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じねんじょ  作者: なかよし
発芽
10/13

また会えるかな

BOY & GIRLの悲劇のクライマックスにて、或るヒューマンの精神が蘇った。それは遥か昔に滅びたはずのヒューマンであり、誰もが忘れたヒューマンであり、この世界の命運を握るヒューマンであり……




「器は何処に……(もう)何もかも我枯(わから)ない」


そのヒューマンのボイス それは悲しい


何かを求めさまようヒューマンボイス


それは悲しいボイス


とっても とっても 悲しいボイス


それが産声となり


遥か昔に止まったはずのカウントダウンが、再びうごき始めた










そして世界もまたうごき出す













にこやかなスキンヘッド、マタネサヨナラは珍しくしかめたツラを晒しつつ、導かれるように歩いていた。自分がどこへ向かっているのかわからないまま足をうごかして行く。彼が歩いている方角のずっと向こうには、絶望の丘と呼ばれる場所がある。そこには空を血の色に染めている犯人がいると言われているが、真相は誰も知らない











首振り男は相変わらず首をブンブンといわせながら、よくわからないことを口走っていた。その後ろには十数名の狂陰坊が付いてきていたのだが、彼らは頭が狂っているからなのか、恐怖心も持たずに興味本位で首振り男を尾け回していた。彼らは首振り男が屁をこいたことをバカにしたり、足をかけて転ばしたりしながら、暇をつぶすように過ごしていた。しかし首振り男にちょっかいをかけるたびに、彼らはその数を減らしていった。何故なら近づき過ぎて首振りに巻き込まれ、命を落とす者が多発したからだ。そんなスリリングな暇つぶしは頭脳のイカれた彼らにとって、たまらなくイカした遊びであった。しかし、彼らは気がついていない。首振り男が絶望の丘に向かって歩いていることに







チョンマゲ王国の王は常にアドレナリンを滾らせている、血気盛んな戦王である。彼は名刀サバンナ渡りを腰に下げ、常に標的を探して過ごしていた


ある日彼の元に急報が舞い込んだ。それを受けた彼は大変なニヤけツラを晒しつつ、部下に命令を下す


「すぐに調査団を向かわせろ!!何が起こったのか調べてこい!!」


彼は血生臭いことに関しては鋭い嗅覚を持っている。その嗅覚はしっかりと察知していた。これから起こるであろう、辛辣な戦闘のニオイを











血生臭いことに関して鋭い嗅覚を持ち合わせているのは、何もチョンマゲ王国の王に限ったことではない。荒廃した異大陸を気ままに旅する男、歩異死。彼は全身に班目模様のアザを持つ、世界最強の人間である。彼もまた気がついていた。世界がざわめいていることに。興奮して逆立つ皮膚をなだめつつ、異大陸よりどんぶらこっこと帰路につき始めた















睨みつける 我が(ガン) 見つける


刻みつける まだ勘 冴えてる


(いが)み付ける 我が(かん) 垂れてる


(ひが)み付ける 我が(ガン) 尻目に揺らめく世界など知ったことか!!我は唯自分のやりたい事をやりたい様にブッ放すのみだ!!!!というなんとも理不尽な思考の元に、3人の副魔王を呼びつけたのはご存知!魔王 地真理(ちまり)である。彼は鋭くギラつく視線を遠くにブッ放しつつ、副魔王の3人に告げた



「さぁ、始まるぞ!生き残りをかけた戦いが!この戦いに勝てば、世界は我等魔族のものだ!さぁ、親愛なる同胞達よ!行って勝ってこい!!我等の手で世界を変えるのだ!!」




魔王の声に対し、真摯に振る舞うは副魔王 八坂理(やさかり)である。彼は薄らハゲた中間管理職のような風貌をしていた。ちなみに彼は尻フェチのど変態であり、特にタイトスーツに身を包む残業中のOLの尻には本当に参るらしい。彼は魔王に向かって深々とこうべを垂れると一言「仰せのままに」と応え、すぐに何処かへ走り去った




魔王の声に対し、屁で返事するは副魔王 ギルティ・カミクダキである。彼は安物のジーンズをこよなく愛する煮干し野郎である。彼は常に肛門に釣竿を差し込んでおり、いつでも魚釣りができる様に準備している。口癖は「コスパが〜」である。彼は肛門から生やした釣竿を丁寧に撫でつつ、通販カタログ片手に何処かへ走り去った




魔王の声に対し、真夜中のマシンガンでハートを撃ち抜いた男がひとり。そう、彼こそが副魔王 御座見(オザケン)である。ホテルの屋根滑り降りて。昼過ぎには寝不足の御座見にテイクワンの声がする。走る魔王と御座見。まわるカメラ。もっと素直に彼が喋れるなら……


「帽子の頭文字から部屋番号を探し出した」


笑う彼ら。キザな言葉。もっと素直に彼が喋れるなら……
















そしてこの男も


誰にも見られずに


相変わらずひとりぼっちのまま


ひっそりと


動き出そうとしていた





「とにかく貧乳女子のわずかな膨らみを眺めたい。とにかくだ」




三宅陰謀は深淵の闇にて右足の筋肉みで7年ぶりに立ち上がると、そう呟いた


そして身体を……そう、以前とは全く様子の違ってしまったその身体を!ズルズルと気持ちの悪い音を立てつつ引きずり始めた!



「しかし行くあてがない。貧乳女子はどこだ。とにかくいいニオイのする方へ……いいニオイのする方へ……」




カウントダウンがうごき出す


世界は終焉へと向かい


全ては収束するだろう





「いいニオイのする方へ……部活帰りの女子中学生のニオイのする方へ……」


















スタッフロール










ー出演ー


金田石 振助:なかよし


股根 沙世麗:なかよし


マタネ サヨナラ:なかよし


首振り男:なかよし


狂陰坊のみなさん:なかよし


愛罪 山休:なかよし


隅田 暮花:なかよし


隅田 暮花さん捜索隊のみなさん:なかよし


医者:なかよし


チョンマゲ国王:なかよし


歩異死:なかよし


地真理:なかよし


八坂理:なかよし


ギルティ・カミクダキ:なかよし


御座見:なかよし




ー照明ー


なかよし


ーメイクー


なかよし


ーしゃくれ指示ー


なかよし


ービブラートー


なかよし


ー稲刈りー


なかよし


ー尻軽エステティシャンー


なかよし


ーラーメン食べ歩きブログ更新作業ー


なかよし


ー企画・制作ー


なかよし


ースペシャル・サンクスー


すべてのげっ歯類と、読んでくれたあなたに
















そんな沸き立つ世界を尻目に


くたびれた酒場にて不味い酒をすすっている男がいた


彼は世界の異変に気がついているのか、いないのか……よくわからないが、とにかく呑気に不味くてクサイ酒をすすりつつ、酒場のマスターと話し込んでいた



「マスター!野菜くれ!野菜!!とびきりクッセェやつな!!」

「貴方も好きですねぇ……こんなもの欲しがるのは貴方くらいなものですよ」

「俺は玄人向けのモノが好きなんだよ!食べ物にしても、何にしてもな」

「女の子の趣味もスゴイですもんね。デブ専のブス専の……」

「そう!あとワキガフェチな……ん?」

「……どうしました?」

「ヤバい」

「トイレですか?」

「違う……このビリビリと肌を刺す刺激的な空気……来るぞ!ヤツだ!」

「え?」

「マスター!すまないがカウンターの中に匿ってくれ!」

「えぇ……いいですが、誰がお越しになられたのですか?」

「オッサンだよ!ハゲおやじ!峯田のオッサンが来たんだよ!!」

「あぁ、納得しました」



彼はそそくさとカウンターの中に隠れると、身体を丸めてじっと動かなくなった。それに少し遅れて酒場の戸が汚い音を立てて開き、この物語の新章もまた幕を開ける






















なかよしプレゼンツ


じねんじょ


第2章 発芽




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