変態セックス・ルネサンス
セックスアンドロイドはそもそもが少子化対策のために導入されたものだから、出産/射精機能を無効化することは禁止されていた。つまり娯楽としてセックスを楽しむことは禁止と言うことだ。しかしそんな縛りもセクサロイドが民間に放出された時点で無意味なものとなっていた。簡単にシステムがハックされ娯楽用セクサロイドが市場に溢れた。ホワイト革命により徹底的に抑圧された性は、セクサロイドによって爆発した。俗に言う変態セックス・ルネサンスである。人々は自分の性癖を解放するため、セクサロイドに身体をぶつけまくった。セクサロイドの種類も多様化し、人種・年齢・性別は当然として犬型猫型ニワトリ型など獣姦用も作られるようになった。清朝末期の貴族の嗜みのまねごととしてニワトリ型もカルト的な人気があった。
ここまで広範囲に広まってしまっては政府も歯止めなどかけることはできなかった。妊娠中のセクサロイドを破壊したら胎児の殺人罪にする法解釈をするのでやっとだった。
一家に1台のセクサロイドは当たり前だった。そもそもその家の子供はセクサロイドが産んでいる。その子供もセクサロイドで精通を迎えるのが普通となった。また、都会の狭い家ではセクサロイドを置くスペースが限られてくるので、田舎への移住が増えた。広い家で沢山のメイド・セクサロイドに囲まれて暮らす。セクサロイドの廉価化によって実現した男の夢である。一方で特注品の高級セクサロイドも登場した。こちらは金持ちの社交場で金持ち同士がお互いのセクサロイドを自慢し合い、スワッピングする用途となった。