プロローグ
七色グルメクエストへようこそ!
深刻さゼロ、笑いとファンタジーが半分ずつ。
一緒に七色を探しに行きませんか?
目を覚ますと、そこは森に抱かれた神秘の湖だった。
水面は鏡のように静まり、光を受けて七色に揺らめいている。
──と、ここまでは神秘的。
「ピヨッ!」
頭上から羽音がして、色とりどりの鳥たちが舞い降りてきた。
その中で、一羽だけ真っ白な鳥が、こちらをじっと見つめている。
「えっ、なにその視線。初対面なのに圧強くない?」
すると白い鳥は胸を張って、いきなり叫んだ。
「ミッション開始ッッ!」
「……は?」
あまりの唐突さに、私のCPUは一瞬フリーズした。
鳥はクルッと一回転して、羽をキラッと輝かせる。
「七色のごちそうを食べ歩き、色を集めよ!」
「いや、説明短っ! もっと具体的に言って? 何分で戻ればいいの?」
「七色そろえば分かるのです! では健闘を祈る!」
「ちょ、待──」と言い終わる前に、鳥はふわりと光に包まれて消えた。
残ったのは、私の手首に光を宿した白い羽のブレスレット。
「……いや、…ほんとに始まっちゃったの…?」
見れば森の先に、にぎやかな町の景色が広がっている。
こうして私は、よく分からないまま“色集め”の旅に放り込まれたのだった。