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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ベギルー学園物語

作者: 三浦安針

騒ぎは入学式から


「今日のまたとない魔法日和に、魔術師学校入学式ができることを、心から祝いたいと思います。また、御父兄の方々は・・・」

 今日は、晴れの魔術師学校ベギルー学園の入学式。あたしは、ミース=ファーラ、十二歳の女の子よ。魔術師学校に入るのも大変だったけど、これから、どうなるかなんて考えもしなかったわ。

「ミース、お母さんは、もう、これで帰るけど、寄宿舎でいろんな人に迷惑かけるんじゃありませんよ」

 お母さんが言ったみたいだけど、聞くわけないでしょ。迷惑かけるも何も、せっかく自由になれるんだから。だけど、あたしは、ずる賢くもあるから、

「わかったわ。気をつける。だから、お母さんも、心配しないで家に帰ってよ」

 なんて言って、ごまかすことなんて、朝飯前の話よ。

 なんてことを考えていたら、

「君、なんて言う名前なんだい」

 後ろに座っていた男の子が聞いてきたけど、なかなか、美少年なんだけど、自分から名乗りもしないから、無視してやったわ。あたしから名前を聞きだそうとするなんて。一万年早いと言うものよ。

 だけど、あきらめようとせずに、

「僕は、ローク=ネーンだよ。君の名前はなんていうんだい」

 しつこく聞いてきたから、仕方がないから答えてあげたわ。本当、必要ないことだと言うのに。これだから、もてる女と言うのはつらいわね。

「へえ、ミースさんか、だったら間違いない。どこかで、見たことがあると思ったんだよ。君、小さい頃、スーロの下町で育たなかったかい」

 確かにそういうことはあったわ。その時の知り合いらしいけど、あたしは、こんな奴覚えていないわ。勝手に覚えていて声をかけられても、忘れているほうからしたらうるさいだけというものよ。

「それがどうしたと言うの」

 すると、半分驚くような半分うれしいような表情になったわ。なんて言う奴よ。

「泣き虫だったミースが、ここまで強くなって、僕としてもうれしいよ。だけど、本当に忘れちゃったのかな。いじめられると僕にすぐに、討伐させたと言うのに」

 あっ、そういえば、そんなこともあったかも知れないわ。ううん、覚えている奴は覚えているもんね。 だけど、そんなネタで、誤魔化して、あたしに近付こうなんて百年早いわ。えっ、さっきより短いって。そりゃあ、そうよ。あたしって、とっても寛大だから。

「確か、君は今は、上町の住民になっているよね」

 そうよ、それがどうしたと言うの。まあ、確かに、上町に住むと言うことは、上流階級の仲間入りをすると言うことだけれども、どうせ、まだ貴族の身分にはなっていないわよ。

「確かに、上町に引っ越したけど、それがどうしたと言うの。それとも、あなたもまさか上町に住んでいるとか言いだすんじゃないでしょうね」

 ありえないでしょうけどね、と思わず、心の中では言っていたけどね。だって、ロークの家は、付近でも有数の貧しい家だったんだもの。だけど、あたしの心の中の感想には、反していたわ。だって、ロークは、こんんなことを言い出したのよ。

「ああ、上町に引っ越したよ。といっても、今まで僕のことを無視していた実父が、正妻の息子つまり僕の異母兄が、事故死したのを機に強制的に呼び出したからに過ぎないんだけどね。僕の生れた頃は、僕の母は、そいつの妾として贅沢な暮らしを楽しんでいたらしいし、その結果僕が生れたんだそうだ」  

良くありがちの展開ね。どうせ、あなたが生れてすぐに、縁を切られたんでしょう。だけど、それを言うほど常識が抜けてはいないから、口に出すようなことをしないわ。

 だから、それを言う代りに、

「へえ、あなたが、貴族の御落胤だっとわね。予想もしてなかったわ」

 などと言って、その場を誤魔化して上げたわ。なんて、あたしって、とってもやさしいんでしょう。

「そりゃあ、そうだろうね。僕自身、そのことを知ったのは一年前なんだから」

「へえ、そうなの。だけど、それ以外に兄弟がいるんじゃないの」

「一応いるよ、このベギルー学園の一つ上の学年に正妻の娘にあたる姉がいるそうだよ。名前はティンていうんだそうだ」

 何も、そこまで聞いてないわよ。馬鹿じゃないの。だけど、聞くだけ聞いてあげるわ。

「まあ、そんなもんだよ。これだけ言ったんだから、君も、あれからどうしていたか教えてほしいな」

 出た、自分が言ったんだから、相手にも言わせる攻撃。本当に嫌になるわね。あたしは、寛大だから言ってあげるけど、あたし以外だったら、けり倒されているでしょうね。

「あたしは上町に引っ越してから、このベギルー学園に入るために受験勉強をずっと続けていたのよ」

 すごいでしょう、二年間もそれを続けたのよ。誉められて当たり前の話だわ。

「ふうん、そうなんだ。実は、僕は、実父のこねでいろんな人の成績を見せてもらったんだけど、僕と君の合計点数は一緒だったと言っていたよ」

「こねと言うと、じゃあ、あなたの実父って何者よ」

「スロトールの公爵だよ」

「ええっ」

 何よ、スロトール公爵領と言ったら、今や王家の領地よりも広いスーロ国最大の貴族よ。その息子だったなんて。ううん、ロークをこれから、利用しないといけないわね。と思ったけど、よくよく考えてみたら、

「あんた、確かあたしの成績を見たって言ったわよね。勝手に見るなんて酷いわよ」

 そうあたしなんかは、自分自身、どのぐらいの成績か知ることもできないと言うのに酷いわよ。まあ、この学園の特徴は、あたしみたいな上級平民は成績が良くて、貴族は成績が悪いと言うことらしいけど。

「安心してよ。僕らは、結構いいほうだったよ。余裕で合格ってかんじだったみたい。姉にあたる人と違って」

 馬鹿にしたような表情になったわ。どういうことよ。

「怒らないで、怒らないで。あっ、思わず馬鹿にしたくなるんだ。姉にあたる人のことを考えると。だって、七色呪文もできないような劣等生だけど、実父の力で学園に入れるだけの人だから」

 なるほど、馬鹿にしたくもなるわね。七色呪文なんていったら、三歳ぐらいになれば、普通は使える呪文だし、使えないような人は、普通蛮族の社会に追放されても文句言えないぐらいですものね。

「だけど、いくら、権力があるからといって、よく魔術師学校に、そんな人を入れる気になったわね、あなたの実父も」

 浮かんだ疑問を、そのまま、言わせてもらったわ。

「ああ、それね。実父は、七色魔法ぐらいしか使えないぐらいだから、魔法の知識に疎くて修業すれば、高レベルの呪文が使えるようになると信じているらしい」

 馬鹿にしたような口調で言ったけど、その意見にあたしも賛成するわ。魔法の素質が無かったら何にもならないと言うのに。やっぱり遊んで暮らせるような大貴族は馬鹿が多いわね。  どうも、そんな意見が表情に出ちゃったらしく、

「ぼくも、その息子だけど」

 ううん、鋭いわね。ロークだけは、同列視するのはやめてあげることにするわ。ちゃんと、実力で入ったんだしね。  などと、思っていたら、

「では、今日は、寄宿舎へ行きなさい」

 教師の一人が言い出したのよ。仕方ないわね。寄宿舎へ行ってあげるとするわ。まあ、その寄宿舎も近いうちにあたしの思うままに操れるようになるんでしょうけど。

 それで、その日は寄宿舎に行ったけど、中では日没後、喋るのを禁じられているために仕方がないから、黙ったまま片づけとかをやって寝たわ。



 翌朝、起床時間の十分前に、思いっきりベッドから、落とされて起きたわ。

「何するのよ」

と大声で叫んだけど、傍に居たの同室の上級生だったわ。いったい、何だろうと思ったら、

「私は、平民が大嫌いなのよ。平民が一緒の部屋になった場合、毎日、起床時間の十分前にベッドから落とすことにしているのよ。まあ、この学園をやめれば、それ以上の嫌がらせはしないけど」

 一瞬、頭が痛くなったわ。こんな人が一緒の部屋なんて。それで、駄目でもともとと思って聞いてみたわ。

「あなた、ネーンという苗字とか言うんじゃないでしょうね」

 相手は思いっきり驚いたわ。あたし自身、本人だとは、思わなかったけど。

「なんで知っているのよ。確かに、私はティン=ネーンよ」

 おもしろいから、混乱させておこうと思ったけど、うるさいからやめておくわ。

「あんたの異母弟に聞いたのよ。成績のこともついでに聞いたけど」

「えっ、じゃあ」

「聞いたわよ、七色呪文も使えないんですってね」

「悪かっわね」

 怒り出したわ。本当に馬鹿ね、この人は。本当のことを言われて怒りだすなんて。

「今まで、折角下手に出てあげていたと言うのに、人の好意を無駄にするんだから。これだから、平民は駄目よね」

 寝ている相手をベッドから落とした時点で、下手に出ていたとは言いがたいと思うのはあたしだけじゃないはずよ。本当、言葉を操ることもできないなんて。やっぱり、馬鹿ね。

「覚悟できるとでも言うの」

「あなたの父親は公爵かも知れないけど、あなたは生徒だと言う事実を悟ったらどうなの。だったら、何か呪文を唱えてみなさいよ」

 あっ、悔しがってるわ。やっぱり、馬鹿が貴族になると、どういうことになるかという典型ね。  にらみ合いが続いていたら、

「起床。起きなさい」

 たまたま、起床時間になったらしくて、教師が歩き回っているわ。今日のところはこの辺で勘弁してあげようと言う気になる最大の要因だわ。あたしも、例外じゃなくなってあげようと思うわ。かわいそうだし。  それだから、何も言わずに、着替えてから、部屋を出ていってあげたわ。


 そして、校舎に行くと、ロークが近づいて来たわ。

「あんたのお姉さん、ティンって言ったわよね」

「そうだけど、どうしたんだい」

「一緒の部屋よ。言っておいてくれてもいいじゃない。あなたのお姉さんが、平民嫌いだと言うことぐらい」

「言ったら、傷つくかなと思ったし、まさか、一緒の部屋になるなんて思わなかったから。だって、あの人のせいで、もうすでに八人退学してるとは、普通言えると思う」

 あやつ、そんなに、暴れ回っていたなんてね。口だけだと思っていたら、結構陰湿なのね。まあ、あたしに嫉妬しているだけの馬鹿でしょうから、気にしないけど。  そんなことを考えているのに、気付いたらしく、

「あまり、油断しないほうがいいよ。魔法を使えない代わりに、怪力だから。一人目は、十カ月前にベッドごと二階の窓から落とされて、今も入院中だし、六人目は、食べるご飯というご飯に下剤を混ぜられて、脱水症状になって入院して、今も通院する必要があるような前例があるから」

「だけど、よく、罰せられないわね」

「実父の権力のせいだよ」

 吐き出すように言ったわ。まあ、ロークは、あたしと同じように下町育ちだから、権力に恨みを持っても不思議はないと思うけど、それにしても酷いわね。

「だけど、今まで、逆らおうとした人はいなかったの」

「先生に一人居たそうだ。もっとも、その人の一族の領地で大火事が発生して、一族ともども破産した上に、その火事の責任をその先生の放火と言うことになったんだ。だけど、その先生は、その頃隣国のルデーネへの使節の随員として、この国にすらいなかったというのにね。裁判の結果死刑になったよ」

 あたしにも、陰謀に陥れられて、殺されたと言うのはわかったわ。だけど、そこまですることないと思うわ。貴族だからといって、許されることばかりじゃないと思うし、第一人の命の大切さをもっと考えてあげるべきよ。

「ああ君の言いたいことは、僕にもわかるよ。その話を聞いて、僕はこんな人間と呼ぶに値しない人間の血を引いているんだと思うと、消えてなくなりたいとまで思ったよ。だけど、僕が何か変えることができればと思ってやめたけどね」

 昔から、正義感が強くて優しい性格だったけど、今は、その優しさに強さが加わっているみたいだわ。こんなロークならば、あたしは、力をあわせて戦ってもいいんじゃないかと思うわ。いえ、戦わなきゃいけないと思わせる何かがあるわ。

「あたしに、何か、できないかしら」

「ううん、だったら、二人で姉の横暴だけでも押さえるために共同戦線を組もまない」

「ええ、あたしは、賛成するわ」

 それで、あたしたちは、ティンを反省させるためにいろいろ攻撃することにしたわ。だけど、それを聞かれているとは、夢にも思っていなかったんだけど。


 翌日、ベッドから落とされる前に起きて、さっさと部屋から出て、いろいろ、準備をしてから、ロークに会ったわ。

「いよいよ、決行ね」

「ああ」

 それで、寄宿舎の部屋に乗り込んだ。

 すると、あたしの知らない女の人が居た。はっきり言って思いっきり醜い容貌だった。

「ふふふ、あなた達のたくらみなんてとっくの昔にばれているわよ。この人は、三年生の首席であるゾエさんよ。どうぞ、やってください」

「ええ、言われなくてもやるわ。私は、美しい顔の相手を見ると攻撃したくなる質でね」

 まあ、確かにあたしは、美少女だと言う自負があるし、ロークも美少年と言って差し支えないわ。だけど、それだからといって攻撃されるいわれなんて無いわよ。確かに、ティンも、結構醜いし、ゾエは更に醜いわ。美少年、美少女に嫉妬心を持ってもふしぎではないと頭ではわかるんだけど、ふざけた言い分よ。

「ええい、竜巻」

 早速、ロークが呪文を唱えたわ。あたしはその呪文に便乗して、

「熱湯攻撃」

 竜巻に熱湯が混ざって攻撃する。あたれば、火傷間違いなしの呪文よ。予定通り、ティンは恐慌状態に入ったけど、ゾエは、動揺もせずに、

「魔法解除」

 えっ、そんな高レベルの呪文が使えるなんて。確かそれは、高級呪文書が必要だったはずよ。さすがは首席ね。

 それのせいで竜巻も熱湯も消え去ってしまったわ。

 それで、ティンは、

「おおっほほほほ、これが、ゾエさんの実力よ。せいぜい、苦しみなさい」

 はっきり言って、これは厳しいわ。魔法解除の呪文を使われたら、どんな魔法も聞かないわ。これは、一時退却する必要があると思ったら、

「今度は、こっちから行くわよ。体入れ代わり」

 呪文で攻撃されてしまったわ。この呪文は、一番近い人と体が入れ代わってしまうという嫌がらせによく使われる呪文なのよ。一番近くというと、ロークだった。

「ああ、やめて」

 しかし、願いむなしく、体が交換した。だけど、この時妙案を思いついたわ。

「きゃあ、恥ずかしいわ。なんて言って、光熱攻撃」

 わざとティンを狙った隙を突かれたゾエは、何もできずに光はティンに命中し気絶した。

「これで、あなたの雇主は、戦闘不能になっわよ。どうする気」

 そういって、心理攻撃をしたわ。だけど、どうも失敗だったようで、

「ふん、足手まといが居なくなって、せいせいしたわ。じゃあ、再び攻撃よ。闇」

 闇が直進する呪文だったが、辛くも避けられた。しかし、このままでは、負けは、確実に思われて、ロークの側に寄った。

「どうする、ローク」

「ミース、こうなったら、二人で、手を握りあって、瞬間移動の呪文を使って、後から蹴ろう」

 瞬間移動は、二人以上居ないとできない術よ。だから、使い勝手はあまりよくないけど、奇襲によく使われるものよ。だけど、この光景、回りから見たら、普通は反対だなんて言うかも知れないわね。確かに、中身が反対なんだから、仕方ないとは言え。

「よし、瞬間移動」

 二人ではもって言って、真後ろに回ってケリ倒したわ。そうしたら、たまたまゾエは、呪文を唱えようとしていたところで、それが暴発してゾエ自身に命中。ゾエも気絶したわ。

 そして、二人を思いっきり、縛って、(縄抜けの呪文などは、知られている限り存在しない。)二人が気付くのを待った。

 ゾエが復活したために、まず体入れ代わりの呪文を解除させて、ティンもけり起こした。

「それで、この負けに対してあなた達は、どうするつもりかしら」

.「えっ、あなたから、攻めてきて、それはないでしょう」

 ティンは、そういったけど、ゾエは、潔いらしく、

「わかったわ、私たちの負けよ。ごめんなさい、私は、この容貌でしょう。それに家は、貴族なんだけど、没落しきって久しいのよ。だから、敵が、美少年、美少女で破格の報酬と言うことで、こんな人についてしまったのよ」

 弁解しながらも、謝罪をしたために許す気になったわ。だけど、一番の問題のティンは、反省の色が見られないから、再び、攻撃しようと思ったけどロークが止めたの。

「頼むから、もう攻撃しないでくれないか。姉のやっている悪事を実父に全て書いて送ったから、これ以上悪事に走ることもできなくなるだろうし、どうしょうもないといっても、僕の姉には違いないんだから」

 それを聞いて、ティンは、急に泣き出した。

「ごめんなさい、今のロークの言葉で、私が悪かったと言うことを、やっと認める気になれたわ。確かに、酷いことをやってきたと言うのはわかってはいたの。だけど、それを口に出して認める勇気が無かったのよ。だけど、それでも私のことを姉だと言ってくれるロークを誇りに思うわ。私は、これからは誰にも嫌がらせをやらないし、才能が無いのは、分かり切っているから、この学園もやめるわ」

 それを聞いて、あたしは、急に、

「そこまでする必要ないわ。あたしたちは、ルームメイトよね。これから、仲良くやればいいじゃないの」

 言って引き留めようとしたわ。あたしでも予想外だったから、ティンは更に驚いたわ。

「本当にいいの」

「ええ。魔術が専門といってもここは学校よ。友達を作るのは禁止されていないはずよ」

 そういって、慰めてあげたわ。その時、急に暖かい気持ちなれたのが気持ち良かったわ。



 だというのにもかかわらず、翌朝、また、ベッドから、落とされたわ。

「痛いわね、何するのよ。もうしないんじゃなかったの」

「景気づけよ、景気づけ」

「ふざけるんじゃないわよ」

 そういいながらも、あたしは、自分でも、楽しい感じがしていたわ。

「悔しかったら、あんたもやりなさいよ」

「明日の朝、覚えてらっしゃい」

「まあ、がんばりなさい」

 その後、校舎のほうに行くまで、ずっと口論が続いていたので、

「ティン姉さんに、ミース、一体、どうしたんだい」

 ロークが言ったけど、

「あんたは、黙っていなさい」

 ティンが言ったので、あたしも負けずに、

「あなたには関係ないでしょう」

 言ってやったわ。

「酷い」

「あんたがやられたいらしいわね」

 ティンが言い、攻撃したので、あたしも同調したわ。こうして、ベギルー学園での六年間の生活が始まったのよ。おおっほほほ。

20世紀に書いた黒歴史投稿。

書いた私からしても、読みにくいとも思いますが、

敢えて当時そのままで投稿してみました。

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