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崩落 〜いや、こんなん現実になるなんて思ってないですやん〜⑤


「さて、残ったメンバーで本格的なこれからの行動を決めようか。」


「あぁ。」


そう言い残存するメンバーの視線を集める嵜本とそれに賛同する他のメンバー達。


「まずは舞元さんスキルを使ってマップを作っていこう。そのためにスキルは常に起動状態にしておいてくれるかな?」


「わかったよ。」


「助かる。これから楠さん達が行った方と別方向へ進んでいこうと思うけど何か意見のある人は居る?」


「楠とは別方向へ行くのは構わないが明確な理由が欲しい。」


「理由は3つ。1つは単純に後追いをするよりも別ルートを探索した方が楠さんら含めて脱出口を見つけれる可能性が高いこと。2つ目は後追いした場合もし今いるここがアニメとかゲームであるような迷宮だと仮定して先に進んだ楠さんらが発動させたトラップに巻き込まれたくない。」


「なるほどね。あれ?3つ目は?」


「ブルって助けを乞うかのように後を追ってきたなんてことを万に一つも思われたくないっていうただの俺のプライド。」


「「「確かに」」」


こうして一行はとりあえず楠らとは別方向へと歩みを進めた。


「はぁ…」


「言いたいことはわかるから言うなよ?」


「俺らここから抜けたとしてその後どうしようかねぇ。」


「言うなって」


「はぁ…会社無いなった…どうしよう…」


「…しゃーないだろ。」


そう彼らは腐っても会社員。スキルやなんやと少し舞い上がったが、もしそれがこの迷宮を抜けた先で使えなかったらそこに待っているのは、復旧作業と名のつくサービス残業のオンパレードだ。


「いっそ帰らないのもありかもしれんね。」


「あーしは無理。ただでさえ子供たちがどうなったか分からなくて心配なのに帰らないとか戻れないとか有り得ない。」


「そうだよねごめん。デリカシー無かったわ。」


「いや、別にいいよ。あーしがもし独り身なら同じこと考えただろうし。」


「いつもありがとうね気を使ってくれて。」


そんな雑談をしながら歩みを進める中曽江木が思いついたことを言う。


「ねぇリーダー?そういえばなんでリーダーのスキルは発動しなかったんだろうね?」


「さぁ?とりあえず暴発しなくてよかったけど、なんか発動するためのコストが足らなかったとか?」


「もしかしたらなんか溜まってるかもしれないよ?やってみたら?」


「やだよこれで爆発とかしたら責任取れないし。」


そうは言いつつも言われてしまったら気になるのが人間の性ではある。


(でも、実際問題ほんとに何をしたら俺のスキルは発動できるんだろうなぁ?コストって思ったけどそれは果たして時間経過とかで溜まるのか?うーん…)


悩みだした嵜本の答えは大体この結末に収束するのが鉄板だ。

とりあえずわからんけどやってみよう!に…。


「ガチャ!」


「「「!?」」」


「あ!なんか出た!」


「全員嵜本から離れて!!」


「あー…とりあえず今は大丈夫だよ。」


「なんか出たんだろ!?何が出たか教えろ!」


自分の例があるからか相当な距離を取る篠田とそれに習って離れる舞元と曽江木。


「んーなんかソシャゲのガチャ画面みたいなのが出た。」


「ソシャゲ…?あ!ならそこに排出確率とかで何が出るとか書いてないのか!?」


「あー…無いみたい!ただ発動コストに関してはわかったよ。」


「発動コストは?」


「MPだってさ時間経過で溜まるらしい。」


そうステータスボードには一切の記載がなかったがこの世界にはMPという概念があるみたいだ。


「とりあえず溜まってるしガチャしてみるよ。」


「お、おう頼んだ。」


「なんかいいの出るかなぁ…ほい!10連!」


嵜本はこの時のガチャは最高に輝いていたと後に語っている





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