおっさん達と共に狭い部屋に突っ込まれてギュウギュウと過ごしているような、なんとも言えない油臭さと空気の薄さである。そのあまりの不快さに三宅陰謀は右乳首を左手の中指と薬指でツネッた。これはストレスを感じている時の三宅陰謀のクセである。彼にはクセが多い。あぁ、右目がゴリゴリだ。実に不快。右乳首が気持ちいい


そして三宅陰謀の頭上。天井か空かわからないが、赤い。バッチリと赤い。血のように赤い。右目が不快。その事に対する三宅陰謀の感想は、まぁそんな事もあるさね……程度のものであった。それより右目がゴリッゴリでつまらない。右乳首は濡れてきた


ふと生臭い空気が三宅陰謀の右頬を撫でる


「みぃつけた!意外と身長高いねぇ」


そんな声が突如右耳のみに聞こえてくる。その声はダミ声だった。右目がうずく。しかもソレはダミ声のクセに耳元で囁くように間近から聞こえてきた。その事がなんとなく不快であった。三宅陰謀は思う。ダミ声のクセに。遠慮しろ、と。右目がいよいよ憎いし、右乳首は登頂感を出してきた


しかし近くには誰もいない。酸素薄い。右目くたばれ!!誰か右乳首を吸ってくれ!!などと混乱していると、三宅陰謀の前方から人のような何かがムネムネと近づいて来ているのに気がついた


その人物は仮面なんとかイダーの様なイカツイ出で立ちで、全体的に黒を基調としているが所々に赤を取り入れた奇抜なデザインの異形者であった。そのものを見た瞬間、三宅陰謀は股間の山芋がうずくのを感じた



「おい、ヤバいぞ。赤奴(あかやっこ)じゃないか。異界の空気に誘われたか」


右耳のダミ声親父が何故か慌て始めたと同時に、三宅陰謀の脳内は疑問符で埋め尽くされる。が、次の瞬間には疑問符が感嘆符に変わる


右まぶたの上に添えていた右手を押しのけ、右目から突起物が伸びてきたのだ!


それを見た赤奴は歩みを止め、意外と高い声で観察するように話し始めた



「あの右目から10cm程飛び出した突起物……ワタシの魔力に反応して顔を出したようだが、恐らく全長1m程のブツだろう。そして股間が5cm程膨らんでおる。という事はやはり……身長180cm程の、そこの彼はアレか。そうかそうか。これは良いところに出くわした。問題は股間の5cmの膨らみ。アレはニンジンか、ゴボウか、はたまた……山芋か。確かめる必要があるな。ワタシから彼までは35m程か。問題ない、射程の範囲内だ」



赤奴から得体の知れない恐怖を感じ、三宅陰謀は思わず後ずさる。その時天井の赤が裂け、ヒゲに周囲を覆われた汚らしく巨大なクチが現れる。そのクチはこう叫んだ


「ここで死なれては困る!!悪いが吸い込むぞ!!」


その声は先ほど耳元で感じたソレと同じダミ声であった


「あの10m程の汚いクチ。人間め、手が早いな」


赤奴が諦めたようにつぶやくと、その瞬間三宅陰謀の全身が、鯖缶を箸でグチャグチャに混ぜたようなクサいドロドロに変質し、天井のクチに勢いよく吸い込まれてしまった



それを見た赤奴は少し残念そうにしていたが、やがて振り返ると、ブツブツと何やらを呟きながら歩き始めた


「身長180cm……2m程のブツ……覚えたぞ……ククク……5cmの膨らみ……おそらく、山芋……覚えたぞ……覚えたぞォ!!ギャァアアハハハハ!!ガハハヒィヒィ!!アヒーヒヒヒィギィガフッ!!ガッ!!グムッ……ゲホッ!!ゲェーッホ!!……変なとこにツバ入った」






三宅陰謀はドロドロになった瞬間意識を失っていたが、意識が戻った瞬間目を開いた。何故なら、開きたかったからだ。そして例の如く立ち上がると、周囲を見渡した。右目のゴロゴロは消えていたので、今度は両目で……である。


そこは何やら空調の効いた部屋のようであった。全体的に薄暗くてよく見えないが、学校の教室と同じくらいの広さであろうことが分かった


そして眼前にはヒゲ面のハゲと、その取り巻きが4、5人立っていた。4、5人というか、キチンと数えたら7人いた。危ない危ない


ヒゲ面のハゲは身長1m程のチビであるが、一番偉そうな服を着ていたので、きっと彼が一番偉い人だろう。そしてこの汚いヒゲに覆われたクチ。先ほど自分を吸い込んだ巨大で汚いクチは、恐らく彼のものだろう。その事を察した三宅陰謀は、何故か落ち込んだ


取り巻き達は皆2m程の巨漢であった。チビヒゲハゲにみんなで10cmずつ身長を分けてあげれば、みんな幸せになれるのにと三宅陰謀は思った


彼らは全員ローブに身を包み、顔が見えなくなっていたが、一人だけ全裸のおっさんがいた。この人は自分にだけしか見えない妖精か何かかと三宅陰謀には思われたが、さっきから隣の人に「右膝が痛いんだよぉ。これ絶対働き過ぎたんだよぉ。いやー痛い。帰りたい」みたいな事をずーっと話しかけており、隣の人も「あぁ……あぁー……あぁ……ん?……あ、あぁー」しか言わないが相槌は打っているので、実在の人物で間違いはなかった


その全裸おっさんと隣の人以外は無言を貫いており、ただただ三宅陰謀の事をじっと見つめるだけであった。その表情はニヤけており、ご機嫌ではあるようだった。三宅陰謀はとりあえず相手の出方待ちに徹して見たが、すぐに気まずくなった。右乳首を左手の中指と薬指で摘みつつ、ひとまずこちらも愛想笑いをと思って笑ってみたものの、緊張からか「ハッ……アハッ……ハァハ!」と、なんとも気持ち悪い感じになってしまった。三宅陰謀は少し赤面し、後悔した


その後1時間程して、チビハゲが口を開く


「えげへへへ!!よく来たな、我らの希望よ!!エデベヘロゲズブ!!」


その頃には完全に飽きていた三宅陰謀だったが、唐突に意味不明な事を話し始めたチビヒゲハゲに対してイライラしてしまい、彼にツカツカと歩み寄ると、そのまま彼の前歯を一本抜いた


「アビー!!アビー!!」と豚のように喚く彼を見て、全員が爆笑である。全裸のおじさんなんて、指差したくらいにして。みんなで腹を抱えてしまった


数十秒して落ち着いたチビヒゲハゲは、真面目な顔で口を押さえながら、早足で部屋を出て行った。三宅陰謀は彼の目に涙が貯められていた事を見逃さなかった


それを見た取り巻き達は、オイオイオイとざわめきつつ、両手を開くアメリカンスタイルで困惑していたが、少しして「ヤバいかなぁでもアレは仕方ないよ」とか言い訳しつつ部屋を出て行った。怒られるのかな。でも俺は悪くない。と、三宅陰謀は思いつつ、立っているのが疲れてきたので、その場に体育座りした


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