崩落 〜いや、こんなん現実になるなんて思ってないですやん〜⑥
「お!出た!」
嵜本の目の前に出てきたのはゲームなどで見られる特に装飾など無い文字だけが書いてあるシンプルな画面だ。
そこに書いてあるのは恐らくレア度と言われる記号と排出された物の名称のみが書かれていた。
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N:100円ヨーヨー
N:スパナ
N:カップ麺3種
N:クッキー5枚セット×2
R:タングステンバール
R:指パッチン(スキル)
N:生活魔法
N:グレーのTシャツ
SR:韋駄天
UR:全自動反射(スキル)
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「これは当たりなのか…?痛ったぁ!?」
「どうした?大丈夫か?」
「すっげぇ頭痛い…いっでぇええええ!」
「リーダー!?とりあえず座りなよ!」
突然の頭痛に苛まれる嵜本それもそうだ今嵜本には取得したスキルの情報が全てインプットされている最中でその情報量は嵜本の人生の約2週分である。
むしろ頭痛程度で済んでいるのが幸運な方だ。
しばらくして頭痛が治まった嵜本は心配する篠田らに今得た情報を伝えていく。
「心配させてごめんもう大丈夫。」
「なら良かった。で、何かあったのか?」
「うん。スキルが手に入ったからそれの使い方とか効果とかの情報がバーって入ってきて頭が痛くなったみたい。」
「なるほどね!まぁ特に何もなさそうで良かったよ!」
「曽江木さんもありがとう。で、ゲットした情報とかなんだけど。」
嵜本が説明したことをまとめると以下の様になる
・スキルには自動的に発動しているものと自発的に発動するものがあること
・自動的に発動しているものは例外はあるが基本的にはMP等の消費は無い。
・逆に自発的に発動するものは発動にMP等の消費があること。ちなみにこれにも例外は存在する。
・ガチャで得たスキルは本来嵜本が持つスキルでは無いため毎度頭痛に苛まれること。
・ガチャで得た物資は嵜本のスキルアイテムボックスに保管される。アイテムボックス内では物の劣化はしない。
ここからは得たスキルの詳細である。
・N:生活魔法
生活が便利になる魔法が使える。消費MPは使用者の魔法力に依存する。
使える魔法の種類は
・火種魔法
・飲料水魔法
・冷暖風魔法
の3つである。
・R:指パッチン
自身のアクティブスキル(自発的に発動するスキル)を事前に2つまで登録し消費MPが1.5倍に増える代わりに詠唱や溜めなどを省略するスキル。
・SR:韋駄天
自身の敏捷力に+100しその後敏捷力を2倍にするアクティブスキル。
アクティブスキルにしては異例の消費MPは無い。代わりに使用後に全身が裂ける痛みに1時間襲われる。
・全自動反射
パッシブスキル。
使用者に害のある効果や外的要因を反射し無効化するスキル。スキルによるデメリット等は全て無効化し外的要因に関しては威力を倍増して反射する。
任意で反射方向を選ぶことも可能。
このスキルは同価値以上の無効化スキルでなければ無効化出来ない。
「って感じなんだけど…俺もしかして最強?」
「多分な。指パッチンとか名前ふざけてんのかとか思ったが有用そうだし何より…」
「全自動反射ヤバくない?スキルによるデメリットってことは消費MPとかも無効化するのかな?」
「…するみたい。だから俺ガチャとか無限に回せるし頭痛も今後無いみたい。」
「やばぁ…」
最強のスキルを手に入れ騒ぐ嵜本達だがそんな彼らに忍び寄る最初の難題がもうすぐそこに迫っているとは未だ気づくよしも無かった。