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列国の秘史録  作者: sleet
鹿鳴之宴
26/37

ep.24

レイは城主と名乗る少女を唖然と見下ろしていた。

その様子に気づいたみづくはふんと鼻を鳴らす。

「ははん、小娘。こんなちっこいのが城主なわけないと思っているな?」

みづくはにやりと不敵な笑みを見せると、脇に置いてあったひじ掛けに片足を乗せ扇で天を刺す。

「いいかよく聞け!私はまごうことなき最強の鬼である!証拠なら今から見せてやろう、ここに…。あ、いっっだ!!」

ごつんと鈍い音がし、みづくが後頭部を抑えうずくまっている。

いつの間にか、みづくの背後に立っていた男がため息交じりに言う。

「みづく様、はしたないのでおやめ下さいと先ほど申したでしょうに。」

「痛いぞ、竹葉(チクヨウ)少しは手加減をしろ!!」

竹葉はぎゃいぎゃい騒いでいるみづくを適当にあしらい、その場に座らせた。

「申し遅れました。(わたくし)みづく様のお世話を担当しております竹葉と申します。」

「違う!側近だ!」

横から扇でグイグイと竹葉の頬に押し付けているが、彼はそんなのお構い無しに話を続ける。

涼訵(スズチ)様はあの件以来になりますね、お久しゅうございます。後の方は初めてお会いしますね。」

後ろで束ねた長い白髪に白い湾曲した長い二本の角が生えているその鬼は、とても整った顔立ちをしていた。

「竹葉、前に来た時の城主とは様子が違うようだが?」

腕を組み今まで黙って聞いていた涼訵が問う。

「そうですね。あの後、今は解決したのですが少し問題が発生しまして…。」

少し返答に困惑している彼をみづくが怪訝そうに見上げる。

「丹波国では大概の問題は城主が解決したきたはずだ。今回の依頼は護衛と聞いている。下町を少し見て回ったが昔より活気にあふれているように見える。特に問題がなさそうだが、それでも何故私たちにご丁寧に指名まで付けて依頼をしたのかを知りたい。説明ができないというならば、依頼を完遂できる可能性が低くなることご了承願う。」

普段と全く変わらず、堂々とした態度で接する涼訵をみづくはじっと凝視する。

竹葉はみづくの方に視線を落とす。みづくは黙って頷いた。

「この件の詳細は省かせていただきますが、端的に申し上げますと、現在みづく様は鬼としての力をほとんど失っているのです。それでも私共よりお強いのですが、今回ご依頼した件はみづく様に危険が及ぶ恐れがあると判断を致しました。ご指名に関しましては、みづく様のご意向です。」

みづくはふんと鼻を鳴らし、胸を張って得意げにしている。

「なるほど、理解した。依頼内容について詳しく聞かせてくれるか?」

「承知致しました。では、…」

「竹葉、私が説明する。お主は下がっていろ。」

先ほどの喚いていた人とは思えないほど落ち着いた声色で話を遮った。

「ですが…」

竹葉は顔をしかめ、みづくを制止しようとする。

「竹葉、くどいぞ。」

子供とは思えない鋭い視線で竹葉を黙らせ、部屋から退出させた。

みづくは胡座をかき肘をつき手の甲に頬を乗せ、空いた手では扇を仰ぎ口元は不適な笑みを浮かべている。

「これで邪魔者は誰もおらぬ。」

見た目は少女なのだが、えも言えぬ不気味さと威圧感が場の空気をガラリと変えていった。

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