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エピローグ
湧き水があふれ、町全体が光に包まれていた。
神秘の鳥は虹色の羽を大きく広げ、楽しげに空へ舞い上がった。
──これで七色の奇跡が完成したのだ。
……と、思ったその時。
「おい、待て!」
空へ舞い上がっていたはずの神秘の鳥が、舞い戻ってきた。
「まだ6色しか集めてないだろ!」
「…6色だったみたいだね。最後に湖から白が現れてたし」
場が一瞬で静まり返る。
(……あんた今さら気づくの!?)
思わず心の中で全力ツッコミを入れる。
けれど鳥は、虹色に輝く羽をそっとたたみ、微笑んだ。
「そうだな。白は、すべてを受け止めて初めて現れる色だ。
だからもう──揃ったんだな…」
笑いと驚き、そして奇跡。
そのすべてが混ざり合い、町は光に包まれていく。
こうして生まれた新しい名──
それは「幸せの町」。
この名と共に、物語は静かに幕を閉じた。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。