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断罪が五年前に終わっていたので今さら何をすればいいかわかりません

最終エピソード掲載日:2026/02/16
目覚めたら全部終わっていた。

乙女ゲームの悪役令嬢に転生したと気づいた時には断罪も婚約破棄もとっくに過去の話で爵位も家名も両親も何もかも失われた後だった。

辺境の小さな町立図書館で司書をしている。
前世は過労死した図書館司書。
古い本を直す手つきだけが前の人生から持ち越せた唯一のもので五年間ただ黙々と本を修復し続けてきた。

穏やかな日々だった。
誰も私を悪役令嬢とは呼ばない。
ここでは「うちの司書さん」それだけでよかった。

ただ一つだけ気になることがある。

返却期限を絶対に守らない常連客がいる。
無愛想で必要なことしか喋らないその男が三ヶ月間借り続けていたのは私が前世の知識で書き溜めた修繕メモばかりだった。

あの技術資料を一般人が読む理由がない。

そして男の正体は宮廷魔導師。
王宮の人間がなぜ辺境の図書館に通い詰めるのか。
修繕メモの何がそこまで彼を惹きつけるのか。

答えを探るうちに古文書の奥から三百年前の失われた魔法が姿を現し私の静かな暮らしは王宮の権力争いの渦へと引きずり込まれていく。

五年前に私を捨てた人たちが待つ場所へ。

けれど今の私の手には五年分の仕事がある。
弟が一人で集めた証拠がある。
そして隣には返却期限を守れない不器用な男がいる。

断罪された悪役令嬢の名誉は本の修復で取り戻せるのか。
返却期限を守らない男は最後に何を返しに来るのか。
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