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崩落 〜いや、こんなん現実になるなんて思ってないですやん〜③


あれからステータスやスキルなどの内容はとても気になるが一旦置いといて残りの従業員の安否確認と周辺情報の共有をしていく。


「まぁとりあえずみんな状況は分かってくれたかな?」


「なんとなくな。ただこれからどうするよ。」


「そこなんだよなぁ。」


そう、実際問題現状を打破するための解決策など例え日々妄想にふけっている嵜本にさえ分かるはずもないのだ。


「とりあえずみんな自分のステータス?ってやつを詳しく見てみない?他の人からは見えないみたいだし。」


「そうだねぇ。ケータイも電波無くて使えないし現状この洞窟的な場所を探索するにも把握出来るものは把握しておいた方が良いかもねぇ。」


そう先程嵜本が出していたステータスを覗こうとした曽江木には透明な板しか見えず文字やそこに書いてあるものは一切分からなかった。

それは逆も然りで嵜本が曽江木や篠田のステータスを確認しようとしたが同じ結果に終わったのだった。


「「「ステータス」」」


全員が曽江木と嵜本の案に乗っかり各々ステータスを確認していく。


(この、特殊スキルとか固有スキルってなんなんだ?他の人も持ってんのかなぁ。あと称号ってのも気になる。ゲームとかで言うと特定の行動とかで手に入れれるある種2つ名的な事だと思うけど物によっては称号でしか手に入らないスキルとかも有るのが普通だよなぁ。)


うむむむ。と考えを悩ませていると1人から声が上がる。


「あーしのこの固有スキル《オリジン》ってなんなんだろう。嵜本リーダー分かる?」


「いや、こっちから舞元さんのステータスは見れないし、そもそも俺のステータスすらあんまり分かってないからなぁ。」


舞元順子まいもとじゅんこ42歳シングルマザーで5人の子供を育てるママさんだ。

ただし見た目も中身もギャル。仲のいい嵜本らには優しいしノリも良いがギャルである。本人はいくら否定しようとも正しくギャルなのだ。


「そっか。ちなみにスキルの名前的には自動地図作成オートマッピングって書いてあるけど…ってわぁ!?」


「びっくりした!おっきい声出さないでよ。何かあったの?」


「なんか急に目の前にカーナビみたいなのが出てきて…ほとんど真っ暗なんだけど見える範囲は道ができてるみたい。」


「え、てことはゲーム的に考えるとめっちゃ役に立つくない!?」


「え!?そうなの?ラッキー!」


これでこの洞窟を探索するのが捗るし何より探索前にそういったスキルがあると知れたのは大きなアドバンテージである。


「他にも有用なスキルが無いかみんな自己申告にはなるだろうが確認すべきだな。」


「そうだね。とりあえず俺から言うと固有スキルはガチャってなってる。」


「…ガチャ?」


「なんだよ文句あんのか。俺の大事なスキルだぞ。」


「ガチャ笑」


「曽江木さん!?笑わないの!」


「ブッははははは!ダメだ笑える。」


「この状況下で笑ガチャって笑」


「みんなして笑うんじゃねぇー!」


「「「ハハハハハ笑」」」


こんなことになるなら言わなきゃ良かったとちょっと思う嵜本であった。


「はー充分笑えたありがとな。嵜本」


「別に笑いを取りたくて言ってないんだけど?」


「まぁまぁ。さて、俺の固有スキルだが筋力砲撃弾パワーブラストって名前らし…おいおいおいおい!」


「何そのでっかい力の塊は!?しまってしまって!」


篠田の固有スキルの名前を発したあと突如として篠田の後方に直径1メートルはあるであろうエネルギーの凝縮された弾のようなものが生成され始めた。


「しまえってつったってどうやってしまうんだよ!?」


「そんなの知らないよ!?自分で出したんでしょ!?」


「勝手に出たもんしまえるかぁ!」


問答をしている間にも筋力砲撃弾はどんどんとその大きさを増していく。


「篠田さん!とりあえずどっちかの通路の危なくなさそうな方に打ち出してみたら!?」


「舞元さん!危なくない方ってどっち!?」


「わかんない!」


「じゃあ俺から見て右の方で!」


「そんな当てずっぽうでいけるのか!?ほんとに大丈夫か!?」


「何も決めずにこのままその場でドッカンよりマシでしょうよ!」


「そりゃそうだ!」


意を決し嵜本が指示した方向に篠田が向く。


「じゃあ撃つからな!」


「いつでもいいよ!」


「発射ぁ!」


その掛け声と同時に放たられた筋力砲撃弾は速度自体は目で追える程度のものであったが暗闇の先で壁にでも当たったのか崩落の時以上の轟音を響かせた。


「怖ぇよあんたのスキル…」


「俺が一番ビビってるわ…」


何はともあれ一時のパニックはなんとか回避した嵜本達であった。



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