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元三十路おっさんの原点回帰  作者: THERDRIE
第一章 入学編
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第九話 特別待遇下の追い込み

 扉を開けたルードべドの視界に、その光景が映し出される。広くて、部屋の端々には本がぎっしりと詰まっていた。そして、彼の眼の前にあるのは、何か話し合うためだろうか、横長の机と数人用のイッスがあった。

 そんな中、奥には一人の女性が座っていた。冷静に、手を組みつつ机に出し、ルードべドの方を見ていた。

 学園長の後ろに窓があるせいだろうか。ルードべドは、差し込む光が後光のように、学園長が輝いて見えた。

 彼が歩を進め、学園長の近くにまで来ると、学園長はようやく口を開いた。


「さて、早速お前の総合的な強さを測定させてもらう。もちろんいいな?」

「もちろんです」


ルードべドは、意気揚々と答えた。その理由は、今の自分では、評価がどれくらいなのかという、純粋な疑問によるものだった。

 学園長が指を鳴らす。すると、ルードべドの後ろから、何かの機械を持った一人の男が現れた。

 ルードべドは思わず振り返った。驚いた。だがそれは機械の方ではなく、その男の方にだった。

 気配を感じなかった。そしてそれは、あの勇者も同じであるがゆえに、彼は、男がその域にまで達していることを悟った。

 男が機械を置くと、ルードべドの横を通り過ぎ、失礼しました。と一言だけ言って、扉を開けて退場した。


「機械に手を当ててくれ。そうすれば、数値が算出される」


ルードべドは緊張しながらも、その機械に手を当てた。

 その時、ピピッ。と音が鳴り響いた。

 学園長は、どれどれ。と数値を確認した途端、一瞬だけだが、目をまんまるにした。されど、悟られまいと、平静を装った。


「本来なら、このままクラスを言って立ち去ってもらおうと考えていたが、君に、いくつか質問させてくれないか」

「いいですよ」


ルードべドは、快く了承した。


「君は、エルラを倒したと聞いた。それは本当かな?」

「はい。本当ですよ。俺がカウンタースキルで隙をついて、そこで倒しました」

「カウンタースキル?」


学園長の耳が、わずかに動いた。

 それはそうだ。ここに来るのはまだ成人していない。そして、とてつもない力を持っているならまだしも、成人していないものは、魔王討伐や旅をするなんて、貴族か冒険者以外では、到底できないことであった。そしてルードべドはヒロとして、この学園に通っていた。つまりそこには、矛盾が生じていたのだ。

 そこでようやく、ルードべドは墓穴を踏んでしまったことに気づいた。


「ま、まあカウンタースキルを持っているわけではないけど、それもどきのような物をしただけですよ。子供の頃、貴族と友達でして....。そこでその動きを覚えたんですよ.....。アハハハッ」


乾いた笑いをするルードべド。怪しんだか?そう思ったが、


「なるほどな。疑ったりして、申し訳なかった。では、次の質問に答えてもらおう」


学園長の目が、先程よりも数段厳しい目つきになる。その御蔭で、ルードべドはよっぽどのことなのだと理解した。


「先程、お前の総合的な強さと、部分的な強さを、数値で表示させよう」


すると、学園長は複数あるボタンをいくつか順序よく押して、その画面を空気中で、大画面にして表示させた。そして、そこに表示されていたのは.....。


「これを見れば分かる通りだ。まずは攻撃力と防御力。そして魔力や魔法防御力といったフィジカル。これだけ見れば、私はお前をEランクにいかせていただろう。ただ、お前の各熟練度と技術量だけが、私が見てきたどんな生徒よりも上回っているんだよ。本当に、不思議なことだ。本来なら、大抵の生徒はフィジカルのほうが強いんだけども。しかしどうやら、君はそこに属さない、珍しい生徒のようだ」


どうしてこれまでルードべドは、熟練度と技術量が高いのか。それは、これまでに幾度となく魔王や魔物、いろんな種類の敵と戦ってきたから。形をなさない魔物やときには盗賊の組織の長。その歳月が、彼をここまで支えてきてくれたのだ。

 だが、それをいうことはない。


「しかし問題は、君をどこのクラスに置くかなんだよ。君のようなタイプは見たことがないからね。レベルの高いクラスにいけばいくら技術があっても勝つことはできない。だからといって、君をレベルの低いクラスにおいてしまえば無双状態」


実際、彼は前の魔王との戦いで痛感していた。いくらそれが強みだとしても、レベルが違いすぎれば、その差をカバーすることなんてできなかった。

 学園長は、苦渋の判断を取り、とんでもない提案を、ルードべドにしてきた。


「そこで、だ。君に、クラスを選ぶ権利を上げようと思う。君は、強くなるためにここに来た。といいたげな表情をしているからね。どうだい?君はこの提案を受けるかい?」


低レベルのクラスにいけば、ルードべドは無双状態。しかし、それは彼が望むものではなかった。

 考えて、考えて、考え抜いた結果、彼はそのクラスの名前を口にした。


「Bクラスで、お願いします」


と。

 もしこの物語が面白い、続きが見たい。と思った方は評価して頂けると幸いです。何卒よろしくお願いします

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