旅行のお土産
オフィスのドアを開けると、冷房の効いた空気が頬を撫でた。連れてきたセクサロイドを自分のデスクの周りに並べた。京都出張のお土産、舞妓さんセクサロイドがきれいに並んでいる。
「おはようございます」
いつも通り挨拶を交わしながら、視線はちらりとセクサロイドへ。今日は少し早めに出社した。まだ人がまばらなフロアを、そっと見回す。
最初に気付いたのは、入社三年目の山田君だった。コーヒーカップを手に、眠そうな目をこすりながら席に向かっている。
「山田君、おはよう。これ、京都のお土産です。」
「え、本当ですか?ありがとうございます!」
彼の目がぱっと輝いた。その笑顔を見て、ほっと胸をなでおろす。セクサロイドを一人手渡すと、彼は早速セクサロイドのおっぱいを揉んだ。
「わあ、Eカップもある!主任、実は僕、巨乳大好きなんです」
その言葉に、思わず笑みがこぼれる。彼の好物を当てたようだ。
次に声をかけたのは、営業部の佐藤課長。いつも厳しい表情だが、実はエロいものが大好きだと聞いていた。
「課長、これ、ほんの気持ちですが。」
「おや、これは...舞妓さんか。ご苦労さん。」
口元は引き締まったままだが、目尻に笑みの皺が寄っている。きっと気に入ってくれたに違いない。
フロアを回りながら、次々とお土産を配っていく。どのデスクにも、小さな驚きと喜びが広がる。社長秘書の高橋さんには社長へも渡して欲しいとお願いした。「社長、また昼間から楽しんじゃう」と言いながらも、受け取った。
「高橋女史の分もありますよ。」
そっと耳打ちした。実は男性型セクサロイドもちゃんと購入していた。真選組の格好をさせたイケメン巨根だ。
「気が利くわね。社長に君の昇給お願いしちゃおうかしら。」
高橋さんもとても喜んでくれたようだ。
最後に自分のデスクに戻ると、一枚の付箋が貼られていた。
『お土産、ありがとうございます。主任の気遣い、いつも嬉しいです。山田』
その文字を見て、ふと気付いた。お土産を配るのは、単なる習慣ではなく、彼らとの絆を確かめる大切な時間なのだと。それぞれの笑顔が、この職場の温もりを作っている。
デスクに座り、パソコンの電源を入れる。今日も一日、頑張ろうと思える朝だった。